勉強を楽しくする方法69〜理想と現実〜

ドン・キホーテは猪突猛進に理想へと突き進む。
周囲から見ると、滑稽に思えるような存在だ。

しかし、本人は至って大真面目である。
自分の理想が正しいと信じて突き進む。
そんな人は現代でもいる。

ただし、その人は理想に至るプロセスの説明を求められたとき、周囲を納得させる説明はできないかもしれない。

本人が主張する要素は何一つ根拠が感じられない、と周囲は思うかも知れない。
そして、本人の強い思い込みということで片付けられてしまう。
たとえ、行動力があっても、空回りしていく。

では、ドン・キホーテの行動に価値はないのだろうか。

思い込みの激しい人は、裏返すと凄まじい情熱を持っている。
そして、一貫して行動できる強みがある。

ただし、自分が理想を目指している限りは周囲も理解してくれるはずだと勝手に考えている。
あるいは、理解が得られなくても突き進むという強引さも持っているかも知れない。

現実はどうかというと、自分の理想を目指すプロセスには必ず誰かの助けがいる。
人間どうしで構成される社会の中で活躍していくには、必ず人の手を借りる必要がある。

人間一人の力ではどうにもならない。

本人が正しいことをしているとしても、それを周囲が理解しているとは限らない。
大抵、一人の人間が常識だと思っていることは、それと同じ程度に非常識と思っている人間もいる。

大して説明がなければ、意見はすれ違ったままだ。

つまり、ドン・キホーテがやるべきことは、違う人の立場に立って「説明」をすることだ。

もちろん、説明しても共感が得られない場合はある。
しかし、思い込みが強いとそもそも説明自体がない場合が多いのだ。
そうなると、応援してくれる人はなかなか出てこない。

自分が誰に対しても説明ができない状態であるならば、それはドン・キホーテ状態なのかも知れない。

自分のやっていることを客観視して、人からの借り物の知識だけで行動していないということを伝えること。

あるいは、自分の思いを自分の頭で様々な角度から検討することによって、思い込みではなく、正しさを確信して行動しているということ。

検証を重ねて生まれる説明には、人々は胸を打つ。

ドン・キホーテが自分の頭で考えて、分析することで自分の答えに自信を持てるだろう。

そして、人の多く集まるこの社会で、いろんな人の力を借りて成功していくことができる。

絵空事は大切だ。
同時に設計図も大切だ。
両者の間にある差を、自分の頭脳で埋める作業をせよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?