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【漢字山脈】この時期は 「黴」に要注意! 夏といえば山!#02

「漢字山脈」へようこそ!


どんどん読んで目指せ10000m!「漢字山脈」のお時間がやってきました。

ここにそびえ立つのはたくさんの難読漢字たちが積み重なってできた「漢字山脈」。あなたはその攻略を目指す漢字クライマーです。

行く手を阻む難読漢字たちを読み解くことによって、あなたは山脈を登り進むことができます!

山頂に近づくにつれ、より難易度の高い難読漢字が出題されます…!
あなたの漢字知識と経験を活かし、是非チャレンジしてみてください!

今日の山脈 : 夏といえば山


今日の山脈は夏といえば山
夏にまつわる様々な難読漢字がズラリ!あなたはどこまで登れるでしょうか?

5番の「椰子」は木の名前です。ココナッツは椰子の実の代表格ですよ!
8番の「」は夏の天敵!音読みでは「バイ」と読む漢字ですが、訓読みでは何と読むでしょう?
12番の「瓜姆」は世界の地名です。「」で始まる三文字の夏っぽい地名といえば…?

正解は…













1.すいか 2.ひまわり 3.むぎわら 4.かぶとむし 5.やし 6.かきごおり 7.あじさい 8.かび 9.ぱいなっぷる 10.みんみんぜみ 11.ぜりー 12.ぐあむ

正解はこのようになっています!

4番は「甲虫(かぶとむし)」。
甲冑(かっちゅう)」の「」! …と言いたいところなんですが、実は「甲冑」という熟語は本来「」は「よろい」を意味し、二文字目の「」が「かぶと」という意味なんです。それが日本では「甲=かぶと、冑=よろい」と誤って解釈されたと言われています。

8番の「(かび)」は漢検一級頻出の漢字。「黴菌(ばいきん)」はよく耳にしますが、あまり漢字表記は見かけないですね!これを機に覚えちゃいましょう〜!

梅雨(つゆ・バイウ)は黴雨と表記することもあります!なんかイヤですね…。

10番は「蛁蟟(みんみんぜみ)」です。音読みでは「チョウリョウ」、他にも「にいにいぜみ」や「つくつくぼうし」などとも読みます。漢検には出ない漢字ですが、広辞苑にもちゃんと載っています!

そしてさらなる高みへ…!


ここから先は想像を絶するような超難問が立ちはだかります…。頂点に君臨する難読漢字たちを踏破し、山頂で快哉を叫びましょう!

13番の「水引餅」は音読みでは「スイインベイ」。細長〜いあの食材です。
14番は「」。もちろん「いのしし」ですが、ひらがな五文字の衝撃的な読み方があります。「」をつけると…?
そして最難関の15番、「猳𤡓[⿰犭國]」。(二文字目はなんと通常の環境では表示できません!)この超難読漢字、あなたは読めますか…?

正解は…













13.ひやむぎ 14.みずたまり 15.かっぱ

正解はこのようになっています!

13番は「水引餅(ひやむぎ)」です。もともと中国で作られていた水引餅は、麺の祖先とも言われています!他にも「冷淘」「氷滑麪」などの表記があるようです。

14番は「(みずたまり)」。イノシシが水たまりで体に泥を塗りつけることを好む様子からこう読まれたといいます。「氵」をつけると「」となり、漢検にも出題される「(みずたまり)」の別字体になります!

「進まず退かずして瀦滞(チョタイ)する者はあるべからざるの理なり。」福沢諭吉の名言です!

15番は「猳𤡓[⿰犭國](かっぱ)」。昔中国の随筆書で語られていた「猳𤡓[⿰犭國](かおく)」という怪異が日本に伝わり、それが河童と解釈され当て読みされたと考えられます。


以上、今日の漢字山脈でした。あなたはどこまで登ることができましたか?
最後までお読みいただきありがとうございました!

【注】これらの漢字の読みはあくまでも一例です。読みを一意に定めるものではないことをご留意ください。また、出典は一般的に用いられる辞書・辞典のほか、大正以前に発行された旧い辞典や小説・新聞などにも及びます。特に難易度の高い問題に関しては概して後者から引用しています。そういう読み方もあるんだというスタンスで受け取ってくださると嬉しいです。

参考文献


13, 15|谷口安定『魁本大字類苑』
14| 遊子館『日本難訓難語大辞典』

その他 |
公益財団法人 日本漢字能力検定協会『漢検漢字辞典』
岩波書店『広辞苑 第七版』
小学館『デジタル大辞泉』
三省堂『大辞林 4.0』

(著者・編者 略)

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