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効果的なほめ方

「効果的なほめ方の要素には、①見たままの様子や事実を具体的な言葉で伝える②努力や結果に至るまでのプロセスを認める③質問をするがある」

 より効果的なほめ方について、3つのポイントを紹介します。
 第一に「おざなりほめ」をする代わりに、具体的な言葉で対話するように心がけることです。例えば、子どもが何かを見せにきたり、伝えにきたりしたとき、「すごい」「偉い」と言うのではなく、「明るい色を組み合わせて華やかな雰囲気が出ているね」「昨日よりも逆上がりの時に足が上がっていたよ」などと、見たままの様子や事実を具体的な言葉で伝えます。「おざなりほめ」が情報不足で何がよかったのか伝わりにくいのに対し、具体的な言葉で伝えると、子どもにとっては自分の長所が理解できる上に、大人が向き合ってくれていることが感じられて嬉しいものです。
 第二に「人中心ほめ」を避け、「プロセスほめ」をすることです。つまり、「頭が良い」「優しい」と子どもの能力や性格だけを賞賛するのではなく「あきらめないで最後まで走り切ったね」「練習を頑張っていたのを見ていたよ」という風に、努力や結果に至るまでのプロセスを認めるのです。「プロセスほめ」の良い点は、「今できなくても、いずれできるようになるかもしれない」と思えるような「グロースマインドセット」とよばれる柔軟な姿勢が育つことです。自分の限界を自ら設定してしまう「フィックストマインドセット」と異なり、このマインドセットを持つ人は「経験や努力で自分の基本的資質は変えることができる」と考えているため、あきらめずに練習を重ねます。結果よりも過程を重視し、「失敗は成長のチャンス」と捉えることができるため、チャレンジ精神が高いという特徴もあります。
 第三に、質問することです。その際は「楽しかった?」のような単に「Yes」「No」で終わる質問ではなく、「今日お友達といて一番楽しかったことはなんだった?」というように、自由回答式の質問をするのがお勧めです。質問をする大人にとっても質問をされた子どもにとっても、考えるきっかけになります。また、質問をされると、相手が自分に興味を持っていることを実感しやすいため、喜びや信頼の気持ちも生まれ、会話も広がります。ほめるという行為は、結局のところ大人が一方的に評価を与えることに過ぎません。子どもたちの考えを引き出すこともそうですが、純粋に目の前の子どもに興味を持って、どう思ったかを聞いてみることで、双方のコミュニケーションにつながります。

「自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方」
島村華子 「教育新聞」 2021.6.7

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