おねがいマイメロディ

「12時に待ち合わせ」という約束を守れたことなんて、おれの人生において一度たりともない気がする。13時もたぶん無理だ。14時でギリギリ。どんなに楽しみな約束にも普通に遅刻する。遅刻の理由は大抵が「寝坊」か「二日酔いが酷すぎたため」である。12時と決めていても、余裕で一時間ぐらい遅刻して13時過ぎに到着するのが常だ。ほんとうにいつもすみません。
1/8(金)、山田さんとJR天満駅にて12時に集合の約束をしていた。当日、朝10時頃に目が覚めたので完全に勝ったと思った。余裕すぎる、絶対遅刻なんてせんやろ、とも。まあ結果から述べればこの日も普通に遅刻したのだが、それでは寒空の下半時間ほど待たされた山田さんが報われないというものなので、詳細を書いていきます。なので、これを読んだフォロワーはおれを叱ってください、山田さんのために。
起床早々、まだ時間はあるなと思ったおれは唐突に風呂の浴槽に湯を張って半身浴を始めた。いや、愚かすぎるやろ。もう殺してくれ。初手で詰むなよ。のんびり湯に浸かってたら11時になったので、慌てて風呂から上がり身支度を始めた。途中なぜか洗濯したくなったので洗濯機も回した。そうこうしているうちに時刻は11時半、12時に天満駅に着きたければ家を出ないといけない時間になった。おれの状態はというと、化粧は途中、髪は巻けていない、着替えもまだ、洗濯機は回り続けている。絶対に無理やろこんなん。山田さんにLINEで遅れる旨を伝え、そこから大急ぎで身支度を済ませ洗濯物を干し、ようやく家を出られたのは12時ちょうどであった。天満駅には12時半に着いた。約30分ほどの遅刻である。すみませんでした。
合流後は駅周辺のてきとうな洋食居酒屋に入り、飯のついでに三杯ぐらい水割りの焼酎を流し込んだ。そこではマイクラ人狼リーグ予選最終戦の話と己が学生時代いかに低学力であったかという話を延々としていた。その時たまたま隣に座っていた母娘が中学受験の帰りであると聞いてさらに絶望していたら、今すごく楽しそうだからいいじゃない♪と慰められたりした。優しさは時に刃物よりも深く人を傷つけるんだぞ、受験対策でそこも教えとけカス!
14時を目処に心斎橋へ、向かうは「物がぶっ壊せる新感覚アミューズメント施設」こと「クラッシュボックス 大阪心斎橋店」である。道すがら、雪の舞う冬の大阪はどこか見知らぬ町のようで、あとマジで寒すぎてほんまに許せんかった。冬嫌いすぎる。街中で遭難するかと思ったわ。あのままヒグマとか出てくるかと思った。福岡大ワンゲル部に入部してなくてよかった~!もうちょっとでWikipediaに載るところだった。
やっとのことで辿り着いた雑居ビルのワンフロア、入店するや否や、二面の壁にむちゃくちゃデケー殺人ピエロの絵が鎮座ましましていた。壁面のピエロのビジュアルはリメイク版itのペニーワイズにかなり寄せられていた。「殺人ピエロ評論家」を生業にしている私から言わせてもらえば、リメイク版のペニーワイズはかなりしょうもないカスのピエロだ。映画の後編にはヤツが「躍り狂う全裸のババア」となって出てくるシーンがある。そんなものに化けるなよ。気高き殺人ピエロとしての誇りはどうしたんだよ。リメイク前のテレビ版が好きすぎたのもあるが、数十年の時を経て現代に甦ったペニーワイズがあんなにアホでいいわけないだろ。あと関係ないが、洋画のホラーにはそれなりの頻度で「狂ったババア」が出てくる。ヘレディタリー、ヴィジット、デボラローガン等々……しかもそれらのババアがすぐ全裸になるのは洋画ホラーにおいてもはや「あるある」の域に達している。もし私が映画情報サイトを運営する機会があったら、絶対に「全裸のババア」というタグを作ってジャンル分けしてしまうと思う。他にも 「全裸のババア」が出てくる映画をご存知の方はクマドブまでご一報ください。
