改築と埃と後悔
写真はこちらから。
さて。私は今、猛烈に後悔している。もう、普通ではないくらいに後悔している。題名にある通り、改築中の家の埃のせいである。これについては、多分、知っている人が聞いたら、「おいおい」というくらい基本的なミスを犯してしまったので、書くのも恥ずかしいくらいなんだけれど、ひょっとしたら私と同じようなボケをやらかす人もいるかもしれないので、恥をしのんで書いておく。
さて。イギリスにきてからは改築、というか内装に変更を加えたのはこれが二回目である。一度目は「地下牢?」と呼ばれていた地下室を居住スペースに変えたことで、5週間前後かかっただろうか。ちょうど日本に帰省していたときに工事が始まったため、帰ってきたら家中が埃だらけで「うわ?!」となった。早速空気清浄機を購入し、2階の寝室付近でフル稼働させることによって家の中の埃のレベルを随分抑えることができた。なるほど、漆喰でできている古い家の内装工事は大変なんだな、とそこで初めて認識したのだった。
しかし。
今だからわかる。私はとてつもなくその時点では甘かったのだ、と。
地下室の工事は、居住スペースからとりあえず離れたところで行われており、しかも、庭への窓からのやり取りがほとんどで、実質上、ドアにはテープを貼って目張りをすることが可能だった。
それで、あの埃の量だったのである。私が「すごい埃」と認識していたのは、「イギリスで古い家の内装工事をしている」状況を鑑みると、本当に驚異的に軽い埃に過ぎなかったのだ。
居住スペース真っ只中の改築
さて。今回の改築は1階の台所と2階のバスルームである。寝室は2階3階なので、基本的に居住スペースの真っ只中で改築が行われることになる。もちろん、台所のものは綺麗に箱詰めして地下室へと運び込んだ。重要なものもだいたいしまったのではないかと思う。
初日から寝室内で空気清浄機はフル活動だった。工事を束ねている業者さんは結構綺麗好きな人で、仕事終わりにはきちんと掃除機をかけてから家を出て行く。(ちなみにこれは、イギリスでは全くスタンダードではない。確かに箒でゴミを集めるまでぐらいはしてくれることが多いが、掃除機をかけずにぐっちゃぐちゃのまま帰ってしまう職人さんも珍しくはない。)だから、どちらかといえば、比較的埃に関しては準備ができている気分でいた。
しかし。
私たちの準備は全く不十分だった。
掃除機を1度や2度かけたくらいでは全くお話にならない量の埃が出る。リビングにある布張りのソファは座った途端にもわっと煙が立つ。私が他の部屋を水拭きしている間カーペットの上をルンバはフルで動き回るが(そして、確かにルンバのゴミタンクは一杯なのだが)恐ろしいのはルンバが動くだけで埃が空気中に立っているらしいこと、工事が終わった夜間に数回掛けてもいっぱいになること、だ。
特に参ったのは2階、3階にあったベッドまで埃をどんどん吸ってしまったことで、ドアをしっかり閉じていたにもかかわらず、ベッドに腰掛けた途端に咳き込むような状況に。シーツやリネンを変えればすぐに改善するのだけれど、洗濯機とドライヤーが使えない時間帯が多く、真夜中に泣く泣く洗濯をするしかないという状態に。
甘かった。本当に、甘かった。
それで、何が起こったか。
工事開始から2週間。とりあえず、私の声が出なくなっています(笑)肌もがさがさで、なんというか、これはこれで、自分が子供の頃いかに「体が弱かった」か、を思い出すと示唆的ではある。多分、風邪を引いたんじゃなくて、埃に負けていたんだな、あれは。田舎で畑に囲まれてのびのび育ってはいたんですが、畑って、ものすごい埃がでるんですよねえ。どう考えても、この肌のガサガサした感じと喉のあれっぷりは、あのころと全く同じ症状だなあ、と。
ちびもこほこほ咳をしはじめており、まあ、家族全員疲労しつつある。あと2週間。大丈夫なんだろうか・・・。
で、何をしておくべきだったのか。
工事の前に準備をしている頃、古くなったシーツ等、引き裂いて雑巾にしておいた。なので、せっせと水拭きしては捨てている。便利といえば便利なのだけれど、今だったら、引き裂かず全てとっておいたと思う。昼間、工事が入っている間は全ての家具にシーツを掛けて埃を避けておくために。
あるいは、工事用品店で安いビニールのダストカバーを大量に買うとか。
リビングのテレビも、「子供も見るだろうし・・・」とそのままにしておいたけれど、もう、本当だったらさっさと諦めてコンセントを抜いて全てビニール袋に入れておくべきだった。電化製品と埃の相性は最悪だし、この後ちょっと気をつけてメンテナンスをしてあげないといけないかもしれない。
「できるだけ普通の生活を」という要請と「あまり埃が多くては生活どころではない」という現実との間で改築中は色々と決めなくてはならないわけだけれど、もしも、今、2週間前に戻れるんだったら、さっさかB&Qにでも車を走らせて大幅なビニールロールとテープを買っていただろう。
朝、起きて、朝食を食べて着替えて、ベッドやソファ全てにビニールを掛けて内装工事に備え、職人さんが帰ってからさっさか掃除機をかけて埃をある程度除去してから必要な部分のみビニールを外す。
そのくらいの覚悟をしておかなくてはいけなかったなあ、と今は本気で後悔している、のである。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?