よしだ

東京の、わりと端っこで夫とふたり暮らし。広く浅くなんでも楽しめます。ただ、ホラーとゾンビはちょっと苦手です。

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東京の、わりと端っこで夫とふたり暮らし。広く浅くなんでも楽しめます。ただ、ホラーとゾンビはちょっと苦手です。

最近の記事

「ヒコロヒーさんの小説がとても良い」と誰かがどこかで言っていたので

どこかで誰かが「ヒコロヒーさんの小説がとても良い」と言っていた。 どこで誰が言っていたのか思い出せないけど、その言葉は私の頭の隅に残っていて、ある日本屋でヒコロヒーさんの「黙って喋って」を見たときに、「あ、そうだ、読んでみたかったんだ」と手にとった。 読み始めてすぐ、「うわぁ」と思った。「うわぁ、おもしろい」「なんか文章、すごくうまいなぁ」と唸った。 今までにあまり読んだ経験のない、印象的な文体だった。主人公の心情ひとつひとつを丁寧に掬い取り、言葉を紡ぐ。そのために、一文が

    • 映画「52ヘルツのクジラたち」

      原作の本を読んだらとても良かったので、映画も観に行きました。 小説と違う設定がいくつかあったり、小説を読んでないと状況を把握しきれないんじゃないかなと感じるところがあったりしたけれど、 「原作の世界観」を大切にしようとしていることは伝わる映画でした。 だから、良い映画だったなと思います。 1冊の本を2時間の映画にする、別の人間が制作する、 それを重々理解しつつも、原作(本)の世界をどのように映像化してくれるのだろうと、やはり期待して観てしまっているので。 原作の芯がちゃん

      • 52ヘルツのクジラたち/町田そのこ

        「2021年 本屋大賞第1位」の帯が目につき、手にとった。しばらく本棚に積んだままにしていたが、この春に映画化されることを知り、読み始める。 重いテーマを扱っているが、文章に温かさとやさしさがずっと漂っていて安心感がある。向き合うのが辛い内容にも目を背けず読み進められたのは、そのお陰なのか。 主人公を好いて支えようとしてくれている人たちの存在に勇気づけられる。海を近くに感じさせる描写も心地良い。終盤は少し泣いた。 読み終わったあとは「あれ、ちょっと元気になってる…?かも」