那智勝浦町昔懐かし話 第35話

 第35話『仮面ライダースナック』
 
はい、第35話でございます。実はこの話は前々から書くべきかどうか迷っておりました。勝浦だけの懐かし話やないからです。他の話書きながら、さて次に書くかなと思っても全国的な懐かし話ということで書けずにおりましたが、やはり勝浦の子供たちも、とりつかれたということで思いきって書きます。でわでわ始まり、始まり。
 
「やった~、ラッキーカードや。アルバムもらえるぞ。見したろか~。」ナカシャがユミネの前で叫んだ。ユミネというのは、勝浦小学校の近くの駄菓子屋である。僕ら仲の町3バカトリオをはじめ旧勝浦の子供たちのたまり場で、愛車(車ちゃうで~、自転車でっせ)のライダー号にまたがりやってきたのだった。「うそ~、もんごいげ~。タコちゃん、ナカシャ、ラッキーカード当てたぞ。どえらいげ~。」と僕。(現物目の前にして確かに嘘やないのに人はなぜはじめにうそ~、っていうんやろ不思議やなぁ~)。仮面ライダースナック。カルビーが1971年つまり僕たちが小学2年生の時から販売した カード付きのお菓子である。今のお菓子詰め合わせに入っているちょっとミニサイズの袋にピンク色の星形の甘いスナック菓子が入っていて、その1袋に1枚当時爆発的な人気があった仮面ライダーの怪人たちの写真が写っているカードがもらえる。もらえると書いたのは、実はこのカードスナックの袋の中に入っているのではなく、店の人が一袋に1枚くれるのである。この仮面ライダースナック1袋20円でこのライダーカードは何百種類もありこのカード集めるのが僕らの心を射止めたのである。僕らは完全にノックアウトされたのである。毎日ありったけの小遣いもってライダー号にまたがりユミネへ向かう日々がつづくのである。このカードのすごいとこは、今思うと表に怪人の写真、裏に通し番号と怪人の解説が書いている。つまりこのカードをたくさん集めると仮面ライダーに登場する怪人の図鑑が完成するのである。またまたこのカードのすごいとこは、同じ番号でも微妙に図柄が違うプレミアカードがあったことである。このカードの中には、かなり低い確率で、ラッキーカードと書かれたカードが入っておりそのカードをカルビーの工場に送るとカードが200枚位入るアルバムがもらえる。しかし実はラッキーカードと交換になるのでラッキーカードはもどってこない。だから現在このラッキーカードはヤクオフとかでかなりのプレミアとなっている。その後ラッキーカードが戻ってこないことに苦情が多発しカルビー側は印を押して返却するようになったそうだ。また、僕はおいしくて好きだったのだが、このスナック、カードほしさで店の前ではスナックだけが大量に捨てられているという社会問題となって店側は回収箱を置いたりした。ところでナカシャのラッキーカード仮面ライダー1号が富士山をバックにして変身ポーズをしているカードだったのたが、実はこのラッキーカード、僕ら勝浦の小学生の中で都市前説があった。ある時タコちゃんがそれを他の友達から聞いてきて僕らにこういった。「仮面ライダーカードのラッキーカードやけど幻のラッキーカードってあるんやって」僕らは「うそ~、どんなんなん、早よ教えてよ」
「ええか、よう聞けよ。幻のラッキーカード言うのはな、本郷猛がトイレ入って便器にまたがってう○こしやるとこやって」僕ら全員「そんな、アホな~」その後、僕らの中で
幻のラッキーカードを当てたものは、いない。  第35話 終わり

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