Brilliant Garden(DEMO)
UNCHAINという大好きなバンドがあって、高校1年生の頃から10年以上追いかけている。これは最近の曲で好きなやつ。
UNCHAINの「Orange」というアルバムに、「ウインド・ギア」という曲がある。
当時の私はワクワクした気持ちでアルバムを買ったが、この曲を聞いた時に残念な気持ちになった。
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「Orange」の一つ前に発売されたアルバムには特典CDがついていた。
特典CDに、デモ音源として入っていたのが「ウインド・ギア」の前身である「Brilliant Garden」だった。
「Brilliant Garden」は好評で、わたしも完成をとても楽しみにしていた。しかし、実際にリリースされたのはあらゆる要素が変更された「ウインド・ギア」だった。
・曲名
・歌詞(作詞者がVo.谷川さん→Ba.谷さんに変更)
・アレンジ
が変わっていた。
楽しみにしていた曲が、望んでいない形にアレンジされた事実を、2013年時のわたしは受け容れられなかった。
自分視点で、UNCHAINらしさを定義し、自分が好き側面だけを求めていたのだろう。
8年経って、川崎の街を歩きながら、ふと頭に思い浮かび、Youtubeで再会したBrilliant Gardenを通じて、懐かしさを覚えた。
「よく考えたら、デモからまるっきり曲を変えてリリースしたん凄いな」と感じた。
もし自分がVo.谷川さん(デモの歌詞を作った人)だったら、デモでファンに届けて好評だった曲の歌詞を、Ba.谷さん(新しい歌詞を作った人)に任せて、丸々歌詞を入れ替えるなんてことは怖くて出来なかった気がした。
既に期待してくれている人がガッカリするだろうし、期待に応えようと思いそうだ。そもそも新しい歌詞にする理由がわからない。(ネットでも調べたけど未だにわからん。)
でも最高の一枚を作りきる時には、他人の声に振り回されるよりも、自分の納得のいく一枚を作りたがるだろうなと感じた。この手のアーティストは、予定調和ではないものを愛し、既存のものを壊していくことに面白さを感じていそうな印象がある。印象でしかないのだけれども。
公平性や期待に応える気持ちよりも大事な「主観」が、そこには必ずある。
そして、前言撤回することの後ろめたさを上回るワクワクや、こだわりや願いが当時のUNCHAINにあったのかと思うと、何だかそれは大切で幸せなことのような気もした。
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変化の激しいこの時代は、細かく速く検証することが良いとされている。いわゆるPDCAを高速で回せ的なことがよく言われている。
中田敦彦は顔出しをやめると言ってから、動画1本で前言撤回した。
前言撤回して周囲に「なんだあいつwだせえw」って言われることを恐れるよりも、自分の中に体験を積み上げながら色々検証して方向転換もしながらやりたい方向性を見つけている方が、生きていく上ではよっぽど大事だ。
初志貫徹や有言実行は簡単ではない作業だし、できる人はすごい。
でも、人生はそれだけではない。
前言撤回を恐れるばかり、自分の言いたいこと・感じていること・やりたいことに蓋をする必要はない。
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UNCHAINから、デモと本番の曲は変わってもいいことを教わった。
初志貫徹が美徳とされてきた世の中(終身雇用で、副業はしない)で作られた幻想に惑わされている、という方もまだまだ多い。
「コーチングを受けたい理由」のところに、社会的通念に縛られて自分のやりたいことに踏み出せない、周囲の目がどうしても気にしてしまう・周りが優秀で専門性がない自分に自信が持てない、などとご相談をいただくことはとても多い。
そんな皆様が、自分だけのBrilliant Gardenにたどり着き、そして自分と自分がつながることを祈っている。
せめて、Brilliant Gardenにいる時だけは!せめて!