『よりどりみなみ。』について

声優・田中美海さんのデジタルフォトブック『よりどりみなみ。』の配信が、2021年5月28日より、電子書籍ストア「ブックライブ」にて開始されています。本作品では、鎌倉を撮影地として、「赤・緑・青」そして「白」の4色の衣装に身を包んだ田中美海さんの姿を楽しむことができます。また、特典動画として、本人と親交の深い声優・上田麗奈さんのナレーションで、撮影時のメイキング映像を楽しむことができます。

『よりどりみなみ。』 

https://booklive.jp/product/index/title_id/20032345/vol_no/001

以下、本作品の感想などを簡単に綴らせていただきます(あくまで私個人としての感想です)。なお、掲載されている写真やインタビュー内容などについて記述しますので、不都合な方はお戻り願います。











さて、発売日当日の夜、仕事が終わった金曜の夜という解放感から、私は多量に飲酒しており、朦朧とした意識で本作品を初めて拝読しました。なんとなく、写真集を開くということに気恥ずかしさがあり、お酒の勢いでみてしまおうとしていたのかもしれません。

すると、まず「緑」のセクションが、印象としてすっと入ってきました。後述しますが、「緑」は最も日常に近い衣装やカットで構成されており、親しみを持ちやすく感じられ、酩酊状態でもしっかり認識して味合うことができたのだと思います。まるで一緒に鎌倉に来ているようなカットに、「はぁぁ、みにゃああああ…」となっておりました。

そして、他の衣装のセクションについては、今の状態では受け止めきれないと判断し、じっくりみることをやめて特典動画の視聴に切り替えました。その後、上田麗奈さんの心地よいナレーションの声を聞きながら、気づいたら寝落ちしておりました。


そのまま2日寝かしてしまい、「よし、向き合うぞ!」と覚悟を決め、(素面で)冷静に1ページ目からみていきました。

まず「赤」です。本作品の中では最も衣装らしい衣装で、堂々と表紙を飾っています。美しい和服ですが、帽子や履物、華やかな着物の柄から、和洋折衷の「ハイカラ」さを想起させます。大正時代、自由主義的な価値観が広まりをみせる中、「新しい女」として女性の個性が解放され、その後「職業婦人」「モダンガール」という人たちが登場していきました。時代が下り、現代において、さらに価値観の多様化が進展している折、まさに自身の個性を生かして邁進する田中美海さんにとって、ぴったりな衣装といえるでしょう。P12-13の遠くを見つめる表情は、儚さとともに内に秘める芯の強さも感じられ、とても良いカットですね。真っ赤な爪もきれい。

次に「緑」です。本作品の中では最もカジュアルで、日常に近い、自然体な衣装やカットで構成されたセクションのように思います。快活そうに見受けられ、とてもかわいらしい。一緒に江ノ電に乗り込み、ぶらりと途中下車。カメラ片手に散歩しながら、橋に腰掛け一休み。P26のカット最高過ぎますね。飲み物でも買いに行ったお相手を待っているのでしょうか。白いスニーカーも目を引きます。辿り着いた神社で、彼女は何を願っているのか。聞いてみたいけど、聞いちゃだめな気がする、そんな感じがしますね。

日常的な魅力を味わった矢先、ページをめくると、「青」で雰囲気が一転します。こんな表情もするんだと、そのギャップにドキリとさせられます。大人っぽい、妖艶な、挑発的な視線。「たくらみにゃみ」どころではない、大人の女性の姿。そして、クールな「青」に対して、赤い花や薄いピンクの桜が良いアクセントになっていて、照らされる日の光と花の影のコントラストにより、さらに美しさを増している素晴らしいカットが続きます。インタビューによると、この古民家は、急遽田中美海さんのお父様が紹介した場所とのこと。いったい何者なんだお父様。

最後のセクション「白」の衣装は、ご自身でプロデュースされたという、ロングスカートの白いワンピース姿です。一見、ふわふわのワンピースは海には合わないように思いますが、ご令嬢が夕暮れの海に遊びに来ているような感じで、とても絵になりますね。撮影当日は強風で大変だったようですが、風により髪が乱れているのも、かえって動きのある良いカットになっているように思います。そして貴重なおでこありがとうございます。あと頭の形が綺麗だなと常々思っております。P54-55の海と夕日を大きく映し出したカットは、本作品の集大成といっても過言ではないでしょう。最後は、落ち着いた庭での1対1の時間を、エンディングとして噛みしめながら、本作品は終わりを迎えます。自己プロデュースが苦手とのことですが、決してそのようには見受けられません。最後を飾るのにふさわしいセクションでした。


インタビューの中で最も印象に残っているのは、「25歳の今が一番女性として輝いている」と語る姿です。以前、田中美海さんの盟友・青山吉能さんは、ご出演された番組で感情の獣と化し、「過去の自分の方が素敵だったんじゃないか」と涙ながらに溢しておりました。もちろん、それぞれのペースで、個性を発揮しながら第2章を進み、多方面で活躍している彼女たち(青山さんは先日の誕生日配信イベントなどでとても素敵に輝いておりました)ですが、やはりどうしてもそのような葛藤が湧くときもあるのではないかと愚考します。それでも、今回のお話をいただいて、昨今の情勢によってなかなか直接会えないファンの方々に感謝を伝え、今の輝いている自身の姿を表現者として発信しようと、本作品の公開に踏み切ったという田中美海さんの強さに、心から敬意を表したく思います。

また、本作品には、撮影地の選定や衣装などで、ご家族が協力されているとのことでした。田中家のエピソードは本当にクスっと笑える話や心温まるものばかりで大好きです。またお父様が番組にご出演される姿も拝見したいですね。


 


先日、とても悲しい出来事がありました。好きなタレントをいつまでも応援し続けられるとは限りません。私自身も、ライフステージや社会環境が変化していく中で、いつしか上手に忘れていくかもしれませんし、明日事故に遭って居なくなるかもしれません。昨今の情勢もこれからどうなるかわかりません。過ぎ行く日々の中、「いまこの姿」をデジタルフォトブックという作品として残していただいた田中美海さん、制作スタッフのみなさまに心から感謝申し上げたいです。そして、これからも影ながら応援させていただきたく存じます。


以上


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