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『キラリスト・ジュエリスト』のサビのあの振りについて

先日から、『キラリスト・ジュエリスト』のサビのあの振りが脳裏に焼き付いて離れません


『キラリスト・ジュエリスト』とは、林鼓子、森嶋優花、厚木那奈美の3名により構成される声優ユニット「Run Girls, Run!」(通称:ランガ・ランガちゃん)の楽曲です。TVアニメ『キラッとプリ☆チャン』の第5オープニング主題歌であり、楽曲『Share the light』のカップリングとして2019年11月27日に発売されました。

サビのあの振りとは、主にサビの終わりの「♪ダイヤモンド・ジュエリスト~」で披露される、膝を動かしながら横にスライドしていく振りのことです。


これ。超絶かわいい。


Run Girls, Run! 4th Anniversary LIVE Run 4 You!!! 昼の部 ダイジェスト映像(Run Girls, Run!公式チャンネルより)1分52秒~
はああ現地で観たかった…


実は、2021年11月27日の仙台公演にてランガちゃんのライブを現地で初めて観て以来、私はこの振りが脳裏に焼き付いて離れず、ずっと頭の中で『キラリスト・ジュエリスト』が鳴り響いています。このままでは、『キラリスト・ジュエリスト』に私自身が飲み込まれ、楽曲そのものという存在になり、概念として生きていくことになってしまいます(?)。

そこで、今回この振りについて、少し整理してみることで、なんとか自我を保つよう努めていきたいと思います。

(なお、私はダンスなんてやったことのない全くのド素人ですので、念のため申し伝えておきます。読んでいただける方は少ないとは思いますが、話し半分にお願いできればと思います。)



①逆ひねり

この振りの最大の特徴はこれです。

この振りを行うためには、上図のとおり、下半身(腰から下)の向く方向に対して、上半身を逆方向に向ける必要があります。

これは、スキー用語で「逆ひねり」といいます。スキーにおいて逆ひねりは、小回り、特に不整地小回り(いわゆるコブ斜面)の滑走において重要な技術となります。上半身をフォールライン(進行方向;斜面の谷側(下側))に常に正対して向け続けることで、ターンの前半においてスキー板がフォールラインに対して横向きになったときに、スキー板にズレが生じ、正しくコントロールすることができます。逆に、スキー板に対して上半身が同じ方向を向いてしまうと、コントロールがきかなくなり、いわゆる暴走状態になってしまいます。
(ただし、近年では、過度な逆ひねりは滑走性を阻害するため、必ずしも必要でないとする説も有力なようです。)

なにがいいたいのかよくわからなくなってしまいましたが、とにかく、このかわいい振りは、身体運動として非常に合理的なものであるといえます。なお、いうまでもなく、体幹が安定していないとこの動作はうまくできません。


②ジャンプ

この振りでは、横スライド後に、膝を曲げて、ぴょんとジャンプします。
簡単そうにやっていますが、実際自分でやってみると、タイミングが非常に難しく感じました。彼女たちの天性のリズム感と楽曲パフォーマンスに対する過分なる努力によりそれが可能となっているのでしょう。

また、ジャンプした後、またすぐに次の動きに移らないと1テンポ遅れてしまいます。これがまた非常に難しい。スキーのバリエーショントレーニング(正しいフォームを身に付けるためのトレーニング方法)のひとつに、テールジャンプというものがあります。これはターンの切り替え時に両板のテール(後ろ側)を浮かせる動作をしてから次のターンに入るというもので、ポジショニングが正しくないとこの動作はできません。彼女たちも、最高のパフォーマンスのために、常に正しい身体ポジションをキープしているのでしょう。

ちなみに私は、この振りを2往復しただけで息が切れて、次の日軽く膝が痛くなってしまいました。一方彼女たちは、歌いながら、それも少し厚底の靴を履いて、楽しそうに長時間パフォーマンスをしています。体力づくりといった鍛錬や、ステージ経験の蓄積ももちろんあると思いますが、正しい身体ポジションをキープして動いているからこそ、長時間の高次元なパフォーマンスが可能になっているのかもしれません。


③目線

このような動作をしていると、どうしても下を向いて自分の動きを確認したくなってしまいます。しかし、下を向いて確認すると、姿勢が悪くなり、かえって動きが硬くなってしまい、スムーズな動きができなくなってしまうように思います。なにより、パフォーマンス上の見栄えがよくありません。スキーにおいても、どうしても下を向いて滑ることが癖になりがちですが、そうではなく、目線をあげて、常に前方方向をみることで、姿勢もよくなり、アグレッシブな動きが可能になり、結果的に安定性も増し、魅力的な迫力のある滑りにつながります。不整地小回りにおいても、どうしても真下を見たくなってしまいますが、目線を上げて6~7個先のコブを見て滑るといい感じになります。

この点、彼女たちにとって、常にお客様の方向を向いてパフォーマンスをするというのは、体に染みついている当然のことであって、とりわけ気を付けていることではないのかもしれません。彼女たちのプロ意識に脱帽です。


④笑顔

なによりこれが一番大事です。輝いているよランガちゃん…



年の瀬になにを書いているんだという感じですが、書き出したことで少しだけこの振りのことが理解できたような気がします。もっとたくさんライブ映像が観たいところですが、先日の東京公演の配信映像はアーカイブ期間が終わってしまったので、BD発売が待ち遠しいですね。



ところで、『キラリスト・ジュエリスト』のサビの「♪一粒の涙もある~」の目に指をあててステップする振りが脳裏から離れません…



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