うまトマハンバーグは本当にうまいのか

それを確かめるために、僕は松屋に向かった。
 とあるYoutubeチャンネルでうまトマハンバーグというものを知ってから、うまトマハンバーグの美味しさに少なからず疑念を持っていた。
正直、うまトマハンバーグの美味しさって松屋の努力じゃなくてトマトハンバーグが美味いだけなんじゃね?と。例えば、スシローの寿司は美味しいけど、それってスシローだからじゃなくて寿司だからだよね?別に自分で寿司握っても寿司はうまいよね?って話。うまトマハンバーグを評価する人間はもれなく松屋以外のトマトハンバーグを食ったことないだけじゃないかと疑っていた。
 それでも、食べてみないことには真実はわからない。ということで、本日うまトマハンバーグを喫食した。結論から言うと、100点満点中50点。(個人の感想です。)
 まず、うまトマハンバーグが提供された瞬間、ニンニクの匂いが強いな、と思った。ニンニクに関しては入れれば入れるだけ美味しいという人もいるから、個人的にはニンニクが強いのは好きじゃないが大衆向けに提供されている以上はある程度は許容せざるを得ない。ただ、苦手な人は注意。あと、ニンニクは毎年リニューアルのたびに強くなってるとかなってないとか。
 そして一口目の印象としては、めちゃくちゃしょっぱいと思った。塩分が多いわけじゃないんだろうけど、たぶんうまみが強すぎるんだと思う。ご飯が進むともいえるけど、それにしても流石に味が濃すぎるかな?と感じた。幸い、半熟卵がついているので卵を割って一緒に食べることでかなり食べやすくなるが、あくまで卵は味変であって、卵がなくても問題なく食べられることが前提である。
 そもそも、トマトハンバーグの魅力とはトマトにあるべきだ。トマトという食材は、甘み、酸味、うま味(グルタミン酸)に優れた優秀な食材であり、そこに調味料による塩味を加え、さらに肉や魚のうま味(イノシン酸)の相乗効果によって非常にバランスの取れた美味しい料理になる。トマトハンバーグは、計算された美味しさを持っているし、それ故に適切な分量で作るだけで人気商品になるだろう。
 ただ、松屋のトマトハンバーグはトマトが弱い。トマトの酸味や甘みはあまり感じられず、うま味もバランスが取れているとは感じられなかった。(※うま味の相乗効果はグルタミン酸とイノシン酸が1:1で最も効果が高いとされる。)また、やはりニンニクが強く、風味を損なっているのではないかと思った。
 うまトマハンバーグを食べる前は、どうせ普通のトマトハンバーグ(※トマトハンバーグという料理が美味しいので、普通のトマトハンバーグはめちゃくちゃうまい)だろうと思っていたが、期待を大幅に下回る結果だった。一応評価できる点があるとすれば、トマト感が弱いので、トマトが苦手な人でも食べられるらしい。僕には一切想像つかないことだが、世の中にはトマトが苦手な人間がいるらしい。そして一番大事なことだが、僕がどれだけうまトマハンバーグを美味しくないと思っていたとしても、うまトマハンバーグで感情を取り戻すくらい美味しいと思う人もいるし、もしかしたらあなたもうまトマハンバーグを同じくらい美味しいと思うのかもしれない。結局、食べなきゃわからないのである。人生少しくらい美味しくないものを食べたとしても、その経験は面白いものになる。

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