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岡田マサルと言う人

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初めに

タイトルに岡田マサルと言う人って書いたけど、岡田マサルさんの話になるまで、前置きが長くなる可能性があります。
興味のある人だけ読んでください。

月の庭と言う場所

三重県、亀山市に月の庭と言う素敵な場所があります。
名前だけでも素敵でしょ?
僕の人生の中で出会った場所の中でとても重要な場所。
月の庭に出会えて良かった。
マサルさんと出会えて良かった。

今日は岡田マサル還暦祭ってのがあるんだけど東京は緊急事態宣言中だしね。
僕が三重まで行って、もしもコロナの感染者が出たら後悔しちゃうと思うので東京からマサルさんの事を思う事にしよう。

ちょっと長くなるかも知れない。
もし良かったら読んでください。

吉野もぐら

僕は色々あって令和元年から吉野もぐらとしての活動を始めた。だからまだまだ新人。吉野もぐらを知らない人の方が多いね。
だけど僕という人間は平成も昭和も生きていた。
そんな昔のお話です。

ヒッチハイクの旅

21歳の頃、僕はヒッチハイクで旅に出た。
でも、すぐに行き詰まった。

海がある。どうしよう。北海道からどうやって出たらいいんだろう?
よし!ヒッチハイクの旅って言ってるけど海を渡る時はフェリーに乗っていいことにしよう。
僕はフェリーに乗って新潟へ向かった。

新潟

やってきたぜ!新潟!
前都道県の路上で歌おうって思っていたけど、とりあえず東京に行ってみたかった。
道行く人に「すみません、東京ってどっちですか?」とか聞いたりした。

「えっ?行ったことないからわからない」とか言われてね。
そりゃそうだよな。

若干寒かったから「それなら、東京じゃなくていいけど、日本海側じゃない反対側に行きたいんだけど、どっちですか?」って聞いたら福島の方向に行く道を教えてもらえた。

僕はヒッチハイクした。

福島

郡山って駅に着いた。
僕は弾き語りをした。
警察に「乞食みたいなことすんな」とか言われた。
それを聞いていた年配の夫婦が「にいちゃん、こんなお巡りの言う事なんて無視していいよ。おじさんの所に来い」って。

僕は牧場にたどり着いて、そこでアルバイトをした。

最後の日のご飯は世話してた牛の肉。

「食べれないよ」って言ったら「バカやろう!お前が美味しい牛肉を食べれるのは牛が痛い思いしてくれたからなんだ!感謝して食べろ!」って言われてね。

命を頂く。そうなんだよ。僕たちは命をいただいて生きてるんだよ。

埼玉

埼玉に着いた。埼玉には友達がいる。
友達の家で過ごして11月9日にまた旅に出た。

だって僕の誕生日は11月11日だからね。
誕生日は何処で過ごすのだろう?

それが楽しみでもあった。

諏訪インター

長野県の諏訪インターについた。
11月10日。
明日、22歳の誕生日だ。

目立たない場所で野宿。

そして誕生日の朝、ヒッチハイクを始めた。

梅干し食べてすっぱまん

ヒッチハイクしてたら、突然見知らぬ女の子が近づいてきて、僕の口に梅干しを突っ込んできた。

えっ?なに?すっぱ!なに?

「元気出るから!頑張ってね」って!

もう1度会いたい

その後、ヒッチハイクをして何台も車が停まった。
別に急ぎの旅でもないし、行き先なんて何処でもいい。

だから停まってくれた車に乗ればいいのになんとなく違う気がして「すみません、停まってくれたのに」って断っていた。

それは何故か?

そう、朝出会った梅干しの女の子のことが気になっていたからなのだ。

それは恋ではないよ。

好きとか可愛いとか、その子とどうにかなりたい!とかそんなんじゃなくて、自分の人生の嗅覚が「あの子を仲良くなれ!」って!

勇気100倍

だから昼過ぎにヒッチハイクを辞めて、朝、出会った女の子を探すことにした。
探すってどこを探す?
見つかるわけなくね?

って思ってたらすぐに見つかった。

パーキングの中のソフトクリーム屋でバイトしてた!

