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『妖怪の孫 魔女の姪』

私のおじいちゃんは妖怪で、おばさんは魔女だ。

たぶん本物だと思う。


妖怪のじいちゃんは、お風呂に入らないのにいつも謎の清潔感があって、背中の曲がった変な動きで移動した。たまにお風呂に入るときには、家の敷地内の砂利道を、風呂のない離れから母屋までよく全裸で歩いてきた。不思議な人でしょ? だからきっと、じいちゃんは妖怪だと思うんだ。

魔女のおばさんは、いつも爪がすごく長くて、よく黒や紫色の服を着ていた。みんなの前ではあんまり言ってなかったけど、私の前ではたまに、わざとらしい方言が出るんだ。「ばあちゃんに内緒だよ?」と言いながら煙草を吹かす仕草はまさに、そのもの。おばちゃんは魔女だと思うんだ。

私は二人からたくさんのことを教えてもらったようで、まだ全然足りない。もっとたくさんお話したかったし、もっとお話しできると思ってた。


最後に会ったのは、不思議な式。厳かな雰囲気が漂い、みんなが黒い服と黒い靴を履き、白い真珠と鮮やかな花。不思議な呪文と集う親戚。


私のおじいちゃんは妖怪で、おばさんは魔女だ。

たぶん本物だと思う。


だから私は妖怪の孫で、魔女の姪。

きっとまたすぐ会えると思うんだ。

もしかしたら今もまだ近くにいるかもね。

始めたばかりでまだサポートについてよく分からないので、出直してきます!