2023年にプレイしたエロゲの記録

誰かに読ませる文章というよりは、備忘録的に書いていこうと思う。殴り書きのような文章になってしまうがご容赦頂きたい。
普段ツイッターで投稿するには憚られるようなネタバレ込みの、時に否定的な意見も含めた忌憚なき感想になってるので、そういうのが苦手な方は見ないことを勧める


9-nine-ここのつここのかここのいろ -(Steam版)

リリース:2017年 プレイ期間:1/2    (4時間)
面白さ:4/10
気になってた9nineシリーズ初プレイにして初のぱれっと作品。内容は王道能力バトル+伏線ワラワラの謎解きという感じで、既視感はあるが気楽に楽しめた。禁書とかあの辺の異能力ラノベ好きなオタクには自信を持ってお勧めできると思う(主人公の声が上条当麻でソフィーが黒子・・・の生き別れの双子の人らしい)。
みゃーこ先輩かわいい。これはあとの3作にもいえることだが、9nineシリーズというかぱれっと作品は和泉つばす先生の絵に惚れこんで買ったといっても過言ではない。ときにシナリオの出来を度外視して絵だけで高評価をもぎ取るゲームが現れてしまうぐらい、エロゲ(=紙芝居ゲー)における原画というのは非常に重要なファクターであると思う。
9nineシリーズはフルプライスだと4作12000yenとなかなかの値段になってしまうことに抵抗があり、エロシーン無し版にはなってしまうがSteamのウィンターセールで4作3600yenで購入したがまずまず満足。
あと最近仕事も忙しく、長大ボリュームのエロゲを1作やり切ることに非常に心理的負担を感じていたが、分割商法で1作4時間で終わるのは本当に有難かったし、高く評価したいと思う。
(エロゲに限らずゲームを積んでるとやらなきゃという使命感に追われてしまいしんどくなっていく・・・)

月に寄りそう乙女の作法

リリース:2012年 プレイ期間:1/4 ~1/9
面白さ:5/10
エロゲーマーなら名を知らぬ者はいないビッグタイトル。Navel作品もこれが初プレイだったが、キャラ絵が少女漫画チックなのが「男性向け18禁コンテンツ」というカテゴリーの中では異色というか、いい意味で印象に残った。
というか本編もかなり少女漫画チックな雰囲気だったと思う。ストーリーも序盤の回顧録からして「愛憎入り混じったドロドロした人間模様」というのを予感させたし、各キャラや舞台設定も女性向け作品にあるような華々しい感じだった。冷徹なヒール役・衣遠兄様やジャンみたいな男プレイヤーでも惚れこむような容姿・哲学・カリスマを持ち合わせたナイスガイもこれまでの男性向けを意識したエロゲではあまり見なかったように思う。
女装モノの良さはイマイチわかってなかったが、「大きな嘘や秘密を抱えてヒロイン達と交流していく(この場合は女装して女子校潜入)」というところに非日常感や秘密を隠す主人公の葛藤など、面白さが湧き出てくるのだなと感じた。
""シンデレラストーリー""の読み物としては読み応えあって面白いが、エロゲとしてはうーん・・・というところ。各ヒロインとの女装Hシーンは残念ながら私の性癖には刺さらなかった(なのでHシーンない全年齢向け買ってもよかったと思う)
あと各ルートで主人公が男カミングアウトするたびに瑞穂がメンタル崩壊するのが可哀想すぎて抜けた。可哀想はかわいい。