彼女は「あれ?ヒッチハイク捕まらなかったの?」って

僕は「いや、何台も停まってくれたけど、なんとなく、まだその時じゃないって思って」って。

そしたらその子は「私、ゆうき、あなたは?」

僕は「もぐら(当時は本名で名乗ってたのですが、ここでは、もぐら)」

「何歳なの?」

「今日、22歳になった!」

「えっ!本当に?じゃあ今日はうちにおいでよ。お祝いしてあげる」って!

骨折した男

ゆうきちゃんは彼に電話して「今日、旅人をうちに泊めるから迎えにきて」って。
彼も「なに?旅人?誰?」って感じでしょ?

でも車で迎えにきてくれた。

骨折してて片手で運転。

そして家に着いた。

サプライズ

なんと家にはご馳走とケーキが用意されていた。
ゆうきちゃんも帰ってきて僕の誕生日パーティーが始まった。

僕の「無題」って歌の歌詞の「あの日のローソクの日はまだ燃えてる」って歌詞はこの日のこと。

↓吉野もぐら「無題〜君へ」

https://u8kv3.app.goo.gl/sQD1N

マサルに会いに月の庭へ行け

宴も終わり誕生日翌日

ゆうきちゃんと彼氏は「私たち、ここに来る前に月の庭って場所にいたの。あなたは月の庭に行くべき人だ、行きなさい。マサルさんって人がいるから、絶対に会って欲しいの」って。

漠然とした旅だったけど一つの目標ができた。

よし
月の庭のマサルさんに会いに行こう。

名古屋へそして亀山へ

朝、ゆうきちゃんはまた仕事へ行った。
骨折してる彼が諏訪からドライブがてら送るよって

名古屋あたりまで送ってくれた。
結構遠くない?

そして名古屋からヒッチハイクして「亀山って所まで行きたい」って言ったら丁度通り道だって車の人と出会って亀山駅へ。

あれ?忘れちゃった

亀山駅に着いた!
でも僕は月の庭って名前を忘れてしまっていた。

ゆうきちゃんは「亀山でマサルって言えば誰でも知ってる」って。

だから道行く人に「マサルさんって知ってますか?」って聞いたけど

「どこのマサルさん?知らんわ。」って言われた。

何人もに聞いたけど同じ反応。

なんだよ。亀山でマサルって言えば知らない人はいないんじゃなかったの?

困ったな。詰んだな。

足掻いてみた

とりあえず公衆電話から諏訪インターに電話して苗字も知らないけど「ソフトクリーム売ってる店で働いてる苗字は知らないんだけど、ゆうきちゃんって人と連絡取りたいんですけど」って電話してみた。

「名前だけじゃ分からない」って言われた。そして怪しい人だって思われたかも?

さらに足掻く

もう一度電話して「怪しいものではありません。ソフトクリーム売ってる店のゆうきちゃんと連絡取りたいんです」

「ストーカーかよ!いるんだよ。インターの売店で働いてる女の子に勘違いして恋しちゃう人が。」って言われて電話切られた!

もう一度足掻く

「僕の番号を教えるので、僕に連絡先教えなくていいので、ゆうきちゃんに僕の連絡先を伝えてくれませんか?」

電話くる

その後、すぐに電話が来た
「マサルさんに伝えてあるから、もう亀山着いたの?今から月の庭に行きなよ。月の庭の電話番号教えるね」

えっ?僕は月の庭ってなんなのか、わかってなかったし、電話番号があるなんて思ってなくてびっくりした。

そして亀山をブラブラして本屋の前から電話した。

かおりさん

電話には女性が出た。「北海道から旅してる、吉野もぐらと申します」的な話をしたら「ゆうきちゃんから聞いてます。迎え行きます」って。

本屋の前で待ってたら女性が現れた。

僕はマサルさんって女性だったの?ん?
って思って「マサルさんですか?」って聞いたら

「妻のかおりです」って。
そりゃそうだよな。マサルってどう考えても男性の名前だもんな。

そして月の庭へ。

民家の立ち並ぶ中、月の庭へたどり着いた。
なんとお店だった。
オーガニックレストラン?

