いいちこラバーズ

2022年を減酒の年にする。そう誓ってから一ヶ月が過ぎた。酔って正体をなくした回数はすでに2、3とか4、5とか、いや6……7ぐらいはいったかもしれん。知らん。まあ二桁目前あたりが妥当だ。じきに10は超すだろう。そうなってくるともういよいよ知ったこっちゃない。10も20も同じだ。この時期はよく日付を間違えて「2021」と書いてしまって、下一桁を無理矢理「2」に修正したりするだろ。あれとほぼ一緒。

2022年をあと10ヶ月残す現在、昨年までと同じ轍を順調に踏んでいっている気がしなくもないが、もうなんかぜ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んぶどうでもいいので早めにおれを《救済(すく)って》ください。お願いします。


というかここのところ、めっきり酒に弱くなっている自覚がある。

仕事を再開したために日頃の飲酒量が減ったからだとか、単純に加齢だとかいろいろ理由は考えられるが、自分でも驚くほど飲めなくなった。テキーラのショットをダブルで煽ると半分ぐらいで吐きそうになるし、コカレロボムも途中で本気のえずきに襲われる。焼酎でさえ0.5リットル飲むと完全にだめになる。

弱くなるということはつまり効率的に「ガチ酔い」に到達できるようになるわけだが、「ガチ酔い」とは常に「破滅」の二文字と隣接している外務省指定の危険地域に他ならない(外務省 海外安全ホームページ参照)。いますぐ退避させてくれ!こんなところもう嫌なんだ!二度と酒なんて飲まん。神に誓って。もうなんかイスラムの唯一神とかがたすけてくれんかな。危険地域どうし仲よくせん?二日酔いにはコーランが効果的です!だめか、殺されるか。ギリギリ。

もうなんの話だっけ。そもそも酒なんて宴会なり密会なり、シチュエーションを楽しむための小道具程度のものなのだから、9%だとか25%を水と氷で薄めたりだとかしたくらいで人間さまを酔わすなどとガチでわけのわからんことをしやがって、心底迷惑すぎる。過去にも言った気がするが、おれは焼酎のことを「まずい水」だと思っている。濃くてもまずい、薄くてもまずい、ならばちょうどいい濃さならうまいのかといえばそうでもない。ただちょうどいいまずさになるだけである。カスがよ。もうだめだ。助けてくれ。誰かおれから酒を取り上げろ。文句しか出てこないんならいっそのこと絶つべきだ。それは痛いほど理解している。ただまあ、今さらやめたところでこの悪癖のおかげで失ってきた人間関係や貴重品の数々がどうなるわけでもない。おれはエピソードトークで擦られ続けた己のダサい飲酒武勇伝を味がしなくなるまでペロペロ舐めながら、たまにおちょことかもペロペロ舐めながら生きてゆくしかない。

重要な仕事を翌日に控えたプレッシャーを緩和しようと深夜3時まで「宝焼酎 やわらか緑茶割り 488ml」を飲んでいたら、翌日鬼の二日酔いでペン持てんほど手が震えてたうえにめちゃくちゃ普通にプレッシャーに負けて契約もらえんかったりしたけど、もういいんだ。

ご飯連れていってくれた上司を酔ってビンタしたけど、もういいんだよ。てかそもそも上司にはビンタしていいと了承をもらったから全然問題ないだろ。甲は乙をビンタすること、これを認める。そういう契約をしたんだよおれたちは。

緑茶割りを一缶まるごと溢した床で気絶してた日もあったけど、雨すら降ってないのになぜかコートと靴を水浸しにして帰ってきた日もあったけど、もうなんかいいんだよ。それはそれでかけがえがないから。あとなんも覚えてないし。


てか最近ちょっと反省して芋焼酎をやめました。黒霧島と決別して、新たな道を見つけました。いやまあ、新たな道っていっても、付き合いはわりと長いんだけどね。それでもずっと黒霧島が好きだったから、なかなか決心がつかなかったっていうか。いまだにお店なんかではついくせで「芋水おかわりください」なんて言っちゃうこともあるんだけど。でも、もう芋はやめました。わたしは自分の選んだ道でちゃんと幸せになるよ。

あらためて、これからもよろしくね、下町のナポレオンっ!

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