見出し画像

猫のトレーニング

Karen Pryor Academy ライブエピソード#24では、猫のトレーニングを始めること、トレーニングを楽しく続けること、エラーレス学習環境を整えること、映画やCMの撮影現場での丹念な準備の大切さについて語られました。

画像1

キャットトレーナー メリッサ・ミレット

In Dogs We TrustThe Ultimuttsの創設者兼主任トレーナーであるメリッサ・ミレットは、何千ものペットを指導してきました。動物の専門家として、Breakfast Television(トロント、バンクーバー、カルガリー)、CP24Global NewsCTV(トロント、バンクーバー)、Animal PlanetThe Pet Networkなど、カナダの主要テレビネットワークだけでなく、世界各国で紹介されています。メリッサは、カナダ全土の都市で人気のテレビ番組「Doggy House Calls」とスピンオフシリーズの「Doggy Diaries」の司会を務めています。

メリッサは、高レベルなトリックトレーナーとして、またアルティマッツのパフォーマーとして国際的知名度を持っています。アルティマットの一部は、世界中の番組で紹介されています。グッドモーニングアメリカ、リックマーサーレポート、ファミリーチャンネル、CBC、シネプレックスシアターなどで紹介されています。ボストンテリアのベラは、全米を旅して2016年に始まったRipley's Believe it or Not!のPR活動をしています。耳の聞こえないオーストラリアンキャトルドッグのジェリービーンは、Facebook Watchの番組「World's Most Amazing Dog」の準決勝に進出し、3600万ビューを獲得、10万米ドルの獲得まであと一歩のところまで迫りました

メリッサは、アニマルコーディネーターのカーク・ジャレットと共に仕事をし、映画やテレビに登場する動物のためのエリートサービスを提供しています。最も顕著なのは、スティーブン・キングの2019年版『ペット・セマタリー』に出演した猫を共同でトレーニングし、2019年版スーパーボウルのCMのほか、Duracell、Yoplait、GundのCMを担当しました。他にParamount, Netflix, Warner Brothers も彼女のクライアントです。

犬のトレーニングとの違い

猫をトレーニングすることは不可能であるとか、猫にはトレーニングが必要ないなど一般的に言われていますが、その真意はどうなのでしょうか。メリッサは、猫は犬と同等にトレーニングが可能であり、その必要性を述べています。

では猫のトレーニングは、犬のトレーニングとどのように違うのでしょうか。正の強化トレーニングにおいていつも語られているように、たとえ種が変わろうと、動物の学習のシステムは同じであり、そのトレーニングの基本は全く変わることはありません。ただ種によって微妙な差はあり、猫に関して言えば、犬に比べると行動速度はゆっくりで、集中できる時間は短いようです。猫特有の行動パターンを理解して取り組めば、そのトレーニングは犬のトレーニングとほぼ同じと見ていいでしょう。

エラーレストレーニング

注意しなければならないのは、猫のトレーニングにおいてエラーレスである事が重要な鍵となることです。もちろん、エラーレスであることはどんな種のトレーニングでも心がけられなければならない事ですが、こと猫に関しては、些細なエラーが致命傷になってトレーニングが続行できない事が起こり得るのです。

猫のトレーニングを始めるには

まず猫が楽しめるようにする事です。食べ物を食べてもらうことが重要な最初の一歩となります。猫によってはたべたがらなかったり、人の手からぜったい食べ物を受け取らない猫もいます。トリーツを工夫したり、与え方を変えてみたり、猫が喜んでたべてくれるようにします。つい忘れがちなのが、この「食べる」ことも行動であり、教えていくことが時には必要になるのです。

食べることができるようになったら、ターゲット、ステーションを教えていきます。ここからは犬のトレーニングとほぼ同じと考えて良いでしょう。

CM出演の練習

メリッサはテレビCMに出演する猫のトレーニングについて、デモも交えて説明しています。このCMでリクエストされた猫の行動は、椅子に座っている俳優の足元に来てそこから膝に飛び乗ると言うもの。

1.  二つの異なるマーク(プラットフォームとなるもの)を用意しする。猫座れるくらいの小さな円形のもの。一枚は柔らかい素材でもう一枚は硬い素財
3. 地面に置かれた柔らかいマークの上に止まることを教えます。
4. マークを柔らかいものから硬いものに替え、座っている人の足元に置き、マークに乗ってもらいます。
5. ソフトマークは膝の上に起きます。
6. 猫はソフトマークに移動することで、膝の上に乗ることになります。
7. 本番では、マークを置かずに足元から膝に移動してもらいます。

撮影は行動を練習していればできるものではありません。撮影現場で猫が驚いて逃げてしまわないように、撮影のまえに時間をかけて環境に慣れてもらいます。それは丸一日またはそれ以上の時間のかかる作業であり、本番の撮影との違いはカメラとスタッフがいるかいないかだけです。本番はカメラが設置され人がはいるのですが、そのときできるだけ音は立てないように、そして必要以上の会話も禁断です。猫に刺激を与えないように細心の注意を払いながら撮影は行われます。

明確なトレーニング設定

もう一つ猫のトレーニングで注意を払わなければならないのは、全てが非常に明確であることです。

メリッサはどのようにその明確さを設定するか、猫にスケートボードに乗ることを教える手順の中で見せています。

スケートボートに乗る手順を3パートに分け、それぞれに異なったスケートボード、異なった場所を使うことで、異なった行動を明確に猫が理解できるように設定しています。

パート1. 前足をスケボーに乗せて後ろ足で押す。
パート2. スロープを使って4本足全部を乗せて乗る。
パート3. 場所を変えて、3本足をスケボーに乗せ後ろ足一本で地面を蹴る。

それぞれのパーツを個別に練習してつなげる。

Pet Semataryの撮影

映画ペットセメタリーの撮影においてされたトレーニングは、シャンプーになれる事です。ゾンビ化した猫の役をしたメリッサの猫トニックは、シェルターがら引き取った猫です。すぐにその俳優としての才覚を表したのですが、ゾンビ化した外見恐ろしい猫を演じる為に全身にメーキャップを施すため(ぬるぬるした液体を塗り付ける)毎日シャンプーが必要となりました。そのシャンプーを負担なく受けれるように、メリッサと彼女のスタッフはトニックをトレーニングしています。

参考

猫のトレーニングをお考えの方におすすめのインストラクターです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?