和歌山旅行の記録2日目
朝ホテルを出てバスで紀伊田辺へ。駅前はこぢんまりとした商店街が広がっていた。素泊まりゆえの朝食難民となり、駅のコンビニでパンを一つ買う。(これを最後に夕方まで何も食べず歩き続けることになるとは知らずに)紀伊田辺にある田辺市の観光センターで荷物を預け、熊野参り用のスタンプ帳をgetした後、バスで野中一方杉へ。
川沿いの国道を内陸へと走らせるバスから見た山々は尾根と谷が明瞭に見えたせいか、とても迫力があって、東京で生まれ育った私はえも言われぬおそろしさを感じた。日本のあちらこちらが、昔はこのような山々だったのかも知れないと想像してみると、山の木々を切り、開発を進め、道路を通してきた人間の営みはもはや狂気的なのではないかと思った。自分が山を見るだけで遠くにきたなーと思うような人だからそう思うのかもしれない。
野中一方杉から1.5kmほど歩いて熊野古道に入る。継桜王子を通り過ぎ、とがの木茶屋へ。紅葉の見どころとして名高いところで、とても綺麗だった。とがの木茶屋では、崖を下りたところに湧く野中の清水を使っているというお茶を頂いたり、写真を撮ってもらったりした。
野中一方杉に戻り、バスで発心門王子に向かう。バスは山道をさらに奥へと進む、カーブが多くて、どんどん山の方へ登っていく感覚になんだかドキドキした。
発心門王子に到着。ここから熊野本宮大社までの約7kmを徒歩で巡礼することは、熊野参りを達成するための一つの条件である。そんなわけで、観光客の姿がまだらに見えた。14時半前に発心門王子を出発。
古道を進んでいくとその静けさと、立ち並ぶ木々の壮観さ、木漏れ日の美しさ、澄んだ空気に感動した。(感動した、といってしまうと身も蓋もない気がするけど言葉が見つからない。)
水呑王子、伏拝王子、祓殿王子を経由して
16時過ぎに熊野本宮大社に到着。14時半に発心門王子を発った私たちはなんとか2時間弱で7kmの山道を爆走し歩き切り、熊野本宮大社をゆっくり参拝する時間を確保した。(走るの普通に危険) 熊野本宮大社は八咫烏のお守りやステッカーがたくさん売っていた。(かっこよくてお土産にいくつか購入した。)
さて、熊野本宮大社及び大斎原をゆっくり参拝し終えた17時過ぎ、朝からコンビニパンひとつしか食べていなかったためにお腹を空かせていた私たちは、本宮大社の周りなら商店があるだろうから遅めの昼ごはんを食べようということで店を探し始めた。しかし、そこで本宮大社付近の飲食店の全てが16時半で閉まっていたことを知る。仕方がないのでバスで帰ろうとするも、次のバスまであと2時間あることを知った私たちは2時間お腹を空かせながら凍えて待つのも耐えられないので、ホテルまで3〜4kmほどの道のりを歩くことを決意。空腹と寒さはこたえたが、街灯もなく星空が吸い込まれるように綺麗でそれだけが救いだった。
極寒の夜道を歩き19時頃、湯峯温泉にある川湯みどりやに到着した。夕食をいただき湯峯温泉に入った。夕食は前菜とお造り、熊野牛のすき焼きと後はバイキングだった。高野豆腐、梅、みかん、柿が入ったグラタン、鮪の煮付け、川魚あたりがご当地らしくてよかった。川のすぐそばにある露天風呂は混浴で、景色も良く、同行人と話しながらお湯を楽しんだ。あとは、お風呂上がりにじゃばらサイダーを飲んだ。じゃばらというのは和歌山の北山村というところで生産されている柑橘類だそうで、とても美味しかった。
2日目終わり
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