って、なんでアフィリエイト・デーモンくんが?!

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これは最近わたしのお気に入りの文章です。意味はまったくわからん。数年前、仕事終わりに大正駅前の立ち飲み屋だか餃子屋だか正確な場所は覚えてないが、とにかくひとりでハイボールを舐めながら、手慰みに「マジのクソスマホ」こと当時のおれの愛機「XPERIA Z3」をつついていたらいつの間にか出来上がっていた。たぶんそうだったはず。
しかしながらこの短文もかなりの期間、日の目を見ることなく眠っていた。使い所がなくて。それがようやく、といっても三ヶ月前ぐらいだが、一本小説を仕上げた折、序文としての辞令を賜ったわけである。もともと気に入ってたので、こうして重役のポストを任せることができてよかった。

というわけで、今回は小説というやつについての気取った話をしようかと思う。たまにはアホにもこういう話をさせてください。ちなみに文法がどうとか修辞技法がどうこうみたいな頭のいい話はできません。アホなので。よろしくお願いします。

小説とは、己の腹の中に渦巻く鬱屈した衝動がなければ書けないものである。第一にまずストーリーが要る。こいつは本当に厄介だ。キショい話ではあるが、わたしは「誰にも理解されずとも、やるせがなくて泣いてしまいたくなるようなカタルシスを孕んだ物語」をつくりたいのである。直近の作品、といってもまあ2、3年経ってるのもあるがそれは置いておくとして、比較的新しい小説作品が「連続殺人犯による成り代わり恋愛譚」「未知の殺人電波により死にゆく少年の話」「電波塔を起動させるために津波を呼ぶ男の話」などである。いまこうして顧みれば一つ目は江戸川乱歩のパノラマ島奇譚すぎるし、二つ目は大槻ケンヂのステーシーズのオマージュ(これは意図してやったのでパロディかもしれん)だ。三つ目に至っては完全に意味がわからん。これを同人畑の二次創作でやっているのだから、マジでヲチスレでボコボコにされること必至である。やめろ、腹だけは殴るな!吐くぞ!二日酔いなんだから優しくしろ!
なんだっけ。そうあの、小説の小説たりえる第一条件、ストーリーがそもそも作れないっていう話なんですよ。なぜかって、アホだから。アホなのに、難解で共感性の全くないストーリーを組み立てたがる。知能指数と理想が反比例している。交わることのない美しい曲線のグラフを描いている。この前も夜空を見上げ、適当な星と星を線で繋いで「反比例座」をつくった。来年の6月には奄美大島あたりで息を呑むような「反比例座流星群」が観測されることだろう。
それでも、数年前は今よりマシなストーリーを考えられていた。「殺戮にいたる病」みたいな、人物にスポットをおいた叙述トリックをやろうとしていたりだとか…あれこれ伏線を張ってみたりだとか…当時はミステリ小説などほぼ読んでいなかったし、とくに技法の勉強をしたわけではないので、つまり「勘」だけでミステリを書いたことになるが。てか「勘で書かれたミステリ」てオモロ。マジで出版して全世界を恐怖と混乱の渦に飲み込もうかな。たぶん9割が混乱やな。あとの1割が落丁。
また話逸れたな、すみません。
昔は多少書きたいものが書けていた。わりあい小難しい話であっても。それがなんの因果か、いやまあおそらくは長期に亘る多量飲酒が原因だろうが、いまや完全にツルツルの球体と化した哀れな我が脳味噌くんには、荷が重いのだ。
ならばと思い、「なにかを作りたくても作れない葛藤を抱えるアル中のクリエイター」に主題を置いてみたりもした。自分の現状を作中人物に重ねれば、なにかを生み出せるかもしれないと考えたのである。その結果、上記の「電波塔起動のため津波を呼ぶ男」の話が出来上がった。つまり「電波塔起動のため津波を呼ぶ、なにかを作りたくても作れない葛藤を抱えるアル中のクリエイター」の話である。もうダメだ。てかそもそも人物設定が中島らもすぎる。なにをやってもパクりだ。殺してほしい。

