復帰
小説を書かねばならぬと思い立ち、小説の完成までnoteを更新しない事にしていた。
この記事が投稿されるということはつまり、執筆していた小説が完成した……訳ではない。むしろ1作たりとも完成していない。
実際書いてみると、まあ思っていたより作業は進む。完成させるだけならなんとか形にできそうな感触である。
となると考えはじめるのは、完成させた後のことである。
最初はできた作品は適当にネットに放流すればいいかと思っていた。が、せっかくオリジナルを書くのならしっかり批評がもらえる賞とかに応募した方がいいのではなどと考え始め、そうなると応募作は事前にネットにあげてはいけない事になり、じゃあ応募作の結果がわかるまで数ヶ月間noteを封印するのか? などなどあーだこーだ考えているうちにnoteに書きたい事も溜まってきたため、更新を再開することにした次第だ。
だが、noteの更新にかまけて小説を書くのを放棄するのだけはなんとしても避けたいものだ。
ブルーピリオド、海が走るエンドロール、あくたの死に際。そういったゼロから創作の世界に向かっていく漫画ばかり読んで、何かを始めるのに遅すぎることはないと感激しておいて、自分では何もしていない。
数年前に偶然行ったライブで、しょうもないけど切実な日常を歌っていたそのバンドの姿は眩しく、俺もそっちに連れて行ってくれと思った事を多分一生忘れない。もうバンドの名前も覚えていないが、あの感覚だけは絶対に忘れない。
俺はずっとそっち側に行きたがっている。割り切ってこっちの世界に迎合してしまえば楽になるのに、それが嫌でこっちの世界に頭まで浸かるのを拒否してもがいている。そんな自分に去年気づいた。
そっち側に行くためには、自分で歩いていくしかないだろうことも、わかっているつもりだ。
noteを更新する気になったのは、書きたい事が増えて消化不良になっているのもあるが、自分は小説を完成させるだろうという自信が持てたためでもある。
別に小説家になりたいという訳でもないのだが…………とにかく自分の中のものを作品という形で世に放っておきたいという気持ちでいる。もう手はつけたから、後は俺が勝手に完成させてくれるだろう。そう確信している。
そろそろ安全圏で見ているだけでなく、自分も外に出て行かなくてはな。
でなきゃいつまでも有象無象のままだ。