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やれたかも委員会4巻の紙書籍は発売しません。

こんにちは。
やれたかも委員会という漫画を描いている吉田です。
ツイッターでも書いたのですが、やれたかも委員会の紙書籍の発売はなくなりました。

4巻以降は電子書籍のみでの発売となります。
「やれたかも委員会4巻紙で出ないのかなー。」と検索する人のために正式にnoteにもお知らせを残しておこうと思います。


まずはじめに紙書籍で集めていたという読者の方々に深くお詫び申し上げます。
私も結構漫画を読む方なので、本棚に差して巻数を揃えていく独特の喜びはわかります。
発売中止は私の力不足です。申し訳ありませんでした。


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なぜ発売できなくなったかというと単純な話で3巻まで発売して売れなかったからです。
テレビドラマ化のおかげで1巻は2度ほど増刷がかかり、3冊で7万部ぐらいは発行されたと思いますが、そこまで実売にはつながらなかったようです。
実を言うと2019年に3巻を発売した時点で担当の編集者からは「4巻までは出すと思いますがその先はわかりません。」というようなことを言われていました。
その当時は「3巻こそ売れる」と思っていたので、「むかつくなー。3巻が売れてから出させてくれって言われても断るからな。」などと生意気なことを考えていたわけですが、ともあれ売れてないということは認識していたので、個人的には心の片隅では常にいつか紙書籍が出なくなるということは覚悟していました。
つまり4巻発売中止のキッカケはコロナウィルスでしたが、売上成績的に遅かれ早かれなくなる運命ではあったということです。


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あとがきや色んなところで書いていますが、僕は電子書籍を自分で管理して、紙書籍だけ双葉社に出してもらっていました。
これは僕の強い要望を双葉社さんに受け入れてもらう形で契約が締結されました。
これまで紆余曲折ありまして(紆余曲折)、今回は電子書籍は僕の商品。紙書籍は双葉社の商品。という風に実験的にキッパリ分けてみたかったのです。
なので双葉社さんは紙書籍のみで儲けを出す必要がありました。
そして今回一つの結果として儲けが見込めなかったということになります。
今回の出版契約は僕からの提案なので、つまり紙書籍が出なかったのは僕の契約書のせいでもあるわけです。それについてはすみません。
改めてお詫び申し上げます。


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しかし、仮に双葉社に電子の権利を預けていたら、本も順調に最後まで出たかというと、あまりそんな風には思えません。
この作品がここまで広がったのは明らかに電子書籍の独自の展開のおかげだからです。
書籍化、テレビドラマ化、有名人との対談、インタビューの拡散、色々ありましたが、一番体感的に読者が増えたと感じたのは電子書籍のセールでした。
ガストでネームしてたら隣の席で「やれたかも委員会って知ってる?」という会話に遭遇したのもセールの時でした。
なのでもし双葉社と普通の出版契約を結んで、電子も紙と同じ価格で出していたら、売れない上にそんなに有名にもならず、ただのカルト本として3巻ぐらいで打ち切られて終わっていたのではないかと想像します。
仮定の話なのでわかりませんが、どっち道難しかったんじゃないかというのが、僕の所感です。


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しかしながら「やれたかも委員会」はもうしばらく続けていこうと思います。今のところ6巻までを想定してます。(だんだん伸びてきてるけど。)
色々また企画も1人でせっせと練っております。
最近は結構お金に困ってきましたが、何とか回せて行けそうではあります。
全てが終わった後で、この「電子書籍だけで連載を回していくスタイル」が良かったのか悪かったのかわかると思います。
今のところは正直五分五分という感想です。
(でもこのようにきっぱり分けることで少なくとも責任のなすりつけ合いにはならないので、そういう意味ではやって良かったなとやっぱりちょっと思います。)


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というわけで「やれたかも委員会」は元々電子だけで出していくというコンセプトだったというご説明でした。
紙書籍派の読者さんもその辺りご理解いただき、ご容赦いただけますと幸いです。
ややこしい人間ですみません。
今後は電子書籍のみで活動していきます。
何卒ご贔屓くださいますようお願いいたします。


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2021年12月15日追記。
その後色々考え、双葉社さんと相談して単行本が出せることになりました。
その経緯についてはまたどこかで書こうと思います。


サポートしていただけたら小躍りします。