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コラム 「アメリカナイズということ」 

【むかしむかし発行していたメルマガの記事から】
アメリカナイズ、アメリカかぶれ、いろいろな言い方があるけど、米国は1964生まれの柴犬にとっては、夢の国だった。(=^・^=)

コラム(BGMは郷ひろみの「男の子女の子」をどうぞ)
「アメリカナイズということ」 by 吉田柴犬

 柴犬は社会人一年生の時は、某企業入社後、希望通りに旅行事業部に配属されました。何で旅行業なんか希望したんだろうと、理由が思い出せなくなっていたのですが、つい昨日思い出しました。鎌田敏夫脚本の名作ドラマ「男女7人夏物語」でさんま扮する主人公が、旅行会社に勤めていたからでした、、自分ながらほんとに情けない、、、。(^_^;)

 それはさておき、旅行といえども法人向けの海外視察旅行のセールス部門で、さんまみたいにお気楽じゃないぞ、と思いながら働いていました。プロの添乗員さんとは違って、担当した旅行の添乗で行くことはそんなに多くなかったのですが、在籍3年で20回ぐらいは海外出張をしたものです。
 
 添乗でのエピソードはいくらでもあるのですが、これから何回か、食べる
 ことに関することを思い出して書こうと思います。

 旅行はもう典型的な「非日常」、ハレのイベントですから、いわゆる企業の視察旅行などでも、それなりの演出が必要となります。

 といっても、添乗員は資金をたくさんもっているわけではないですから、できるだけお金をかけないで、旅行を盛り上げるかに苦心をするわけです。たとえば、旅行前に参加者全員の誕生日をチェックしたり、もうすぐ結婚する人などを調べておいて、航空機やレストランで、「誕生日の人がいるんだけど、祝ってやれないだろうか?」と相談すると、たとえば米国なんかだとほとんど無料で、プレゼントや、特別な一品をつけてくれたりします。レストランなんかだと、ちゃんとスタッフが「キュー」を出してくれなんてまで打合せをして、合図すると電気まで消してくれ、スタッフがハッピーバースデーを歌いながら、花火が刺さったアイスクリームを運んできてくれて、頼んだ方が凄い!と思ってしまいます。そういう大げさなアメリカチックな演出でも、そういうときは、誰でも素直に感動してくれるものです。
 それとは逆にソウルのホテルのレストランで食事したときは、1Fのロビーのケーキショップで派手な色のクリームのケーキを買ってきてもらい、誕生日だから合図したら持ってきてね、と何度も頼んだのに、食事の途中でスタッフが、ところでケーキはいつ持ってくればいいのか?と大声で尋ねられてしまい、隠していたのがすっかりばれて、「ウエイター君、君は何て気が利くの?」と思ったこともありました。(^_^;)

 外国だとそんなことも恥ずかしくないのに、それを日本でやるとなぜか違和感があるんですよね、ほんと。一昨年ぐらいだったと思うけど、関西方面に仕事で出張して、昼食をシズラーというチェーン・レストランでとったことがあります。ここは米国にはたくさんあるいわゆるファミレスで、サラダバーが充実しているのが特徴です。日本ではシズラーに初めて入ったのですが、平日のランチだったので、若い奥様方と小さいガキだらけの店内で、スーツ姿は私と同僚だけでした。ここはすぐよごれたお皿を取り替えてくれてとてもサービスがいいレストランです。柴犬達のとなりは、少し年輩のおばさまがたが8人ぐらい座っていましたが、テーブルの上に、誕生日の方はスタッフにお知らせくださいというカードを見つけて、その中のお一人が今日誕生日なのだ、ということが、スタッフのひとりに伝えられました。するとどこからか、お店のスタッフが10名ぐらいがそのテーブルを取り囲み、誕生日の御婦人のお名前を確認すると、おもむろに手拍子をうちながら、「ハッピバースデー トゥー ユー 、、、」をニコニコしながら歌いはじめました。当の御婦人は真っ赤になって下を向く中、バースデイソングの合唱は終わり、ポラロイドの記念写真撮影が行われ、写真がうやうやしく渡されてセレモニーが終わりました。

 今日が誕生日じゃなくて本当に良かった、(^_^)v と柴犬は思いました。
                               【柴】

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発行日: 99.1.24発行 第33号

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