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回顧vol.13💫 2月23日G1全日本選抜競輪 決勝👑 〜レースを支配する古性優作〜

こんばんは、ナオです。
全日本選抜終わってから数日経ちましたが、負けたレースはしっかり回顧しなければ次につながりません。今回はタイトルを獲得した古性の素晴らしい立ち回りにフォーカスします。
どこまで濃い記事になるかわかりませんが、しっかり振り返っていきましょう!

1.初手 〜1番車古性の狡猾さ〜

この決勝を回顧するにあたり、一番重要な初手。ここで読み違えた私は3分間悲しい気持ちでレースを眺めておりました。。。

 G1決勝やGPなど、全員が1着を狙っているレースでは初手で前にいることが最も重要です。自力選手が脚の消耗を最小限に回るので、展開が淡白になりやすいからです。(昨年のGPは関東勢の意思がレースを作ったのでまた話は別ですが)
 ここで重要なのは、中四国ラインと中部近畿ラインの思惑が一致した!ということです。⬇️

・中四国ラインの思惑 
⑥⑨と不利な車番からの組み立て。太田が前回りということは捲りの選択肢はほぼ無かったように推測します。太田が逃げなければ新田が主導権でしょうし、そうなれば格下の太田ライン共倒れは明白ですからね。
 最終的に挑戦者である太田が先行するにしても、初手後方orS取りでは全くレース展開が違います。S取りすれば、他のラインに一度脚を使わせてから打鐘でカマせるし、赤板で他のラインが切りにこなければ自分のタイミングで先行することができるからです。初手後方からでは、他のラインが脚を使っていない状態での抑え・カマシ先行となり、捲られやすくなります
 以上のことから中四国勢にとってS取りは理想的な作戦と言えます。

・中部・近畿ラインの思惑
 1番車のある中部・近畿ラインにとって一番厄介なのは、カマしてきた中四国ラインの後ろに平原が乗ってくるという展開です。恐らく古性は、誰も来なければS取り、入れるなら中四国と決め打ってスタートに臨んだと思います。S取りして内の②③番車を入れる気配はありませんでしたから。どのような形にせよ、先行する中四国ラインの3番手に入ることがV最短とレースを読んでいたのです。古性がS取りした場合に、3番手で平原とやり合うかどうか、、それは今後の特別競輪まで楽しみにしておきましょう。

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結果、1番車古性の思惑通り、先行するであろうラインの3番手を得て、尚且つ一番厄介な平原を後方へ追いやることに成功しました。1番車をフルに活用した古性の巧さ・嫌らしさが出た初手となりました。

2.打鐘

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この隊列になってしまえば、打鐘まで動きがないのは容易に想像できますね。古性はベスポジ、新田も5番手なら捲り勝負という気持ちでいますから。(新田はどうしてもS班に戻りたい、という思いがレースの幅を狭くしてしまっています)
 深谷は平原とラインを組むなら先行あったかもしれませんが、単騎と決まった時点で展開待ちの捲りにかけていました。道中たまたま並んだことに対して特に何も動じず、やることをやるだけ。という思いでいたでしょう。
 

初手の隊列のまま太田の打鐘先行となりました。

3.最終3角

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 全く動きのない展開になったことで、松浦の番手捲りが想定より20〜30m遅くなりました。こうなると前でしか決まらないレースですね。単騎勢は全く蚊帳の外、新田の後ろ二人の大御所にも厳しいレースとなりました。
 ここで巧かったのは新田。番手捲りの真後ろ古性を内に押しやって直線で古性が踏む外の道を消しました。直線の写真を見ればわかりますが、松浦の1枚外の道を佐藤のルートにしたのです。こんな器用なことをできたのかと正直びっくりしました。

4.最終4角

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 外の道を消された古性は、松浦が外帯線を外した一瞬を逃さず内に進路を取りました。これ、普段外ルートばかり踏んでる並の自力選手にはできないんです。追い込み選手の踏み場ですからね。
 これこそ、このレースの勝因であり自力自在古性の強みなのです。レースの引き出しをたくさん持っており、それを瞬時に開けることができる力は素晴らしいですね。

5.直線

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4角、一瞬の判断で内に抜けた古性が3/4車輪松浦を交わしてタイトルを獲りました。新田も番手佐藤にしっかりルートを作っての3着、これは見事だと思います。

6.総括

 古性は昨年末、単騎でGP👑を勝ち取りました。その恩恵を受けた1番車で、今度は単騎の平原を捌いて今年のGP1番乗り。そして、GPで関東の3番手という大チャンスをものにできなかった平原。この決勝で、車番不利に8着に沈みました。
 全てのレースが繋がっていないようで繋がっているという、辛くもこれが競輪というものなのでしょうか。今後の平原の奮起に期待したいです。

そして今回の特別競輪は、車番を味方につけて完全にレースを支配した古性優作に最大限の賛辞を送りたいと思います!


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。ではまた〜

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