見出し画像

雇止めの友人へ私ができること。

久しぶりのnoteになってしまいましたが、どうしても書き残しておこうと思ったことを書きます。

先週の水曜日(5月20日)の仕事の帰り、違う棟で働く先輩派遣社員(女性)と帰りにバッタリ遭遇しました。

彼女とは、私が今の会社に配属になった時に同じ室にいた派遣社員でした。派遣元の会社は違えど、同じ派遣社員としてよくしてくれてお母さんみたいな優しさを持っている女性です。

彼女は会社都合の組織変更により、彼女と私が所属している室が分裂することになったため所属部署共々、同じ棟の中で階が違う新しく組織された部署へ異動に。

そこから有期契約の3年を満了になりました。

派遣社員が3年満了になる場合に出来る選択肢は3つ。

同じ室の同じ部署に無期雇用として所属する

室を変えて再度有期雇用として働く

退職

この3択です。

この中から彼女は同じ部署では無期にはならず、また有期雇用として働くため部署を異動することを決断しました。

このタイミングが、ちょうど今から3カ月前の話。

彼女は、2月22日に私が開催した第1回トークセッション&交流会にも来てくれたのです。

※その様子はこちら↓

このワークショップを経験し、無期雇用ではなく再度違う環境にチャレンジすると決断してくれていたのでした。

画像1

この当時は、私が誰かの背中を少しだけ押せたのかな。それで決断して新しい環境へのチャレンジを決めてくれて・・とても嬉しかったのです。

「新しいこと」への挑戦は簡単に決断できるものではないと思うのです。

ゼロからのスタートを始めるという場合もあれば、中断していたことを再開するという解釈もあると思いますが、少なくとも彼女の場合は今まで行ってきた業務と全く違う部署に移るという決断だったので、この決断を応援したいと強く思いました。

