硝酸アンモニウムと炭酸カリウムを出発物質とした硝酸カリウムの生成方法

理論

硝酸アンモニウムと炭酸カリウムの化学反応式

硝酸アンモニウムと炭酸カリウムの反応で硝酸カリウムと炭酸アンモニウムが生成される。
また、炭酸アンモニウムは加熱すると分解する性質を持っているため、反応後溶液を加熱することで硝酸カリウムのみが溶液中に残る。
この製法は、これを利用して純粋な硝酸カリウムをより多く得ることができる。

準備物

材料

器材

  • 実験用スタンド

  • ガスバーナ、ガスコンロ、ホットプレート (いずれか)

  • ビーカー

  • 三角フラスコ

  • ガラス管

  • 漏斗

  • アスピレータ

  • 蒸留装置(丸底フラスコ×2、リービッヒ冷却器、温度計、ガラス管)

  • ビニールチューブ

  • 濾紙

  • ゼオライト

装置

蒸留装置

蒸留装置の図
  1. 丸底フラスコに溶液を入れて、加熱する。

  2. リービッヒ冷却器に水を下から上へ流し、発生した水蒸気を冷却する。

  3. 丸底フラスコで水を回収する。

  4. 三角フラスコにゼオライトを入れ、アンモニアを吸収する。

濾過装置

濾過装置の図
  1. 再結晶した硝酸カリウムを濾紙で回収する。

  2. 三角フラスコで溶液を回収する。

  3. アスピレータに水を流し、三角フラスコ内の圧力を下げる。

乾燥装置

乾燥装置の図
  1. 三角フラスコに硝酸カリウムの結晶を入れ、加熱する。

  2. アスピレータに水を流し、三角フラスコ内の圧力を下げる。


製法

硝酸アンモニウム水溶液の用意

  1. 速攻冷却の袋を開き、白いフレーク状の硝酸アンモニウムを160.1[g]量る。

  2. ビーカーに100[g]の水を入れて、硝酸アンモニウムを溶かす。

  3. 濾過装置で水溶液を濾過する。

炭酸カリウム水溶液の用意

  1. 炭酸カリウムを138.2[g]量る。

  2. 丸底フラスコに200[g]の水を入れて、炭酸カリウムを溶かす。

蒸留

  1. 炭酸カリウム水溶液が入った丸底フラスコを蒸留装置の加熱部に取り付ける。

  2. 丸底フラスコに硝酸アンモニウム水溶液を入れて、炭酸カリウム水溶液と混合させる。

  3. 火をつけて加熱する。

  4. 温度計の温度が100[℃]に達するまで、炭酸アンモニウムを分解させる。

  5. 温度計の温度が100[℃]に達したら、しばらく水を蒸発させる。

  6. ある程度水が蒸発したら加熱をやめて、丸底フラスコを室温で冷却する。

結晶の回収

  1. 丸底フラスコを冷蔵庫に入れ、10[℃]程度まで冷却する。

  2. 濾過装置に丸底フラスコの内容物を出す。

  3. 濾紙についた硝酸カリウムの結晶を三角フラスコに入れる。

結晶の乾燥

  1. 硝酸カリウムの結晶が入った三角フラスコを乾燥装置に取り付ける。

  2. 60~100[℃]程度で三角フラスコを加熱する。

  3. 水蒸気の発生が収まったら、加熱と減圧を止める。

  4. 三角フラスコから硝酸カリウムの結晶を取り出す。

参考文献

炭酸アンモニウム - Wikipedia


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