初めて出会ったマサルさんは「腹減ってるだろ?」ってご飯を出してくれた。
それが本当に美味しくて美味しくて。

その後「飯食ったなら、歌聞かせて」って。

なんの曲を歌ったか覚えてないけど(1曲だけ覚えてるけど)何曲か歌った。

スタッフのまゆさんが「君、何歳?」って聞いてきたから「昨日、誕生日で22になりました」って言ったら誕生日プレゼントってハーモニカをくれた。

夜も老けてきたから、おいとましようと思ったら「布団用意してあるから、眠くなったら勝手に寝て、明日は好きな時間に起きたらいい」って。

泊めてもらえると思ってなかったからビックリしたけど、僕の嗅覚が「この場所にとどまれ」って。

月の庭って場所。
岡田マサルって人。
そしてかおりさん。

僕は旅をするよりこの場所を選んだ。

マサルさんとの思い出

月の庭だけじゃなく岡田屋って店もやっててね。
僕は配達の手伝いもしてた。
ラブホテルにお酒を配達したりもするんだよね
「なんか男二人でラブホテル入るの嫌だ」って言われた。

マサルさんとの思い出2

月の庭はオーガニックレストラン
ある日「ちょっとコンビニ付き合って」って言われて夜中に一緒にコンビニ行った。
マサルさんはカツ丼弁当を二つ買って来て「一緒に食べよう。たまにこういうの食べたくなる」って。

翌朝「ダメだ。まだ消化できてない。食べなきゃよかった!」って苦しんでいた。

マサルさんとの思い出3

四日市のクラブ(踊るクラブ)に連れてってもらった。マサルさんは踊り狂っていた。
「おい。お前も踊れ」って言われたけどマサルさんの踊りを見た後に踊る気になれなかった。踊りの事は詳しくないけど、本当にすごい踊りだった。
命がほとばしっていた。

マサルさんとの思い出4

僕は激太りした事があるんだけど、吉祥寺でマサルさんと会ったときに「お前はロックスターなんだろ?お腹!お腹!だめ!そのお腹だめ!」って怒られた。
ちゃんとハッキリ言ってもらえて嬉しかった。

マサルさんとの思い出5

突然電話がかかってきて「今、下北沢にいるんだけど会える?」って。
僕は下北沢から自転車で10分のところに住んでいたから、すぐに会いに行った。
マサルさんの思い出の店に連れてってもらった。
マサルさんはソフトドリンクしか飲んでなかった。
帰り道でマサルさんは闘病中だって事を話してくれた。

マサルさんとの思い出6

中村サトコさんと誰だったかな?
忘れたけど下北沢でライブがあるから一緒に観に行こうって突然連絡が来た。

駆けつけたらソウルフラワーユニオンの方々もいて緊張した。

マサルさんは終始ご機嫌で踊っていた。

ライブが終わり少し飲んでマサルさんは吉祥寺に行くと言うので下北沢の駅まで一緒に行った。

僕は下北沢から2つ隣の東松原ってところに住んでたから歩いて帰れるけど、一緒に電車に乗ろうって思った。

そしたら、ライブ中とかみんなの前では元気いっぱいだったマサルさんが下北沢の駅についた瞬間、しゃがみ混んで「もう動けん。しんどい。」って。

みんなの前では元気いっぱいでも僕と二人の時に、本音を見せてくれて嬉しかった。

でも、心配にもなった。

かおりさんとの思い出

マサルさんの奥様のかおりさん。
僕が旅で出会った人に一筆書いてもらっていたノートに「私はキッチンから世界を平和にする」みたいなことを書いてくれた。

僕の「笑って」って歌は、かおりさんのその言葉から生まれた歌。

マサルさんとの思い出7

何か忘れたけどマサルさんが、旅?どこかへ行ってた期間があった。
亀山に帰ってくる日は知らされていた。
僕は亀山の駅前の路上で弾き語りをしていた。

そしたら電車から降りてきたマサルさんは僕がいるって知ってたかのようにビデオカメラを片手に撮影しながら「今、亀山に帰りました。駅前ではストリートミュージシャンが歌ってます」とか言いながら撮影してきた。

サプライズでビックリさせようって思ってたけど、何もかも知ってたみたい。
この人は本当にすごい!

