社内コミュニケーションの取り方
コンサルでは社内外を問わず、他プロジェクトメンバーやクライアントとコミュニケーションを頻度を高くとりながらプロジェクトを推進していくことが求められる。
その際、社外コミュニケーションにおいては、目的をクリアにした上で成果物としてのスライドを準備して進めることが多く、関連する書籍なども多く存在する。
一方、社内コミュニケーションはより頻繁に求められる一方で明示的に意識して語られることが少ないため、差がつきやすい部分なのではないかと感じている。
そこで今回は自分にとっての備忘も兼ね、社内コミュニケーションをとる際に留意すべき点について記載しようと思う。
①会議の冒頭で目的を明らかにする
インターナル会議の際にも冒頭で会議の目的を宣言することで、今後展開される会話について意識合わせをすることは重要となる。会議の目的は、大きく上司からインプットを得ること、上司にfinidings / insightsを共有することの二つが存在し、それぞれに応じて留意すべき点が存在する。
上司からのインプットの種類には、以下のようなものが存在する。
設定したサブ論点・それに対する仮説の粒度
仮説を証明しに行く際のアプローチの方法・実現性
スライドの構造・デザイン
文章の書きぶりについて
その際、インプットを貰う際にステータスを明らかにしてコミュニケーションすることは必要となってくる。
具体的には、方向性はクリアでドラフトもあるので違和感あれば聞きたいのか、又は大枠しかできていないので詳細についてアドバイスが欲しいのか、全く見当がつかないのでアドバイスが欲しいのか、などである。特にインプットが必要が無いと考えられる場合には、方向性とスケジュール感のみ示すのみで十分な場合もある。
また、finidings / insightを共有する際にも、そのfinidngs / insightの信頼度がどの程度のものなのかを明らかにした上で説明することが必要となってくる。その際、以下のような項目を添えて説明することで、信頼度について認識のズレが少なくコミュニケーションすることが可能となる。
client readyな状態
100%のquality checkは出来ていないが、凡その傾向は把握できている状態
分析のための材料は集まっているが、分析/解釈自体は不十分な状態
分析のためのデータが集まっていない / (同僚がデータ収集を実施していたが故に)確認ができていない状態
②自分の意見/ファクトを基に仮説を検証・進化させる
コンサルティングのプロジェクトでは、上司が作成した(或いは上司と相談して作成した)仮説ベースのストーリーラインを基に、それをサポートする(或いは反証する)ファクトを集めることがジュニアメンバーの主な仕事となる。その際、このようなファクトを探してほしいという依頼のされ方をすることが多い。首尾よく求めるファクトが見つかる場合はよいが、往々にしてa)見つからなかったり、b)それを反証するようなファクトが出てくることが多い。または、c)上手く加工・解釈すれば、ストーリーに追加する価値のある要素が見つかることもある。ここでは、それぞれの場合における対処法について示したい。
a)データが見つからない場合:多くの場合、上司はデータが存在すると思い依頼してきている。そのため、ただデータがありませんでした、といっても基本的に納得してくれない。なので、上司への報告の際には以下のような要素を(やや過剰なぐらいに)示し、早めに報告する必要がある。
データソース
ソースを検索する際に用いた単語群
何ページ目ぐらい迄見たか
その場合は、代替するファクトがないかを睨みながらストーリーを修正することが必要になる。
b)反証するファクトが出てきた場合:データが見つからない場合と同様、これもすんなりとは受け入れられないことが多い。そのため、以下のような対応が必要となると考える。
探すよう指示されたファクトではないが、主張をサポートするような同様の事例を見つける
反証するファクトを(可能であれば複数)見つけ、それについての解釈から何が言えるかについて述べる
c)加工すればストーリーに追加する価値のあるファクトが出てきた場合:Fact findingsの過程で、当初想定していたストーリーの本筋にはないもののクライアントに伝える価値のあるファクトが見つかることがある。その場合は、上司と相談しながらメッセージ・サブメッセージをfine tuneしていくことが必要になる。
③コミュニケーションの終わりに、ネクストステップを明らかにするa)目的・成果物とそれを提供するためのb)方法、c)目安の時間・期限を合意するべきである。これがないと次回のタッチポイントでのコミュニケーションで正しくcadenceを回すことができなくなる恐れがある。
④ワークプランに変更が必要な場合、メッセージへの影響を考えた上で上司と変更方針を握りに行く
③で合意したa)b)c)それぞれの項目について、作業を進める中で当初合意したスケジュールで進めることが難しいことが判明することがある。その際は、必ず上司と対応策とネクストステップについて再度合意することが必要となる。
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