銃を振りかざしてるひと
駅までの道、
前から歩いてくるサラリーマンの右手に、
黒くて大きなものが握られていた。
「銃だ!」
と思う時には私にぐんと近づいて、
「あ、スマホか」
と思う時には私をすり抜けていった。
昨日レオンを観たせいだとしても、
本当にびっくりしたし、
久しぶりに違う角度からの街が見えた。
電柱の貼り紙がお札に見えるんです
そういえば就活のとき、「今ハマっているもの」みたいなテーマでプレゼンをすることになった。
マネージャー2人とグループ5人の前で、「新築3,000万円!みたいな不動産の貼り紙された電柱が、お札を貼られて動けなくなっている人に見えるんです」という話をした。
これをマネージャーは面白がってくれたし、グループのみんなも笑顔で聞いてくれた。そしてその会社からは内定もいただいた。
自分の見える景色を、そのままの感性を、受け入れてくれたあの空気。私はきっと忘れない。
なんてことを思い出した。
サラリーマンのスマホひとつで。
生きる。 解釈が交わる世界で、手を取り合いましょう。