ヴェトナムの壇蜜似の彼女 7
ポーカーテーブルが3台。
だいぶ賑わっている。
ヴェトナムでポーカーが人気があるとは思わなかった。
全世界で人気のテキサスホールデムポーカー。
ヴェトナムの裏カジノで打つとは思わなかった。
とりあえず1番下のレートで弟と席に着く。
トィは俺の後ろに座る。
パイプ椅子を用意してもらう。
10円ー20円。
最初のお買い上げで2000円分のチップ。
日本でなら子供の賭ける遊び程度だが、
ここヴェトナムなら日当以上を賭ける感覚だ。
とりあえず様子見。
イカサマをチェックする。
弟は毎回参加している。
それでは負けるはずだ。
これと言ってイカサマの雰囲気はない。
俺はトィに遊び方と簡単な戦略を教える。
彼女はすぐに理解した。
弟は順調に負けていく。
1時間程プレーして席を離れる。
「俺の友達はプロのポーカープレーヤーだ。
だから直接教えてもらって、
上手い人がいなければ勝てるようになった。」
「はい。」
「君はまず参加し過ぎだ。
良いカードが配られるまで参加しない事。」
「はい。」
「参加する時は必ず賭け金を釣り上げる事。
強制参加費の5倍でも良い。
ハッタリばかりの人は賭け金を打たせて、
渋々ついて行くフリをして稼ぐ。
参加したがりには賭け金を釣り上げて、
ついて来させて稼ぐ。」
極々簡単に教えた。
「行って来い!」
弟とトィと3人でポーカーテーブルに着席する。
きちんと教え通りプレーした2人は稼いでいた。
4時間プレーして、
弟が2000円を5000円に。
トィは2000円を8000円にしていた。
2人とも完全に稼ぐ事にハマっていた。
弟は今まで凄いカモだった事を反省して、
もっと教えて欲しいと頭を下げて来た。
そこで俺はネットで検索。
「ひゃっほう掲示板」
ポーカープレーヤーのための日本で1番のサイトだ。
そこに基本的な戦略が網羅されている。
俺はホテルのビジネスコーナーでプリントアウトして、
トィに訳してもらう。
それを元に勉強してもらい、
理解しにくいところだけ教えてあげた。
ヴェトナムのアングラポーカーで、
この戦略レベルなら確実に勝ち組になれる所まで
教えてあげた。
その日から毎日3人でポーカーを打ちに行く。
弟には、たこ焼き屋の仕込みだけはキチンと
やるように約束させた。
トィはカラオケ屋をしばらく休む事にした。
25円ー50円のレートで勝負する。
ここも楽勝だ。
次の日から50円ー100円のレートで勝負。
ここも楽勝だった。
トィは毎日1万円以上稼ぐ。
たいしたもんだ。
弟も平均で五千円位稼ぐ。
俺はイカサマだけは目を光らせるように
きつく指導した。
お店がする場合も有れば、
客同士がグルになる場合も有る。
この店は意外とちゃんとしていた。
メンツを大事にする組織だからと言う事だ。
俺もそれは感じている。
スタッフがキチンとしているし、みんな明るい。
どよーんとした魚の腐った様な目をした奴がいない。
これで俺が帰国しても大丈夫だろう。
帰国の日、俺は大志君と空港で待ち合わせした。
「彼女の家族とはどうだったの?」
「みんな良い人ばかりでした。
日本人大歓迎だそうです!」
それは良かった。
2人でまた来月行こうと約束した。
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