さて、クラッシュボックスの受付を終え諸々の注意事項を聞いた後に我々は、つなぎにメットに加えガラス片避けの網を被ってさながら蜂駆除業者のような格好となった。ピエロ画の前で写真を撮ったりした後、別室の破壊ルームへ。破壊ルームの中央には様々な家電や瓶の残骸が山積みになっており、一辺の壁に大きな鉄板が貼られていた。説明を聞くところによると、この鉄板に向かって物を投げて壊すらしい。部屋の隅には鉄パイプ・金属バット・バール・ハンマー等々、得物になる鈍器が置かれている。十五分の体験時間のなかで、これらを使って好き好きに宮田司郎や前原圭一になれるという寸法である。まさしく数奇な巡り合わせというべきか、山田さんとおれは偶然にも「雛見沢生まれ羽生蛇村育ち」という境遇であったため、「ひぐらしのなく頃に」を合唱しながら手近な瓶や掃除機を時間いっぱい破壊しつくした次第である。いやもしかするとスーパーサイヤ人の血も混ざっとったかもしれん。それはどうでもいいか。ひとつここで得た知見は、もともと力の弱い女やオタクくんは凶器に金属バットを使うべき、ということである。バールや鉄パイプなんかはそもそもが重すぎるので、まったくもってスイングに向かないのだ。金属バットは比較的軽いうえに重心が先端にあるため、楽にフルスイングできる。これからは金属バットを使っていこうと思います。
ちなみにこの十五分はキッチリ動画に収めている。鉄パイプで吉四六やモエシャンを割りまくる山田さんが鮮明に映っているので、いつか山田さんが指名手配されたときは証拠映像としてこれを提出し、手に入れた懸賞金でモエを飲むつもりでいます。宴だ!!!!!!!!!!!!(友を売って飲む酒は果たしてうまいのか?!実際に検証してYouTubeにアップします!)
もう本当になんの話かわからん。助けてくれ~
まあそんな感じで破壊を楽しんでいたら、急な運動によって昼に飲んだ酒が回ってきた。店を出てふらふらと散策していたらマクドを見つけたので二回目の昼飯を食い、OPAで買い物した後なんやかんやで弁天町へ。到着は17時を過ぎた頃だったように思う。
よく行く桑焼き屋に入り、晩飯を食う運びとなった。なぜか二人とも昼間の酒が変に残っていたため一杯目は揃ってウーロン茶を頼んだ。普段のわたしの飲み方をよく知っている店主は「本気?なにがあった?」としきりに訝しんでいたが、わたしがウーロン茶を五分で飲み干しノータイムで芋の水割りを注文したのでホッとした様子であった。次いで山田さんも芋の水割りにシフトし、最終的には二人で計19杯飲んだらしい。三時間で?!マジ?!山田さんは珍しいぐらい酔っていて、トイレへ席を立つたびに「山田ションベンシリーズ!」と言っていた。一応彼女の名誉のために書いておくが、この最低なシリーズはそもそもおれが始めたことである。トイレに行くときは必ず「どぶ子ションベンシリーズ!シーズン1」と宣言し、二回目以降はエピソードやシーズンが進んでいく仕組みとなっている。常ならば山田さんはどぶ子ションベンシリーズに対して「シリーズ化すな!はよ行ってこい」と窘める側なのだが、この日ばかりは立場が逆転していた。
21時頃に店を出て近所のたこ焼き屋へ。ここは山田さん曰く「泥酔した大人しかいない〝混沌〟」らしい。たしかにたこ焼き屋とは言っても、客の大半は酒だけを頼み続ける飲酒モンスターなのである。ここは各自で冷蔵庫から酒を持ってくるシステムなので、注文するというより「人んちの冷蔵庫から勝手に取ってきて飲んでいる」感じに近い。居合わせた知人の席に交ぜてもらい、その時点で既にうず高く積まれていた空き缶の塔をいっそう立派なものにするべく俺たちは缶チューハイの消費に努めたわけである。
この時点で記憶はかなり曖昧なのだが、たぶんゲームをしたりしなかったりたこ焼きを一切食わなかったりした。
22時ぐらいにたこ焼き屋を出て、例のごとくガールズバーへ向かった。もう本当に記憶がない。ぜ~んぜん覚えてない。焼酎一気飲みとかしてたらしい。やだよ~(涙)たぶん午前1時までそんなことをしていたらしい。つまり8時間ぶっ通しでお酒を飲んでいました。最悪すぎる。8時間とか平均的な就業時間やろそんなん。でも仕事に比べると断然飲酒の方が好きやな~仕事ってなんでこんなにも憎いんだろうな~もっとかわいいマイメロみたいな存在だったら仕事のことも愛せたんかな。もはや株式会社マイメロに就職したいよ~そんな会社あるか知らんけど。事業内容わからんすぎるやろ。まあそれはそれとして救ってマイメロディ~(涙)おねがいマイメロディ~(涙)
マイメロディ「雑魚乙w」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?