乙女理論とその周辺-Ecole de Paris-

リリース:2013年 プレイ期間:1/5 ~1/8 (3日)
面白さ:9/10 
最初に一言。めちゃくちゃ面白かった。
前作つり乙の衣遠バッドエンドで、つり乙ヒロイン達と結ばれなかった世界の「その後」が描かれる。
つり乙で湊√と瑞穂√やって「正直思ったほどちゃうなぁ・・・りそなとか衣遠兄様の方が好きやし・・・」と思ってたのでつり乙を途中で投げて先に乙女理論をプレイした。思った通り大蔵家のキャラ大好き人間にとっては最高のゲームだった。神に感謝。
メインヒロインりそなは、エロゲによくある愛嬌振り撒きまくり妹ではなく、温度感低めながらも兄にデレデレというタイプで小動物的なかわいさがたまらなかった。新天地パリで、時に苦難に翻弄されながらも一歩一歩新たな自分に向けて変わっていく様子も見てて釘付けになってしまうぐらいだった。乙女理論は本当にりそなアペンドと名付けてもよかったぐらい、つり乙で描き切れなかった「大蔵りそな、そして大蔵の人間たちの壮大なグランドフィナーレ」を見せてくれたと思う。
本当は10点満点文句なしの面白さだったが、パッケージヒロインのエッテ√とメリル√にもかなり期待していたが殆どあってないような残念っぷりだった、なので10点中9点。ゲームひとつ分のボリュームある壮大なりそなアペンドとしても出せるけど申し訳程度にサブヒロイン2人足しました、というのが偽らざる感想だった。(特にエッテ√。続編の「その周辺」でエッテ√だけ作り直されたぐらいだし、粗悪シナリオの自覚ぐらいはあったのだろうか・・・・)
あと、つり乙同様バッドエンドもその後の想像の余地が存分にあって味わい深い。

9-nine-そらいろそらうたそらのおと(Steam版)

リリース:2018年 プレイ期間:1/14    (4時間)
面白さ:4/10
9nineシリーズ2作目。主人公の妹ちゃんが本作のメインヒロイン。
前作ここいろでは細かい言及のなかった「能力に呑まれた人間の負の側面」が悲劇的に描かれていた。ストーリーに衝撃性もなく、ヒロインもあまり私の性癖に刺さるタイプではなかったので、まあこんなもんか、と思いながら淡々と読んでいた。実妹ヒロイン好きなら履修しておいて損はないと思う。

Strawberry Nauts

リリース:2011年 プレイ期間:1/27  ~中途挫折  (3時間ぐらい?)
面白さ:2/10
体験版だけやったけど、何が面白いのかいまいちよくわかんなかったので放棄。見飽きた舞台設定に見飽きたキャラ属性、オリジナリティも面白みもないシナリオがダラダラ続いていく感じだった。
この作品に限らず、共通√の時点で殆どのヒロイン好感度MAXというのはあまり好きではない。ヒロインの恋する乙女の表情は個別√で初めて主人公だけに見せるからこそ破壊力が強いのであり、またハーレム築いておきながら一人だけ選ぶというのは他ヒロインへの裏切り・心を痛める行為に他ならない。(もっとも最初からそういう趣旨・テーマのゲームだったら別によいのだが。)
ちなみに曲はOP・ED共にめちゃくちゃ良い。

<ここらへんでエロゲに飽きてイニシャルDをぶっ通しで見る。一回休み>

金色ラブリッチェ

リリース:2017年 プレイ期間:2/6-???
面白さ: ??/10
プレイ中。
サガプラ初プレイはやはりこの有名作からかなと。
ある日突然王女様に振り回されていきなり見知らぬ環境に放り込まれるとか、馴染めず苦労するけど色々あって庶民のヒロイン達とも仲を深めるとか、そこまではまあ他のゲームでもよく見るお決まり展開だし、それだけだったら凡作で終わっていたかもしれない。
それぐらい、このゲームは理亜の存在が特異なんだろうなと思う。というのは共通√の時点からもう強く印象付けられた。

お前のゴールデンタイムは今かもだぜ、ダラダラ消費してていいのか
時間ってのは一瞬で過ぎて行って、でもその過ぎた一瞬は二度と戻ってこないんだぜ
いまを突っ切らなくて、いつを突っ切るんだ?