マサルさんとの思い出は、ありすぎる

思い出せばキリがないほど、僕にはマサルさんとの思い出がある。
仲が良かったのか悪かったのか分からない。
僕はマサルさんに対して裏切っちゃったような事もある。

月の庭のスタッフの子と恋をして、その子が月の庭を退職してしまった事があった。

マサルさんには「ひょっこり現れた旅人にうちのスタッフが取られた」っていわれた。

結婚でもすれば、まだ筋を通せたかもだけど、売れないバンドマンの僕だったし、若いから?なんかいろんな事でぶつかりあったもして、そして相手の親と会って、すごいプレッシャーとかもあって、別れちゃってね。

「別れるなら、うちのスタッフ取るなや」って感じだよね。

月の庭が世界の真ん中だった

月の庭を拠点に関西とか名古屋とか、いろんな所へ歌い行ったりしてたけど、それは僕が月の庭に依存してただけじゃなくてマサルさんが「お前に会わせたい人がいるから、その人がくるまで、月の庭を拠点にどっか行ってもいいけど、ここにいろ」って。

そして友部正人さんとかナナオサカキさんとか、いろんな人に会わせてもらった。

それでも、12月には旅立ったんだよ。
四国まで行ってクリスマスに名古屋でライブが決まって、名古屋まで戻って、また月の庭に行ったんだよね。

そして年越しの時に、かおりさん(マサルさんの奥様)と高知に行った。
「免許持ってる?運転手が欲しくて」って言われたけど、ほとんど運転してもらえて僕は車に乗ってるだけで連れてってもらえた。

土佐清水の廃校になった学校に住んでる素敵な家族達と出会えた。

のりちゃん?だったかな?
のりちゃんは妊娠してて犬のチャイも妊娠してて同じ日に出産したんだよね。

いろんな経験させてもらった。

ミッキー

マサルさんの息子、ミッキー。
当時は小さかった。
何歳だったのかな?
小学校前だよね。

僕は月の庭のお店の手伝いとかさせてもらっていた。
でも自由に休んで路上に歌いに行ったりもさせてもらえていた。

毎日ご飯を食べさせてもらっていたし泊めてもらっていたし。
本当に感謝です。

ミッキーともたくさん遊んでいた。

僕のギターの音を聞いて小さいミッキーは「キレイな音だね」って言ってくれたことを今でも覚えている。

何に書いたか忘れたけど「ミッキーは忘れちゃうかもだけど、ミッキーは僕の大切な親友」って書いた事を覚えている。

ミッキー2

月日は流れてミッキーが中学生の頃、僕は月の庭へ行った。
えっ?あの小さかったミッキーが中学生なの?

部活だったか何かを見に行った。

マサルさんが「覚えてる?小さい頃、うちに居候してたお兄ちゃん」って。

ミッキーは「覚えてない」って。

そうだよな。ちょっと悲しかったけど仕方ない。
僕の中ではずっと覚えてる人だけど、ミッキーにとってはたくさん旅人が訪れる場所に住んでたわけだからね。

その中の一人だもんな。

ミッキー3

ミッキーが高校生の頃、また再開。

僕の中ではミッキーは僕の事を覚えてないって思ってたんだけど明らかに覚えてる感じで「元気?新しい歌、できた?」って聞いてきた。

ん?僕のこと、忘れてたんじゃないの?

中学の頃、そっか、その年代の頃は、覚えてても「知らない」とか言っちゃったりするよね。

真相はわからないけど、ミッキーは僕を覚えているってことにした瞬間だった。

また会いたいな。

大人になったミッキー。

旅人の歌

長々と書いてしまったけど、これが最後の章です。

僕が22歳の頃、月の庭を後にして沖縄までヒッチハイクして帰りにまた月の庭に寄り、旅の最後に書いた歌をマサルさんに聞いてもらった。

「今まで聞いたお前の歌の中で一番好き」って言ってもらえた。

それから何年もすぎ、マサルさんが踊る人になった時に

「お前のあの旅の歌、あの歌で踊りたい」って言ってくれた事があった。

僕はこの歌を歌う時、いつもマサルさんを感じている。

いつまでもずっと。

歌い続けるだろう。

マサルさんを想いながら。

ありがとう。

出会いと別れの男唄

マサルさん還暦か。
まだまだ若い!

これからもよろしく。

人生で一番影響を受けた人。
命や魂を感じた人。

最高にして最強の人。

マサル大王。

ありがとう。



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