↓こうなった

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そういや、たまに質問箱とかで「好きな(影響された)漫画、映画、小説を教えてください」といったようなpostをもらうのだが、この際なのでここに書いておきます。こと今回は「影響された」の方に重きを置いて書きます。
漫画については映画や小説に比べると強い関心があるわけではないのだが、おそらく篠原千絵や楳図かずお、御茶漬け海苔…あとはかつて刊行されていた「ホラーM」という雑誌で描いていた作家はだいたい好きだったような…ホラー、サスペンス、サイコ、グロ、電波、サブカルチャー云々…まあおおかたこの辺から学んだような気もする。
一方で映画だが、たしかに好きな作品や監督はあるものの、影響された!と言い切ってしまうのはなんか難しいな。言い方は悪いが、わたしは映画を娯楽として消費している節がある。純粋に楽しんじゃっている。だからまあそんな高尚なことは言えんが、「レ・ミゼラブル」やら「ショーシャンクの空に」などは当たり前に好きだ。サブカルオタク御用達のキューブリックも当然憎からず思っている。てか時計仕掛けのオレンジめっちゃ好きやわ。あと前に話題になった「IT〜それが見えたら終わり〜」という完全にカスのアホ映画、これ実は1990年とかそのぐらいに一回テレビ放送用に映画になっているのだが、この旧版がほんとうにいい。いや旧版もクソ映画っちゃクソ映画なんだけど、そこは原作がスティーヴンキングということでなんとか飲み込んでください。旧・ITは雰囲気がスタンド・バイ・ミーぽいというか、要素をホラー全振りしていないというか、ホラーとノスタルジーのバランスがうまいというか…とにかく大好きなわけである。このバランス感覚は自分がものを書くうえで大切にしたいと思っている部分なので、かなり影響されているとも言える。たぶん。知らん。あとはホラーならだいたいどんな映画も見ます。好きです。
次、小説ですね。これはもう、村上龍、大槻ケンヂ、中島らもじゃないかな。あとは「ひかりごけ」しか読んでないけど武田泰淳とか…トマス・ハリスとか乱歩とか夢野久作とかは好きだけど影響されてるかってなるとたぶん違う。てかハズいやん、夢野久作に影響受けてます!とか言っちゃうのは。そうなると上に挙げ連ねた他の作家はどうなんだ、とかなってくると思うけど、だとしても夢野だけは別格というかなんというか。こう、感覚でわかってください。ドグラ・マグラを読み始めたはいいものの、最初は情報の点と点がまったく繋がらず大混乱していたところに、ワケのわからんお囃子が延々と続いてクソクソ眠くなり、かと思いきやクライマックスでの怒涛の展開、目まぐるしく敵か味方か嘘か真かが入れ替わり…のあの感動を、「ふ〜ん、夢野に影響されてんだ(笑)ドグラ・マグラとか読んだの?」とか言われた日にはマジでぶっ殺しかねない。ので、夢野は普通に好きです、で留めておくのがちょうどいい。おれはそう思います。
そんで、影響された小説の話ですね、戻します。村上龍は月並みだが「限りなく透明に近いブルー」から入った気がする。文体が好きだったのと、前述もしたがエグみとノスタルジーみたいなもののバランスがちょうどよくてハマりこんだ。「ニューヨークシティーマラソン」と題された短編集が一番好きだ。たぶん村上龍の作品はほぼ全部読んだ気もする。わからん。最近はメディアでなにかしらを語る氏本人を見て「なんやねんこのオッサン」と思うなどしている。
大槻ケンヂを読み始めたきっかけはたぶん「ロコ!思うままに」という短編集だったと思う。てかそもそも筋肉少女帯が好きなので、なるべくしてなったというか、まあものの見事に一瞬で物書きとしての大槻ケンヂにハマりこみ、エッセイ・フィクション問わずかき集めた記憶がある。ジャンルもまちまちで、SFスレスレのとんでもない設定であったり、夢追い少年たちの青春譚であったりするのだが、どんな重たい展開であっても、オーケン特有の砕けた文体がマッチしてるのがすごいよなあと常々思う。口語がうまい。地の文ともセリフともつかんところで、とにかくグッとくるフレーズを書けるのだ。マジの才能人すぎる。ここもなんやかんや、めっちゃバランスだよなあ。わたしは「ステーシーズ 少女再殺部隊」という小説が好きです。
中島らもはたぶん「人体模型の夜」から。エッセイに関しては反面教師として読んでいる。めちゃくちゃ好きだし影響されてると思うが、あんまり理由はよくわかってない。これからも読み続けます。かしこ。

こうして振り返ってみると、どういう心理なのか「バランス」ていう部分にかなり執着しているな。具体的なイメージが掴めないため、これを自身の作品中で克服できるのかはわからんが、がんばります。どういう帰結?一から十までなんなんだこの日記。
でもまあ、表現の幅や技法に関しては、本を読めだのボキャブラリーの貧しさをどうにかしろとかで終わる話なので、こちらも「知るかバカめ!」といったような返す刀で一刀両断、悪即斬でいいのだが、それに比べるとなかなかどうしてストーリーをつくるというのは難しいですね。
そしてこんな散文的な自分語りも、日記という体裁を借りれば堂々と世に出せてしまうのだから不思議なもんだ。本当に書きたかったことの三割ぐらいしか書けてない気もするが、少々長くなりすぎたのでこのへんで。


ってこれ、アタシのことめちゃくちゃ好きな人以外ぜったい読まんやん!(照)

最後になりましたが、わたしのことが大好きな皆さまに、深酒中、翌朝の二日酔いを確信した時点で使える最強のライフハックをお伝えします。
化粧を落とさずに寝ることで、翌朝の準備が楽になり、遅刻を防げます。代償として、翌一週間ぐらいの肌のコンディションは終わるが…

アフィリエイト・デーモン「みなさんも、大きな代償と引き換えに、大切な何かを手に入れてみてはいかがでしょうか♪」


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