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空に浮かんでいる言葉をつかんで

クリスマスは、ケーキを食べる日。

と、私のなかでは決まっています。ヘッダー写真が今年のケーキです。かわいいサンタがついてきました。今年は、お取り寄せの冷凍ザッハトルテです。上に乗っているぐるぐるも、ガナッシュ。クリームではありません。

毎年、都内の和菓子店で特別販売する苺のショートケーキを予約してまで食べようとするのですが、今年は12月19日を持って街への外出終了。近所のスーパー・コンビニは行きますが、年末年始の食材いろいろは全部宅配にしました。用がなければ、ずっと家にいられます。

さて、冷凍スペースの関係で、クリスマスケーキはイブよりだいぶ前から食べ始めてしまい、今朝には無くなってしまいました。

その甘さに浸りながら、YouTube で音楽配信を聴いていたら、自然とクリスマスソング的なものへと流れていき、玉置浩二「メロディ」から、この歌にいきつきました。「歌うたいのバラッド」です。

斉藤和義の歌ですが、イエローモンキーの吉井和哉が一緒に歌っています。この方の声が大好き、歌い方も好きで、明確にファンです。職人気質のプロさがいつでも感じられて、聴くたびに気持ちいいです。他がどんな状況でも真摯さを感じます。

特に、この曲はとても合っていると思いました。歌詞の内容も「愛してる」があって、その部分が吉井さんらしい、すごく似合っている。のですが、それよりも、この2人に共通するのは、歌詞にあるように「本当のことは歌のなかにある」なんだろうなと思うのです。それは言葉というよりも、メロディに何かを仕込むのがシンガーソングライターなのかと思ったりしています。

そういえば、斉藤和義の歌に「ずっと好きだった」と告白する歌もありますね。憧れていたあの子に、マドンナに、サル(カピバラでもいいけど)から大人になって余裕がでてきたから言えた告白が、第2ラウンドのゴングのようです。同じ言葉を、他の曲調にのせたとしても、あんなに風に自分のことかとドキドキしません。告白する側になれちゃいます。

「ずっと好きだった」を聴くと、同窓会の帰りに、スカスカの山手線に乗っていたのを思い出します。同じ方向だった私たち2人は、同じ電車に乗り込みました。横並びの長い座席に、隣同士ではなく通路を挟んで向かい同士に座りました。背広をきた彼は、どっしりと大きく足を開いて座っていたのに、急に両膝に両肘をついて前屈み。両手を組んで横を向きながら大きくため息をつきました。

そして、

この後、もう一杯。バーで飲まない?

わぁー、、、まるまる斉藤和義。

って、思いながら「うんうん」って同意。そして、本当に一杯だけ飲んで帰ったのを覚えています。せめて30代なら違う展開もあるかもしれないけれど、そんなところで終わる環境でした。でも、いい思い出です。

歌は、

今日だってあなたを思いながら

歌い、聴くもの。

たしかに聴くと、誰かを、どこかの場面を思い浮かべます。クリスマスソングじゃなくても、今日という日は、もっとも誰かを思い浮かべる日ではないでしょうか。ケーキも不可欠なアイテムなのですが、私は、こうやって毎年誰かを思い出してしまうのです。歳をとるのも悪くないです。

追記:2020/12/25


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