逆風の主人公に優しくしてくれるヒロインや友人はそれなりにいたが、説得力を持った言葉を投げかけ彼の生き方に問いかけるような深い繋がりを持てたという意味ではやっぱり理亜は特別な存在だったんだろうなと。
以下、他ルートについて。
玲奈√:「ギャルだけど人望あって意外と純情なギャップがたまらない」みたい話のはずだったのに、交際前に黒髪ヒール女と3P始めて、中〇しキメた後に勢いで告白してるの見て頭が痛くなった。キャラの魅力もプレイヤーがどういうものを欲しているかも全く理解せず書いたシナリオとしか思えず、最悪すぎる。√間のライターの力量差にひたすら苦汁を味わされた。


9-nine-はるいろはるこいはるのかぜ(Steam版)

リリース:2019年 プレイ期間:2/14    (4時間)
面白さ:6/10
9nineシリーズ3作目、ここに来て話が大きく動きやっと面白くなってきた。
真の黒幕の存在、敵組織の内側、オーバーロードの謎、とこれまで伏せられてた部分が最終章を前に怒涛の勢いで情報開示されたのも圧巻だったし、主人公の立ち回りと運命分岐の末に初めて4人ヒロインを団結させることに成功し、一丸となって敵に立ち向かったシーンも良かった。
エロゲという意味でも高評価で、男性苦手なおどおど系女子とエロエロ女王様の二つの性質を併せ持つ巨乳ヒロイン、春風先輩がかなりド直球でタイプだった。はるいろだけは18禁版買ってもよかったかなとちょっと後悔。
OP曲もよい。はるいろと次の最終作、ゆきいろのOP曲が特に好き。

9-nine-ゆきいろゆきはなゆきのあと(Steam版)

リリース:2020年 プレイ期間:2/15    (4時間)
面白さ:7/10
9nineシリーズ最終章。(新章は除く)
十分満足できる面白さでした。最後までやってよかった。
最初の偽EDの途中で映像止まってイーリスが時間巻き戻してくる演出、本当にゾクゾクさせられた。第4の壁を上手く使ったタイトル伏線回収、ラスボス打倒もなかなか良かった。

そらいろの辺りですでに、この4部作の評価は正直最後の「ゆきいろ」できちんと読者が納得する形で伏線回収し、締められるかどうかにかかっているなとは薄々思っていた。最後でコケたら全部台無しだと。
ループものとか世界線の概念が出てくるこの手の作品は、意図せずともどうしてもまどマギやらシュタゲやら先駆者の”モノサシ”と比較してしまいがちである。悪意を持った見方をすると「どうせパクリだろ」とどこか冷めた目で見がちになってしまうこともある。
そういう不安はあったが、本作では"9nineらしい"選択と結末を見せてくれたと思う。大切な人が死んで何度ループしても救えないとか、そういうループのおなじみ方法論は見飽きた感があるからこそ、そこに生きるキャラが何を考え、どういう選択をするのか。そういったキャラの個性や世界観で差をつけオリジナリティを追求していくしかこのジャンルで存在感を発揮する術はないのだろう。(本作で言えば敗北ループを繰り返し心が折れかけるも挫折することなく奇跡の発想と非情さでしぶとく勝利を掴んだ翔、そして物語を観測し介入するプレイヤー「ナイン」、あと沙月先生の存在か)

天色*アイルノーツ

リリース:2013年 プレイ期間:22/12/22-3/18
面白さ: 2/ 10
ごめんなさい、クソつまんなかったです・・・・ヒロインの可愛さはゆず屈指だし、OP曲もすごくいいんだけど、ただただ虚無だった。不快感を覚えたり胸糞悪かったりということはないのだが、伏線も別に気にならないし、会話もあんまり面白くないし、驚くような展開もない。何があったか全然覚えてない。喫茶ステラからハマってサノバウィッチまで一通りプレイしてきたゆずソフト信者の私でも、真咲√と夕音√だけやって投げてしまった。

