作者と登場人物の話

住野よるです。


自分も受け取り手の時にはそうなのかなと思ってしまうことがありますし、そういう作者さんもおられるのでしょうが。

ひとまず僕の話をさせていただきますと、

作者と登場人物の考え方が違います。

好きな食べ物とか、好きな小説や音楽、毎日のルーティン、日常の中で大事にしてること、尊敬する人、政治的主張とかも違うでしょう。

特に「麦本三歩の好きなもの」の三歩の場合は偽エッセイだとインタビューで言ってたりして、彼女の考えが僕の考えだと思われてしまうかもしれませんが、全然違います。

生きられるものならあれくらいぽよぽよ生きたいし、周りの人や自分を大切に生きたいですが、僕には出来ていません。

作者とすら違うんだから、自分が何かお話を読むときに主人公の考え方と自分の考え方が違うことなんて当たり前で気にする必要ないとは思いつつ、

主人公の考え方が嫌いだと読んでて辛いってのもありますよね。

それも分かるので、主人公が嫌いだけどお話が好きって言ってくださったり、最後まで読んでくださったりしたという感想を頂くと嬉しい限りです。ありがとうございます。

もちろん登場人物もお話も好きだって言ってくださるのはとっても嬉しいですよ!

でも、現実世界で出会う人と同じで、誰とでも考えが合うなんて、きっとないですものね。


ところで、強いて言えば、僕が今まで書いた登場人物で誰と考え方が似てるか真剣に考えてみました。

「よるのばけもの」のあっちーですね。

駄目なところがとてもよく似てる気がします。


自分に似てない誰かをどれだけ大切に思えるか、考えてみたら膵臓からずっと、それについて書いてるのかもと、たったいま思いました。


久しぶりにちゃんとした話をしてみました。


おやすみちゃーん。