見出し画像

メンバーのアウトプットがいまいちと感じる時 ~目的と戦略の重要性を理解してもらうために~

今回はマネジメントのお話です。

以前、自チームのメンバーにとある業務のアウトソース先を選定するために、比較表を作成してもらいました。
内容について詳しくはお伝えできませんが、初めに比較表作成の基礎となるフレームワーク的なことを教え、自身が各企業と商談して得た情報をもとに比較、どこにアウトソースするのが良いか説明してもらう場を設けました。
説明の場で私が感じたことは以下でした。

  1. 比較軸が最善のパートナーを探すために必要な内容になっていない。

  2. 比較軸に対して自身が考えた内容が全て抽象的で比較できるものではなかった。

  3. 比較軸をもとに各社比較したものではあるが、選定理由が決定に値するものにはなっていなかった。

説明を受けた後、私がこの取り組みの目的を確認したところ、メンバーはすぐに回答することができませんでした。
本人はこの取り組みをするのに苦労していたようで、その理由がなんとなくわかりました。恐らく、目的を理解して何が重要かを考えるステップが抜けているのかなと。


目的がずれるとあとがずれる

今回の出来事は、目的を理解する意識が抜けている点が重要だと感じました。
目的を考え、理解するところから始めることを覚えないと、恐らくどんな業務をお願いしても、どんなに方法論をレクチャー、指摘したとしても改善はされず、毎回同じことを繰り返し、本人のスキル向上、ひいてはチーム力の向上にはつながらないと思います。

また、目的の理解にズレがあると、無駄に業務をさせてしまうことにもなりかねません。

例えば目的が、「自社の人的リソース不足を解消する」と「自社のノウハウ不足を解消する」とでは比較軸が変わってきますし、選定においてMustとなる軸も異なってくると思います。
「自社の人的リソース不足を解消する」は業務稼働量(人数)が重要な軸になりますし、「自社のノウハウ不足を解消する」は類似案件での実績数・独自メソッドのありなしになると思います。

このように目的にズレがあると、後工程のアウトプットが異なってしまいます。

意識をむけさせるために繰り返す

目的を考え、理解するところから始めることを覚えてもらうにはどうしたらよいのでしょうか。
大先輩であり、私の昔の上司は、「意識するまで繰り返して問う」とよく言っていました。
閃きが起こるメカニズムは、自身が興味を持ち始めると、視野に入るものの中から意識的に関連する情報を拾い始めるというのを聞いたことがありますが、これと全く同じ仕組みだと思います。
今回例にあげたメンバーは、重要性を知らず意識をしていないので、恐らく一度言ったくらいでは覚えてくれないと思います。
ですが、「この取り組みの目的って何だっけ」「その目的からいくとどのポイントが重要になってくるんだっけ」と繰り返し毎回聞くことで、「あぁ、これやらないといけないんだった」「あぁ、これやらないと聞かれるな」「あぁ、聞かれるから考えておかないと」という思考になり意識し始めます。

適宜コミュニケーションをとりながらズレがないか確認する

次に目的のズレはどうしたら抑えられるでしょうか。
これも別の上司に教えてもらったことがありますが、適宜コミュニケーションをとりながら確認するということでした。
最初だけではなく、業務の過程で会話をしながらズレがないか質問をします。それに対する回答からズレがないか確認します。
もしズレているのであればその時点で修正することができ、業務が終わった後に全て修正するといったもったいないことが避けられます。

戦略も同じ

この「目的のズレ」ですが、戦略にも全く同じことが言えると思います。
戦略を設定することをしなかったり、戦略の理解にズレがあると、戦術に大きなズレが生じ、成果に大きな影響を与えます。結果、リソースを無駄にしてしまうことにもなりかねません。

戦略の設定がない(もしくは曖昧、説明の場がない)ことから、個々人が自分なりの理解で戦術を考え実行してしまうのを見かけることがあります。

いろんな背景があると思いますが、上記のような状況になっている組織のメンバーに聞いてみると、「そもそも誰も考えないのでやるしかない」、「上司に聞きにくい(逆に問われる)」、「理解できない」など上司とのコミュニケーションによるものが多いように感じます。

自身にも心当たりがありますが、上司にも部下にも連携部署にもこういったことがないように心がけたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?