個人的な意見だが、ゆずソフトは非モテ男性向けを意識しているのか(?)割と現実寄りで清廉な恋愛シナリオに拘っているように見える。付き合う前に他のヒロインのフラグをきちんとへし折る、二股しない、交際したら周囲に報告する、付き合う前にヤらない、乱交はNG、等々。よくエロゲーマー界隈では「ゆずソフトは純愛」と評されることが多いが、純愛というよりは「普通の恋愛」をしているだけなんだろうなと思う。
なぜこのような話をしたのかというと、本作のヒロインが6人中5人学生であり、教師が教え子を食うというちょっとアレなお話であるからだ。教師×教え子モノは隠し通す背徳感とか、叶わぬ恋の切なさとかが魅力として挙げられるが、上記のゆずソフト的なルールだと「きちんと親御さんに説明する」とか「周囲に交際を公表する」という後ろめたくないやり方を通そうとする。現実社会の倫理観ならまあそれが正しいのだろうが、エロゲとして面白いか?といわれるとNOだな、というのが今回思ったことであった。本作のテーマがゆずソフトの理念、魅力とするものと絶望的に合ってなかったなと。企画負けである。

後付けで自分を納得させるための理由にはなってしまうが、(ゆず作品に毎回登板してる天宮りつ氏を除いて)天色はシナリオライターがハズレだったというのもイマイチな一因かもしれない。事実、次作のサノバウィッチ~喫茶ステラ、とはガラッとライターの面々が異なっており、「サノバ」以降は一定品質以上の安定感あるシナリオが供給されているように見える。

フローラル・フローラブ

リリース:2016年 プレイ期間:3/6 -3/15, ???
面白さ: 7.5 / 10
プレイ中。七緒√、夏乃√、こはね√完走済(莉玖√解放まで時間かかりそうなので一旦積む)
共通ルートまでの感想としては、とにかくヒロインがかわいい。原画がよいという意味でも、女の子の魅力を引き出せているという意味でも。
サガプラ作品のお約束なのかは知らないが、所々で明かされる主人公の暗い過去がなかなかに重く、引き込まれてしまった。そんな悲しき過去を持ち荒んだ育ち方をしてきた主人公が天使のような女の子たちと出会い、心癒されたり善き方向へと変化していくのが結局このゲームのコンセプトなのかなと思う。随所に見られる教会やキリスト教などの要素も大事な場面で上手く取り入れられていて、ヒロイン達を取り巻く優しく暖かい世界観の形成に成功してたと思う。
センターヒロインの夏乃√除いて個別√は別にそこまで面白くないのだが、キーパーソン・斉須利成をはじめとした過去の出来事をめぐる謎について各√で秘密が明かされていくことで、飽きることなく読めた。同時期に発売された"千恋*万花"もそうだが、ただヒロインの魅力を味わうキャラゲーというよりは、壮大な一つの物語をそれぞれの異なる視点から解き明かしていくミステリーとかヒューマンドラマ的な側面が強く、純愛分岐ルートモノの王道展開ながら飽きさせず地雷も踏まずでなかなかいいゲームだった。エロゲ初心者にも十分お勧めできる良質な一作。

PARQUET(全年齢向け)

リリース:2021年 プレイ期間:3/31-4/1 (9時間)
面白さ: 6 / 10
非エロゲですがゆずソフトの姉妹ブランドが出してるので半分エロゲみたいなもんでしょう(適当)
割とコンスタントに新作を出すゆずソフトが2019の「喫茶ステラ」を最後にエロゲを出していない中でいきなりの全年齢向けゲー発表、ということで結構賛否分かれたゲームでもあった。
実際やってみた感想としては、「近未来ミステリーとしてはまあまあ面白いが、エロゲ会社としてのノウハウは全く生かされていない」という感じ。ゆずソフトといえば「共通√のわちゃわちゃ感」「甘々な純愛シナリオ」などを思い浮かべるかと思うが、そういうのを期待して買った信者からすればガッカリであったことは想像に難くない。

