これぞプロ歌手の声

もうずいぶん前のことです。
ベテランのジャズシンガーが経営するライブハウスに行きました。私が座ってる横をそのシンガーが通ったのですが、その時小さく鼻歌を歌っていたんです。

その歌声に驚きました。

カッコいいんですよ。

本当に小さな声なのに密度が高いというか、しっかり真っ直ぐ届くんですね。横をスッスと歩きながらの鼻歌なのに。私の方を向いてさえいないのに。

あ!これがプロの声か。

ガーン!でした。ほんま、なんてカッコいい!

その時以来、彼女の鼻歌の声が私の中でプロ歌手の基準みたいになっています。

通りすがりの鼻歌の密度と音圧。

幻の基準です。

あれ以来、私が座ってる横をシンガーが歩きながら鼻歌を歌うという状況には、出会うことがありませんから。

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