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那智勝浦町昔懐かし話 第62話


             第62話『学生帽子と学生カバン』
 
はい、中々ののハイペースでの更新であります。今回はこの前休みの日に母校の中学校の前をちょうど通学時間に通ったときに感じたことを題材に書きたいと思います。那智勝浦町昔懐かし話だが、もしかして全国区の話になるかも知れません。あしからず。今回も前回に続きタケちゃんの中学校の時の話もありますぞ。でわでわ62話であります。
 
小学6年生の正月が過ぎた頃、「タケちゃん、もうすぐ中学校やさかい、今度N洋服店へ学生服見に行くかん。」お母ちゃんが、僕に聞いた。「うん、今度の土曜日に見にいこよ」と僕。「よっしゃ、300万おろしとくわ」とお母ちゃん。ほんまおもろい母である。その日曜日僕らは仲の町のN洋服店に出向いた。「あれ、タケちゃん、もう中学かん、早いね。ついこの前まで鼻垂らしてそこら中走り回りやったのに、早いねえ。」と店のおばさん。「おばさん、おおきによ。でも一言おおいで」「えっ、そうかん、いつも一言多い美人のおばちゃんって有名やで~」とおばちゃん。「そんなことどうでもええさか、たけひろの学生服見せてよ。」とお母ちゃん。「すまんの~、これどうや、かっこええで~。タケちゃん似合うとおもうで」その頃の僕は、今と違いやせていて格好良かったのである。
(えっ、今も格好ええて。ありがとう、照れるがな。)そんなこんなで僕は非常に普通の学生服とズボン、そして学生帽のセットを買った。裾直しをしてもらうため預けた。いくら負けるとのお母ちゃんとおばちゃんのバトルがありお母ちゃんが勝った。「タケちゃん、お祝いやさかいこの学生カバンもつけたるわ」「おばちゃん、おおきに、今日はおばちゃん美人やね」と僕。「今日はってなに、いつもやで~」おばちゃん、「はい、はいタケちゃん帰るで」とお母ちゃん。やっぱり家のお母ちゃん普通と違うわ。そして僕はその学生服を着て、那智中学に入学。何人かの新しい友達も出来た。そして中学3年生になった
ある日のことである。中3ともなるとかなり格好付けたくなる年頃である。「なあ、イサオ君、そのズボンもものとこ普通のより太ない」と僕はイサオ君に聞いた。イサオ君は、前にも書いたが中一の時から友達で那智山から通っている。エレキも持っていた。このイサオ君今は某楽団でサックス吹いてます。昔から音楽の才能は抜群でした。顔はガリバーやけど。「これ、知らんの、ツータックいうてこのベルト通すとこの下2段階に折り込んだあてニッカボッカみたいにモモのとこ太なったあるんや、格好ええやろ、ナカシャもこれやで」「ほんまかん、かっこええやん、ナカシャもそうかん、俺も買おう」と僕。イサオ君がツータック履いていたのも驚いたが、それよりあの3バカトリオのナカシャが履いていることが腹たった。負けられんと思った。その日の帰り道、ナカシャに聞いた。「ナカシャ、ツータックはいたあるん、どこでこうたん」「あっ、これN洋服店で売りやるで、それからこれも」とナカシャは上着の裏を見せた。そこには龍の刺繍が入っていた。「何やそれ、格好ええやん。」「タケちゃん、格好ええやろ、あんまり派手な刺繍はあかんやろうけど、これくらい何気なく入っているやつやったら大丈夫やで、これもN洋服店やで」「ほんまかん、あのおばさんとここんなんも置くようになったんや、今度こうてもらおう。」
 
 
そして、家に帰り次第「なあ、お母ちゃん、ツータックっていう学生ズボンあるんやけどこうてくれん。お尻のとこきつなってきたんや。ナカシャもイサオ君もツータックなんやで」家のお母ちゃんは、ナカシャのことは僕と同じくアホやとおもてるけど、たまに遊びに来るイサオ君は、ええとこのボンボンや思ててかなり気にいってたのである。その彼がツータックなんで、「そうやね、、今のズボンも古なってきたさかいこうたるわ」とお母ちゃん。その次の土曜日また初めに書いたようなアホみたいなお母ちゃんとおばちゃんのやりとりがあり僕はツータックのズボンを履いていくようになつたのである。しかし、3年生になっても上着の裏に刺繍を入れる勇気はなく、そして学生カバンも3年間使った。新宮高校に入ってから学生服の裏に少し刺繍の入ったやつも着たりした。ズボンは相変わらずツータック、これが楽なんである。カバンはさすがに、その頃流行っていたアディダスのスポーツバック(ギョウザみたいな形をしていた) をつかっていた。学生帽も新宮高校の物をかぶっていた。今回なぜこのような話を書いたかというと、今の中学生は、学生服はもちろん着ているのだが、学生帽というものがないらしい。家の娘が中学生なので聞いてみたが「そんなのないよ」とのこと。そしてもちろん学生カバンもなく、今はリュックサックみたいなので通っている。僕らの時は当たり前だった、学生帽と学生カバンいつから無くなったんだろう。県内の中学校でも残っている所あるのだろうか。なんかさみしいなぁ~。これも時代の流れか。学生時代の良き思い出である。
 
       第62話 終わり
 
 

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