西遊記悠久奇譚の感想
西遊記悠久奇譚、配信で観た!
あんさんぶるスターズ!!の好きなアイドルが出てるからという理由で観たものの、エンタメとして普通にすごく良くて楽しかったな〜…キャラクターもアクションも音楽もとても良かったです。
アイドル演劇のていを成しているからこそ「ほらほら、このアイドルのこういう役柄が観たいでしょ?」という目くばせがわかりやすく伝わってきて気持ちが良かった。
それでいて西遊記悠久奇譚という物語のキャラクターひとつひとつもとても魅力的で、もっとこの旅を見ていたい、いろんなバージョンいろんな筋書きを味わいたいという三蔵の渇望にも説得力があった。
最初は「はは〜んなるほどね、北斗渉の文脈と悟空三蔵の文脈をメタ的に重ねる感じ!?良いじゃん…」と思ってたんだけど、実際観終えてみたらどちらかと言うとそういうことではなくて、むしろ「三蔵はまったく日々樹渉ではない」というところが一番の味だったように思う。
あれだけFantasticとかそれっぽいこと言いながらカーテンコールを迎えるまでAmazingとは絶対に口にしなかったのも「三蔵≠渉」の記号なんだろうし。
(とはいえたしかに「北斗の悟空」と「渉の三蔵」のコンテクストは色濃くあったな〜…例えばもし仮に友也の悟空と渉の三蔵だったらあんなしっとりした結末にはしなかっただろうと思う)
誰かに観測されてこそ日々樹渉たりうる日々樹渉が、三蔵法師としてだけ「私だけが覚えていればいい」とめちゃめちゃ人間臭い心情を吐露する面白みというか……そういう部分がとても好きでした。
……今思うとこの脚本で当初悟空役を渉にあてがおうとしてた北斗何考えてたんだよ
※スカウトの話
大楽配信しか観てないので他を知らず、確信はないのだけれど、おそらく日替わりパートであると思われる場面の一部はあまり肌に合わなかったかもしれない。
劇団ドラマティカの興行って、「劇中劇」の1文字目の「劇=あんさんぶるスターズ!!」をいまわたしたちが生きている現実という容れ物におさめて、フィクションをひとつ上のレイヤーに引っ張り出す試みなんだろうと思ってて……一度目のカーテンコールまで「役を演じるアイドル」を徹底してるからこそ、劇の中で「役を演じるアイドル、を演じる役者さん」が透けて見えてしまう瞬間、もっと言うと観客であるこちらがメタフィクションへの没入を切らしてしまう瞬間があったのはやや惜しいなと感じた。
でも役者さんのファンや、生身の人間が感じられるアドリブが好きな観客はこういう部分をこそ楽しみにしてるんだろうし…難しいな…。(かわいい役者さんたちがキャイキャイしてる様子がめちゃくちゃ健康にいいのは確かなんだよな わたしも明らかに胃腸の調子が良くなった気がする)
あとセットの使い方好きだったな…。
五行山で悟空と三蔵がくるくると(🔁)移動するシーンも、プロローグとループものであることを確信した後のクライマックスとでは全然意味合いが違ってきてた。
ループものという題材も繰り返し上演される舞台という媒体と(あと個人的には今回のキャストメンバーとも)とても相性が良かったと思う。
トータルしてとても楽しかったです。
鳴上嵐のオタク、ACT2が怖い!
楽しみ!
怖い!
最後に
スー
玉龍…………………
かわいいね…………………
終
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