第65回【行動経済学を学ぶ】-会社に依存しない自分を創る

今日は少し長文です。
ためになる内容なので,ぜひ最後まで
お付き合いくださいね。

「行動経済学」は,ビジネスを行う上で
大事な視点を提供してくれます。

今日は少し長文ですが
お付き合いください。

「行動経済学」領域では
2017年、米シカゴ大学の
リチャード・セイラー教授が
ノーベル経済学賞を受賞しました。

セイラー教授の研究分野は行動経済学で
現在の行動経済学を形づくった権威として
その業績が認められた形となりました。

行動経済学の研究者がノーベル経済学賞を
受賞するのは、2002年に受賞した
米プリンストン大学のダニエル・カーネマン
教授以来、2人目です。

行動経済学の理論は、既にマーケティング
や広告など、ビジネスに広く応用
されています。

今回のノーベル賞受賞をきっかけに
ますます行動経済学が注目されることに
なるでしょう。

行動経済学の根本には、その名にある通り
「経済学」があります。

従来の一般的な経済学は
「完璧な人間」の行動モデルを
追求しています。

完璧な人間とは、損得勘定のような経済的
な合理性のみによって個人主義的に
行動するような人間です。

そして、経済学では「個人や組織は、
少しでも多くの利益を得るために
”誰もが同じように” 合理的な意思決定
をする」ことを前提としています。

しかし、どうでしょう? 

私たちは経済的合理性のみで行動している
のでしょうか?

「少し高いけれど、インスタ映えしそうな
 カフェでスイーツを楽しむ」

「レジの横に置いてある募金箱に釣り銭を
 入れる」

「『セール』の文字につられて
すぐに使う予定の無いものを買ってしまう」

このような、一見すると合理的ではない
行動もとっています。

そんな人間の行動について
心理学と経済学を組み合わせて
「現実的な経済活動について研究を行う」
という目的が行動経済学の出発点です。

行動経済学の基礎知識を5つご紹介します。

1.アンカリング効果

2,プロスペクト理論(損失回避性)

3,サンクコスト(埋没費用)

4.おとり効果

5.現在志向バイアス

順にご説明します。

1.アンカリング効果

アンカリング効果は、最初に印象的な数値
や情報を与え、その後の意思決定に影響を
与えることを指します。

「アンカリング」は「船の錨を下ろす」
という意味であり、錨の刺さった地点
となる数値や情報が、その後の判断の基準
になっていきます。

広告で良く使われる
「通常価格○○円のところを
 △△%オフの□□円で販売します!」
といった値下げ表示。

これはアンカリング効果を狙っての戦略で
あると言えます。

競合他社の商品を含め、標準的な販売価格
が知られていない
(買い手の中でアンカリングが
 されていない)商品やサービスほど
値下げ広告の効果が期待できます。

2,プロスペクト理論(損失回避性)

たとえば、以下のような、お金を得られる
ことに関する2択の質問について考えます。

質問:どちらかを選んでください。

無条件で1万円をもらえる。

コインを投げて表が出たら2万円もらえるが
裏が出たらお金はもらえない。

このような質問をすると、多くの人が
「A.無条件で1万円をもらえる」を選び
2万円をもらう賭けに出るよりも確実に
1万円を手に入れようとします。

次は反対に、お金を失うことに関する
2択の質問を考えます。

質問:今、あなたは無条件で1万円を得た
   とします。
   どちらかを選んでください。

コインを投げて表が出たら更に1万円
もらえるが、裏が出たら手元の1万円は没収

コイン投げは行わない。

こちらの質問では、コイン投げを行って
1万円を没収されても実験前から考えれば
プラスマイナス0ですが
「B.コイン投げは行わない」を選ぶ人
が多数を占めます。

つまり人間は、利益が手に入る可能性の
ある場面では「利益が手に入らない」
ことを損失の可能性がある場面では
「損失すること」を回避しようとする
傾向を持ちます。

このような人の性質を説明しているのが
プロスペクト理論(損失回避性)です。

3,サンクコスト(埋没費用)

次のようなことをイメージしてください。

久々の休日、洋服を買おうと思って
ショッピングに出かけました。

何となく気になる洋服があるものの
「値段が少し高い…」
「別の色があれば買うのに、この色しか無い…」
などの理由で迷って購入に踏み切れず
時間だけが過ぎていきました。

「せっかくの休みなのに
 意味もなく時間を使ってしまっているなあ。
 何か買って帰らないと、このお店で費やした
 時間がもったいない気がする…。」

そう思ってしまい、迷っていた服を結局
買って帰る、もしくは買わないで帰って
「時間を無駄にしたこと」を後悔する。

このようなことはよくあります。

費やしてしまって取り戻すことのできない
時間やお金、労力のことをサンクコスト
(埋没費用)と言います。

無料もしくは安価な価格による「おためし版」
一定の価格を支払って受ける「○○放題」
のサービス、付録を1年ほど集めることで
精巧なプラモデルが完成する週刊誌
スマートフォンアプリの「ガチャ」。

これらがサンクコストを利用した販売手法
の一例です。

「一回やってみようかな」と思わせて商品
やサービスを体験させ、そこから
「かけた時間やお金がもったいない」
と思わせるところまで持っていくことが
サンクコストを利用する手法のコツです。

4.おとり効果

ある商品を買ってもらうために、ほとんど
選ばれないであろう商品を選択肢として
提示することで、買ってもらいたい商品が
選ばれやすくなることを
おとり効果と言います。

おとり効果を利用した手法は
非常に簡単です。

たとえば、50,000円の製品を買ってもらい
たいとします。

このとき

製品A:20,000円
製品B:50,000円
製品C:80,000円

このように製品のリストを用意すると
多くの人が2番目の製品Bを選択します。

製品Cは割高、製品Aは使えない製品である
ように思えてしまい、結果的に真ん中の
製品Bが最も魅力的に見えるのです。

おとり効果は「松竹梅の法則」とも
呼ばれているように、一番売りたい商品の
前後に松と梅の「おとり」を紛れ込ませ
真ん中の商品である竹を買ってもらうよう
仕向けることがコツとなります。

ただ「おとり」といっても
商品一覧に掲載した時点で販売しなければ
なりません。

高価な方も格安な方も、手を抜かずに
しっかりとしたものを用意しましょう。

5.現在志向バイアス

以下の質問について考えてみましょう。

質問:どちらかを選んでください。

・今すぐに5万円をもらえる。
・1年待てば必ず7万円をもらえる。

この質問に対しては
「A.今すぐに5万円をもらえる」を選ぶ人が
多くなります。

1年だけ我慢して利益を増やすより
今すぐ得られる利益を選びたくなるのです。

このような心理を現在志向バイアスと呼びます。

「買った当日から使えます」

「翌日にはすぐに効果が現れます」

「(商品発表会の最中に)今この瞬間から
 全国の店舗で販売を開始します」

といったような「すぐに利益を得られる」
ことを訴えることで、現在志向バイアスの
効果を得られます。

まとめ

行動経済学は人間の
「感情によって合理的な判断が歪む」
性質を研究している学問です。

行動経済学のことを深く知り
人間の感情に寄り添ったビジネス活動を行う
ことで、より高い効果が期待できます。

今回ご紹介した理論以外にも
行動経済学では様々な理論が存在します。

興味のある方は書籍やテレビ番組などで
知識を深めてください。

さて,今日の質問です。

あなたは「常に」合理的な判断で
選択していますか?

行動経済学に基づいて「感情」で
選択してますか?

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