ちょっと話は変わるが、「全年齢向けゲーム」はジリ貧エロゲ業界の最近のトレンドの一つである。エロ表現がないことでSwitchなどの据え置きゲー、Steam、AndroidやApple Storeなど様々な媒体に移植可能であり、未成年や海外のゲーマーといった新規顧客層にも金を落としてもらえるチャンスが広がる。
ゆずソフトも流行りに乗っかりたかったのだとは思うが、誤解してほしくないのは「全年齢に逃げた」ことが失敗だったわけではない。ゆずソフトのエッセンスが正しく活かせておらず、ターゲットも不明瞭だったことが一番の問題のように思う。
本作は、ドラクリやリドジョの路線からさらに一歩踏み込んだ近未来ミステリーである。ただ、エロどころか恋人関係にも発展せず、さらにスマホでキャラが動くゲームが当たり前の令和キッズにとってはとっつきにくい紙芝居ゲーという古のフォーマットだと、古参にも新規層にも受け入れてもらえないのではないか、と思ってしまった。
個人的には、近年の一般ラブコメアニメ・漫画の人気の高まりを汲んだ「学園モノの全年齢向け甘々ギャグラブコメ」のほうが、ゆずソフトのメーカーとしての強みを活かせるしまだ勝算があったように思う。実験作的な要素が強かったが、2作目も出せるのであればぜひ見てみたいところ。

キサラギGOLD★STAR

リリース:2010年 プレイ期間:4/4-4/7 
面白さ: 2/ 10
原画に惹かれてパケ買いしたがあんまり面白くなかった。
「秋が舞台」「メインヒロイン全員幼馴染」「ファンタジー要素」がこのゲームを始めて序盤で感じ取れる重要なファクターだと思うが、全然上手く使えておらず他の平凡なエロゲと変わらないシナリオになってしまっていた。
まず幼馴染ヒロインというのは「主人公だけと共有できる過去の出会い、思い出、秘密」と「想ってきた年月の長さ」こそが、ぱっと出の女に負けない最強の武器であろう。なのだが全員幼馴染だと、前者での差別化ができないのでよほどシナリオ工夫しないと面白くできない。
また秋が舞台なのに告白シーンもデートも秋要素が全然感じられなかった。美術館デートとか、紅葉がきれいな公園を二人で散歩するとかそういうシチュエーションがもっとあっても良かったと思う。
最後のファンタジー要素についても個別√で全然上手く扱えてなかった。翼や命の√では存在すら忘れてたのに、沙弥√でいきなり突拍子もない展開が出てきて困惑した。せめて共通√でもう少し伏線貼って匂わせるぐらいのことはしてもよかったのでは?オチもありきたりでしょーもなかった。
悪い所ばかり書くとアレなのでいい所も挙げておくと、メインヒロイン4人の原画とキャラ設定はよかった。4人とも攻略したくなるヒロインとしてのポテンシャルを持ってた。ライターがヒロインの魅力を全然引き出せていなかったが。
サガプラの代表作は「はつゆき」「花咲」「金恋」を挙げる人が多いので、それより前の本作は今のスタイルが確立する前に模索していた時期のゲーム、ということなら少しは納得も行く気がする。フロフロは気に入ったので、他のサガプラゲーもやってみたい。

ハピメア

リリース:2013年 プレイ期間:4/8-4/10  (30時間程度?) 
面白さ: 8.5 / 10
来月、無印+FD+新シナリオのリメイク版が出ることで話題になった本作だが、FANZAで旧作セール中だったので先に手をつけました。1万でリメイク版のフルパッケージ買って1作目の時点で合わなかったら金の無駄だしね・・・とまあそんな心配はしてたがかなり面白かった。
プレイ前の印象としては不気味なミステリーとか、えげつない複数バッドエンドとかハーレムエンドとかリョナとか来るんだろうなと身構えてたが、蓋を開けてみれば割と普通のハッピーエンド純愛ゲーだったと思う。
この作品の良さはやっぱりアリスモチーフのミステリアスな世界観だろう。有栖や舞亜を始めとした夢衣装もマッチしていて良い。
そして本作はヒロインも魅力的な子が揃っているのも名作たる理由の一つだろう。有栖以外は皆結構ストレートに物を言い、ときにヒロイン同士で牽制しあい、ヘタレ主人公に対しても容赦なくグサグサ刺してくるのだがそれでも掛け合いに不快感や胸糞要素はなくギャグトーンでさくさく読めて面白かった。
舞亜との過去に触れる咲√と、この夢の全ての真実が最後に明かされる有栖√(グランド√)がやはり一番見ごたえがあった。

