サーカスの夜


A:ナレーション、ピエロ
B:マリー
C:アンディ

<○:編集点、1秒間以上間を空ける>

A サーカスの夜
空には星空のカーテンがかかり、
街では色とりどりの街頭が踊る
子供たちはベッドから抜け出し、
親には内緒でサーカスへ向かう。

B 「アンディ、早くして! サーカスが始まっちゃう!」

C 「待ってよ! マリー! 、、、あっ!」

B 「アンディったら、、、また転んじゃって、、、大丈夫?」

C 「それより! みてよ! あそこにピエロがいる!」

B 「こんなところにピエロがいるわけないでしょ。今ごろピエロは
ステージの上よ」

C 「ほら! あそこだよ!」

B 「んーーー? あら、ほんとね。どうしたのかな?」

A 「ない、ない、どこにもない」

B 「ピエロさん、こんなところで何してるの?」

A 「なくした。なくした。大事なものをなくした」

B 「あら、それは大変!一緒に探してあげるわ。ほら、アンディも」

C 「マリー、このピエロなんだかおかしいよ。サーカステントの外
なのに、ピエロのメイクをしているなんて」

B 「きっとメイクをしてから探しものに気づいたのよ。おかしい
ことなんてないわ」

A 「こまった。こまった。とてもこまった」

B 「ほら、ピエロさん、探しものはなあに?」

A 「、、、探しものだ、探しもの」

B 「ん? その探しものって、なあに?」

A 「探しものは、探しもの!」

C 「見て! あそこで何か光ったよ!」

B 「本当? ピエロさんの探しものかな?」

A 「ああ! 、、、探しもの、あった!」

B 「よかったね! ピエロさん、でも、それって、、、」

C 「やばいよ! マリー! 血がついたナイフだ!」

B 「大丈夫よ、アンディ。あれは血糊と言って、ニセモノの血
なんだから」

A 「探しものあった。君たちのおかげ。、、、だから、見逃す」

B 「どうしたの? ピエロさん」

C 「いいからいこうよ! マリー! サーカスが終わっちゃうよ!」

B 「あ! 待ってよ、アンディ!」

A サーカスの夜
子供がたくさん、闇の中
隣の席のあの子が消えても
誰も彼もが気づきやしない
夜が明けてもベッドは空っぽ

最後まで読んでくれてありがとー