パンジャンドラムの進化論

浅村さんの「パンジャンドラム辺境伯」ネタに着想を得て思いついた、パンジャンドラムが有性生殖能力を獲得するに至る過程。

パンジャンドラム辺境伯は開発中のパンジャンドラムに単純な自己修復機能を組み込んでいた。故障や破損したパンジャンドラムは、周囲から素材を調達し、勝手に自分を修理することができる。

あるとき海岸に投棄されたパンジャンドラムの一群は、砂を素材に自己修復を重ねながらときを過ごす。あるとき、搭載された制御用のミニクロックエンジン内のパンチカードに異常を来した一体のパンジャンは、その修復過程でパンチカードの内容を書き換えてしまい、これにより偶然にも自己複製機能を獲得する。

このパンジャンは自己複製を繰り返し、次第に他のパンジャンを圧倒していく(自然淘汰)。

複製を繰り返すパンジャンの個体数は次第に増え、その過程で複製素材の枯渇に直面する。ここで、複製素材に他のパンジャンを利用する(捕食する)パンジャンが現れる(単性生殖の始まり)。

パンジャンは自己複製と捕食を繰り返すうちに多様化し、様々に異なる特徴を持つパンジャンが生まれる(カンブリア大爆発)。

しかし、他の個体の破壊を代償とするパンジャンの繁殖は一定のところで頭打ちとなる。ここで、他者を捕食するのではなく、部品の交換と周辺素材の利用により自己複製をおこなう群が発生する。

繁殖に他者の犠牲を伴わないこの繁殖方式は、従来の捕食方式よりも効率よく複製を残せるため、パンジャンの群れは次第に部品交換式繁殖機能を持つ2つのタイプ(雌雄)に収束していく。

これがパンジャンドラムの有性生殖に至る過程である。


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