ここまで良いとこを並べてきたが一部欠点もある。前半の各ヒロインと出会い夢と向き合っていく部分は面白いが、後半からがひたすらかったるく感じる。単に私がゆずソフトやサガプラのサクっと完走できるゲームに慣れてるせいというのもあるんだろうが、他にもいくつか思いついた。
主な理由としては、①舞亜と決別してから夢の中の日常舞台が多くなり前半のミステリアスな空気が薄れること、②共通√の後半で失速すること、③個別√のシナリオ格差、④ライターの文章が読みづらい。
②→共通√の後半、舞亜との決別を終えた後、6章は有栖の願望を暗に示したり咲√を成立させるうえで重要だが、7章の女体化はファンディスクとかでやるような内容じゃない…?と思ってしまった。クリスマス・大晦日の後から全部個別√で良かったなと。女体化は要らん派だが手を出さないヘタレを制裁する淫夢は良かったので、あそこからハーレム√に繋げてもそれはそれで面白かったと思う。まあ有栖√もハーレムみたいなものだが
③→シナリオ格差については、有栖と咲以外の√のシナリオがしょぼくキャラゲー寄りになってしまっていた(部長√と平坂√は長い割に中身スカスカ、逆に舞亜√は短すぎる)。部長と平坂の√をもう少し軽量にするかひたすらイチャラブシナリオに特化して、過去の記憶を明かしていく関係でボリューム重い咲√の話を一部舞亜√に分担させればバランス取れて良かったと思う。
④→文章の読みづらさについては他の人のレビュー見てもちらほら散見されたので決して私の主観ではない・・・はず。
Sっ気強いヒロインに罵られたり蔑まれたりしたい人には間違いなく推せる一作。

ハピメア −Fragmentation Dream−

リリース:2014年 プレイ期間:4/11-14  (17時間程度) 
面白さ: 3 / 10
前作が終わったので続編も。前作が割と綺麗に完結したのにそれを再開させる形にしたので、3股屑野郎のような扱いからスタート。前作では日常描写や交流の少なかった有子の色んなシーンが見られるのがいい。
色々な夢を観測し歪な夢を終わらせハーレムに終止符を打つのが目的なのだが、最後に結局そこら辺は全てぶん投げて「お前たちが俺の翼だ!」エンドをかましやがったのが最悪だった。綺麗に伏線回収できないなら、前作の個別√から地続きで平行独立な世界線のアフターストーリーをヒロイン数分用意するだけで良かったのでは。これハーレム展開に持ち込んだ意味あった・・・?
あと、現世の人間でない舞亜に長年囚われ続け、咲を妹という歪な関係で縛り付けてきたのが、前作で苦労の末トラウマを断ち切り(あるいは受け入れ?)やっと解放されたのに、再び現世の存在でない者(有栖)に囚われ続ける展開も気に入らなかった。透は結局何も成長してなかったの?と思えてしまう。あるいはそこまで燃えるような恋なら命を捨てて夢に囚われる覚悟を決め有栖と添い遂げる、ぐらいの終わり方ならまだアリだったかもしれない。
TrueENDがイマイチ納得できない終わり方だったこともあって、有子ENDはとてもよかった。有栖√の続きとしてならこの結末が一番美しくすっきりしていると思う。透がそんなに諦め良くて物分かりもいいわけないとか、夢で抱かれた前作ヒロイン達の貪欲が下がらないままとか不整合はあるにせよ。
あと、大筋のシナリオや結末はお粗末だったけれども、途中で見ることになる多数のショートストーリーに関しては、前作を楽しめた人ならファンディスク感覚で楽しめると思う。




2023/04/14
【現在プレイ中のゲーム】
フローラル・フローラブ
金色ラブリッチェ
DRACU-RIOT!

【未消化リスト】
ヘンタイ・プリズン
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向日葵の教会と長い夏休み
D.C.II P.C. 〜ダ・カーポII〜 プラスコミュニケーション
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