しかし。

この3カ月後に、まさか雇止めをされることになるなんて。

緊急収益改善のお達し

私たちの会社は、製造業です。

海外の工場は軒並みストップをせざるを得ない状況で国内でも自粛をしながら人を最低限に抑え何とか動かしているという状況です。

ですが、製造業が工場をストップさせるということはモノが作れない=収益が出ないのです。

サプライヤーやクライアントに納品できない&発注もされません。この状態では、会社の売上は下がる一方なのは目に見えていました。

3月、4月と入るころに会社からついに在宅勤務のお達しが出ました。

売り上げを作る工場が、軒並みストップしているのに利益を作り出さない管理部門が自粛をしないのはおかしいという判断で。

ごもっともです。

そして、緊急の収益改善を行うお達しが全部署に出ることとなり今現在も出勤日を減らす対策などを行っています。

この、緊急の収益改善計画が発令されてから部署が経費を一斉に見直しました。

もちろん、売り上げが減っているのだから何とか赤字を防ごうとするのは当たり前だと思うので大賛成です。

しかし私たちのような派遣社員は業務委託費となり、部署によってはそれを削るしか目標削減値に達しない部署もあるのが現実でした。

私の先輩である彼女は、この削減にあってしまったのです。

派遣社員はこの4月1日からの同一賃金同一労働の法改正のため、有期雇用として働く派遣社員の契約更新が一斉に4月1日スタートから3カ月に変わりました。

よって、彼女の満了は6月末。

派遣元の派遣会社からは、GW明けすぐに告知がされたそうです。そして、会社からの告知が水曜日に部長から告げられたとの事でした。

笑って言った「雇止め」という言葉

5月20日の水曜日の帰りに、バッタリ会った彼女が言った一言は

「ついに雇止めだってー。今日言われちゃったよ」

笑って言うのです。

私「え!?うそでしょ?ほんとに?」

彼女「ほんと、ほんと。今日、部長からごめんなさい。って言われたんだよ。」

私「今日知ったの?」

彼女「ううん。派遣会社からはGW明けに言われてたから前もっての告知があった。」

私「えー・・・そうなんだ・・ショックだよね」

彼女「まぁねー・・でも告知があったし3人同時だからさ寂しくないよ?(笑)来たかって感じだったよ。もう私の部署は業務委託費を削るしかないんだって。仕方ないよね。」

私「3人も!?いや、そうだけどさ・・正直、私たちの会社は大丈夫だって思ってたから・・衝撃なんだけど・・」

彼女「ごめんねー!不安にさせちゃった??(笑) 移ってきてまだ3カ月だったのにねー・・本当に辞めることになっちゃったよ。」

私「次の仕事は?」

彼女「いやー、一応探してもらってるけどさ。このご時世だからどうなるか分からないって派遣元から言われてる。

私「そっか・・見つかるといいね。この会社で見つかるかもしれないよね!」

彼女「そうだねぇ。まぁ、失業保険ももらえるし辞めてから考えようと思って。」

これが会社帰りの私たちのリアルな会話です。

彼女の口調や足取りは全く重くなくて。笑っていたのです。会話をしていた私の方が、暗い気持ちになっていくようでした。

ニュースなどで見ていた、非正規雇用者の雇止め。

自分で選んだ。選択した働き方だから仕方ないとは思うけれど、ここまで身近な人が経験をすることが無かったから、どこか遠い話だと思っていました。

けれど、身に沁みます。

私だって例外じゃない。

私の雇用期間も6月末です。今がちょうど各部署が更新をするか否かを判断するタイミングです。

この友人の話を聞いて、戦々恐々としました。これは現実なんだと。切られてしまったら受け入れるしかないのだと。

4月の法改正時に、そのまま契約を切らずにいてくれた会社だからこそ大丈夫だろうと思っていたけど、そうじゃないのだと現実を突きつけられました。

私ができることは何か

彼女に対して、私は何ができるのでしょうか。

頑張って。

なんて言葉で送り出せません。辛すぎて悔しすぎて無理です。

イベントに来てくれて、共感してくれて仕事でもお母さんみたいに優しくて懐も大きい彼女なのに私はどうすることもできません。

背中を押すって何なんでしょうか。

0.5歩踏み出してみよう!っていう言葉は気休めでしかないような気さえしてきます。

翌日から、色々と考えているうちにふと私の派遣元の言葉を思い出します。

担当「今、めーちゃんさんが所属している室で1人探してほしいという依頼を受けているんです。もし、お知り合いで条件に合いそうな方がいたら教えてくださいね。

去年の暮れから、友人紹介を尋ねられていたのです。しかも、年が明けてもなかなか決まらなかった様子でした。

これに賭けてみようか・・。

私の室は、もともと組織変更で分裂した片割れがベースになっていたので彼女の元同僚や元上司がたくさんいます。

派遣元の会社が違うのですが、ダメ元で私の担当へ彼女の話をしました。

私「ある女性が6月末で満了という形で雇止めになってしまうようです。派遣会社が違うのは重々承知していますが、探している部署は、元々彼女の上司だった人が要る部署ですし、一度聞いてもらうことはできませんか?」

担当「かなり慎重に行う必要のある話ですが、部長へヒアリングすることは可能ですよ」

私「お願いします!」

今現在、この話が進んでいると思います。

私がした事はもしかするとかなり担当さんに迷惑をかけることかもしれません。会社が違うので、万が一のことも考えられます。

でも。

どうしても何もしないということができませんでした。

6月末で退社ということは、契約期間の満了という形で退職になるので実際は雇止めという形ではありません。

・ 契約満了の30日前までには派遣社員に雇い止めを予告している

・ きちんと契約満了の理由も開示し当人に説明していること

有期雇用として働く場合、更新というものが当たり前です。そのため、更新されない場合があると思いながら働くわけですから、会社の方は違法ではありません。

彼女の場合も30日以上前に告知をされていますし、今回は会社都合だとしても現状が現状である以上、更新しない理由も納得します。

だからこそ、彼女も笑って言ったのかもしれません。

ただ、その笑顔で言っている姿をみる私はとても心が痛かったのです。私も同じような事がこの先あり得るのだから、他人ごとではありません。

今回、noteに書きためておこうと思ったリアルな気持ちとリアルな現状。

誰かに知ってほしいというよりは、自分のこの気持ちをのこしておきたかったのです。

私のしたことが正しくないかもしれません。

彼女からしたら余計な事だったかもしれません。

でも、見て見ぬふりはできませんでした。

一方で、会社はそれほど大きなダメージを受けていると実感し私自身も先を見据えておく必要があると肝に銘じておこうと思います。

オチもなにもないけれど、どうか誰もが不安を抱えることなく働ける日は来ますように。

ご覧いただき誠にありがとうございます。これもひとえに読んでくださる皆様のおかげです。頂いたサポートは、良い品質のものを皆様にお返しするため活用させていただきます。