見出し画像

揺るぎない上様だからこそ

 『マツケンサンバⅡ』、好きです。

 今なお続く再ブームの始まりは、東京オリンピック前の閉塞感とか準備段階で聞こえる残念話とか、そういうものを問答無用でぶち抜いてくれる熱量、一体感、高揚感や共通認識になりうるワクワクだったと思います。
 関ジャムで話題になって、オリンピックのセレモニーでわやくちゃしたとき「マツケンサンバええやん」と話題になってじわじわ熱くなり……という流れだったかと。
 そして、そんな期待を象徴する圧倒的カリスマ。

 この場合の圧倒的カリスマは、いわゆる往年のスタァとかアイドルが持っていたもので。
 最近売れてきた人たちは、人気はあるんだろうけどファン以外をも惹きつけるほどの力を感じることが滅多にないので、その点で不足だったかな、と。
 お前に何がわかると言われそうだけど、平たく言うとそれが「オーラ」なのかなと。

 オーラをビシバシ浴びる曲とか、若さの眩しさを浴びるための曲とか、その人の魅力を放出するための曲とか……そのジャンルの曲は最近なかったので。隙間にうまくハマったなと思うのです。

 たとえご本人に力が足りなくても、アイドルの場合は曲が補ってくれるケースがあるんですけど、残念ながら最近流行りの曲にはそういう圧倒的なワクワクがほぼないので、どうしてもそちら側の魅力を期待できないんですよね。
 (私が勉強不足で知らないだけならごめんなさい)

 マツケンサンバⅡは、最初に売れた時の知名度や付随する各種モノマネ的コラボ(最も有名というか話題になったのはSMAP×SMAP内のカツケンでしょうか)の楽しさや規模の大きさの記憶でより楽しめるベテラン世代の心と記憶に刺さり。
 最初のブームを知らないティーンエイジャーには曲の楽しさやお祭り感、上様のサービス精神たっぷりなパフォーマンスと一緒にキラキラする映え感が刺さり。

 曲や映像の魅力が伝われば、ご本人のプロデュース力でさらに祭り感が補強されるし。
 全員参加も可能だから、より「皆ではしゃごう」という空気を作りやすいし乗りやすいし。
 全部に参加するのは無理でもここ! っていうポーズの決めポイントが老若男女にわかりやすい曲って本当に強いと思う。

 それから、カフェメニューの遊び心やデザインとか、ちょっと割高でも記念品と思えば……と財布の紐が緩みやすくなるのはわかるなぁ。
 それにグッズ。ランダムでも必ず『推し』が出るって強いですよね。損した気分にならないもの(笑)

 とまぁ、色々ぐだぐだ言いましたけど。

 それもこれも、いまだ上様がきっちり上様であり続けてくれているからこそ、なんですよね。
 明確で揺るぎないシンボルがいてくれるのはとても強い。


 もちろんそのテの曲や雰囲気が似合わないタイプの方もいらっしゃるので、皆そうなればいいとまでは思ってないのですが。

 それができるのに今の流行りではないからと見向きもしない方々については、ちょっともったいないなと思ってしまうところが少なからずあるのです。