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フィリピンカジノをやっつけろ! 2

「ファイナルメンバーを紹介します!」


ボクシングの世界大会並みに派手な入場行進だ。

ビキニを着たコンパニオンまで用意している。

会場の垂れ幕には、

「チャンピオン6000000ペソ」

と書いてある。

フィリピンはアメリカナイズされている。

「みんなノリノリで楽しんでいるなぁ。」


ここは、フィリピンのマニラ。


「シティオブヘブンカジノ」

そこの2階に作られた特設会場だ。

立派なステージがあり、
コの字型にソファー席がズラーっと並んでいる。


入り口から入ってすぐの所には
ビュッフェスタイルの食事が並ぶ。

ハリウッドスターとコラボしている
レストランの提供だ。


俺達はワクワクしてこのバカラ大会に参加した。


石田さん
砂川さん
矢島さん

この4人だ。


「フィリピンでバカラ大会があるけど参加する?」

海外カジノで稼ぎまくっていた
石田さんから連絡が来た。


「それほど美味しい訳では無いけど、
VIPの参加条件も軽いから、
リハビリには丁度良いと思う。」

石田さんをリーダーとするバカラ大会攻略軍団は、
韓国のチェジュ島で大金を持ち逃げされるという
大事件に巻き込まれた。

それ以来、軍団は解散。

みんな大金をカジノに預ける事に
トラウマが出来てしまった。

俺も個人で韓国のソウルかプサンに旅行がてら、
信頼出来るカジノのバカラ大会に参加する程度。


ちょっと寂しい日々を送っていた。


そんな時にリーダーから連絡をもらって
俺は嬉しくなった。


「10万香港ドルのローリングが条件。

参加人数が多いから優勝するのは大変だけど、
気軽に参加出来るよ。」


久しぶりにチームで闘える。

それだけで十分だ。

「行きます!」


本来なら一度でもVIPとして、
そこのカジノでプレーしなければ参加出来ない。

しかし石田さんが口説いてくれた。

俺が韓国のカジノで優勝した事や、
シンガポールのカジノのVIPという事を
アピールしたらしい。

ここのカジノはマカオやラスベガスにも
系列がある大手。

シンガポールのカジノ情報も持っているらしく、
俺の事を調べたらしい。

特別に参加OKが出た。


再来週の土曜日に大会があるので、
木曜日の夜に羽田からフィリピンに飛ぶ事にした。

フィリピンかぁ。

色んな思い出があるなぁ。

昔、俺の事を好きでたまらなかった
マリアって子がいたな。

元気でやってるかなぁ。

ルーレットで小遣いを稼いでた時もあるなぁ。


久しぶりのフィリピン。


楽しもう。


そしてバカラ大会当日、

俺達は全員予選で敗退した。


4人では200人もの参加者に埋もれてしまった。

でも久しぶりにこのチームで戦えて、
あの頃を思い出せて楽しかった。


また来たい!

俺達のモチベーションは完全に復活した。

金額の問題では無い。

チームで一丸となって優勝を目指す。

俺がダメでもあいつに託す。

それが面白いんだ!





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