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満ちる月 片やにじむは十三夜

十三夜の異名が「豆名月(マメメイゲツ)」と言うそうです。

「満月」の「十五夜」に、枝豆。
その「後の月」である「十三夜」に、黒豆。

豆というか、この日に月見をしながら穀物をお供えし豊穣を感謝し、祈願するということみたいですね。

そんな月と豆の密接な関係をまったく知らないままに、というか、十三夜ということも意識せずに、今年の10月29日に和菓子屋の店先で餡子商品を物色。お月見団子を購入し、帰宅してから、冷蔵庫に保存していた黒豆をゴソゴソ出して煮はじめました。偶然でしょうか必然でしょうか。

その黒豆は煮る前の乾燥したもの。
袋を開封し半年以上経っていて、一部カビが生えていました。賞味期限内ですが開封するとダメですね。最初に開封したのがいつだったか思い出せないほど前です。確か、せっかく手間をかけて黒豆を煮ても日持ちが悪くなる季節、春先くらいかな?

保管方法は、黒豆1袋1kgの残り半分500gくらいを、密封できるタッパーに、梱包されていた乾燥剤ごと入れて冷蔵庫の奥へ仕舞い込んでいました。

それを、急にこの日に思い出したんです。

自分でも、今日じゃなくても良いんだけど、黒豆煮ておこうかなぁと思ったのを覚えています。お正月が近いし、黒豆の炊き方を忘れてるかもとタッパーを開けると、四隅の一角で、緑白色のほわほわしたカビが発生しているのを発見。冷蔵庫保管してもカビが生えるとは! これか、虫の知らせか! と思っていました。

だけど、翌日に月見団子のパッケージを見て、まさに10月29日が今年の十三夜(毎年変る)だったと知り、ネットで調べると黒豆や栗を炊いてお供えするものだと書かれてありました。あーこっちだったかと納得しました。ところが、肝心のお月見をしていない。それだけが心残りです。お月見団子をすぐに仏壇にお供えしてしまって、翌日、食べる前に十三夜を知った感じで、間に合いませんでした。ご先祖様が…したのかな?

お正月も近くなってきましたね。
料亭のお節料理を手軽に購入していたときに、黒豆煮が、スーパーのお惣菜コーナーにある袋入りより、というかどこの和食店より、段違いで美味しかったことを経験してから、なんとなく黒豆煮を挑戦し続けています。材料も作り方もシンプルなので、まず黒豆と砂糖が選び抜かれたものであって、そこからして大きく違うのであろうと思っています。

【材料】
黒豆…500g
砂糖…500g
A水 …たっぷり浸かるくらい
A重曹…小さじ1
A醤油…小さじ4
A塩 …小さじ2

【作り方】
① Aを強火で一度沸騰させてから、洗った黒豆と砂糖を入れて火をとめ一晩(8時間以上)置く(この段階で豆は煮ない)。
② 豆をつけた①を煮る。最初強火、沸騰したら弱火にし、時々灰汁をすくう。芯がなくなるまで煮たら(20分くらい)火を止めて、しばらく放置し味を染み込ませる。

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こちらが炊き上がり。薄皮を破らずに、ふっくらたきあげるのが難しいです。


満ちる月 片やにじむは十三夜
餅の白より 豆のにび艶

yoomei

追記:2020/11/10「祈願」→「感謝し、祈願」に変更

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