0から1にするしんどさ

挑戦する前のハードルは大きい。
それを乗り越えたとしても、初めの一歩を踏み出す準備がしんどかったりする。
たとえば、一つのテーマについて書こうと思っても、話題の順番を設計する必要があるだろう。
いきなり、書き出したとしても筆の進捗は遅い。
書きながら、次に何を書こうかと考えるのは物凄く疲れる。
当然ながら、ただ書くだけではダメで、読んでもらう相手をイメージして、説得力と面白さに配慮した文章を書かなければならない。
文章全体として読みやすさや分かり易さを感じられる文章である必要がある。
それには、文章全体の設計をあらかじめ構想する必要がある。
だから、まず自分が何を考えているのかを洗いざらい、一切合切、全部紙に書く。
パソコンに打ち出す。
そしたら、それだけで一つの作品に匹敵するくらいに膨大な量になったりする。
そして、それを読み直し、順番付けをして整理していく。
そういう作業をしながら、自分が言いたいことを本当はよく分かっていなかったことに気づいたりする。

この作業をしながら、いろんな矛盾点や付け足しが起こってくる。
当初想定していなかった展開も含まれていくことになる。
コツは、自分にとって痛い所を突っ込んでくる人の質問文を想定し、書き連ねていくことだ。
そうすれば、自分も論破しようとあれこれ考え、文章に守備範囲の広さと説得力を持たせることにつながる。
世の中には多様な人がいる。
全員に納得や了解を得ることは困難であるにしろ、できるだけ多くの人の心を動かす文章を書きたい。
穴の少ない文章を書くためにも、この過程は効果が大きい。

もちろん、ここで完璧を求めることはできないにしろ、これでようやく下準備が完了する。
そして、書き始めることができる。
何て長い準備体操。
しかし、これがあってこそ迷わず、書いていくことができるのだ。

まずは一通り、思いの丈を吐き出してみる。
そうすれば、自信と不安の調整がいい塩梅になってくる。
そのせめぎ合いの緊張感が文章に張りをもたせる。
もちろん、書くことを常として慣れていくことが重要なのは言うまでもない。
習うより慣れろ、である。


それでも、ゼロからイチを生み出すのが最も骨が折れる作業ではないだろうか。

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