昔のその場所:左曽川に架かる屋形橋
はじめに
この記事は奈良県吉野郡吉野町左曽・橋屋にある左曽川に架かっていた屋形橋の話です。
ふるさと吉野懐古写真集にある一枚のこの写真。キャプションには左曽川にかかっていた屋形橋とあるが現在は存在しない。以前から、この場所がどこに位置するのか気になっていたので調べてみたので記録として残しておく。(2023/1/8)
屋形橋のあった場所
左曽川は吉野郡吉野町にある吉野山に通ずる峰の西側の谷を流れる川で、名称も地区名である左曽からとられている。その左曽川の吉野川に合流する手前に奈良県道39号線(五條吉野線)の船山橋があり、さらに左曽地区を経て吉野山へと入っていく奈良県道15号線(桜井明日香吉野線)がある。
写真では蔵が写っており、この蔵は2023年1月時点で現存しているので場所は簡単に特定できた。現在の写真の位置が古写真と違うのは、古写真は左岸側から撮ったからだと思う。現在は蔵以外の古写真に見える建物は無くなっており、石積みも若干変化しているが、橋の架かっていたあたりの石積みからみて間違いないと思う。
明治30年頃に作成された最初の吉野鉄道に関する文書の中に佐名伝飯貝間平面図というものがあり計画線沿いの詳細な地図が描かれているのだが、該当する場所を見ると、この時に左曽川にかかる建物があったようだ。写真のキャプションでは屋形橋とあるけども、公共の橋というよりも個人所有の建物だったようでもある。(了)
2023.1.15 公開
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