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黄金のレガシーに思い出を破壊されました

突然ですが皆さんはFF9好きですか?
ぼくはめちゃくちゃ好きです。

個性豊かなキャラクター達、メリハリのあるシナリオ、20年前とは思えない素敵なグラフィック、歩いてて楽しくなる街並み、どれをとってもかなり出来の良いゲームだと思ってます。
エンディングもめちゃくちゃ素敵で、クリアした後もしばらく幸せな余韻に浸っていたのを覚えています。

そんな素敵な思い出が、黄金のレガシーで見事に壊されました。
滅ぼされたアレクサンドリア、サイバーパンクに侵されたFF9の世界に生きていた人たち・・・
もうね、原作レイプです、これ。

エレクトロープ?雷光大戦?
FF9のストーリーは完成されてたし、IFの話や後の世界の話を作るにしても方向性に疑問しか浮かびませんでした。

前に吉田が「FF14はファイナルファンタジーのテーマパークです」みたいなことを言ってた気がしますが、過去作をこういう風にオマージュされて「好きなタイトルがオマージュされてる!サイコー!」って思うファンの人は多くはいないと思います。

クリスタルタワー、リターントゥイヴァリース、月の地下渓谷とか過去作をオマージュしたシナリオやダンジョンは今までありましたけど、アレクサンドリアだけ扱い酷すぎません?
純粋に羨ましいです、キレイにオマージュされてる他の作品が。

と、最初から愚痴になっちゃいましたけど、ちゃんと楽しめた部分もあるので公平に黄金のレガシーの感想を書いていこうと思います。


漆黒・暁月で膨れ上がった大きな期待にちゃんと応えた

新生から続く物語は暁月のフィナーレで一旦幕を閉じました。特に漆黒のヴィランズからの物語は反響も大きく、結果的にユーザーの数を爆発的に増やし、多くのユーザーから高い評価を得ていたと思います。

そして、ゼロからスタートする今回の黄金のレガシーですが、正直あまり期待はしていませんでした。吉田もどっかのPLLで、「暁月ほどの盛り上がりはないのでそこは理解してね」みたいなことも言ってた気がします。

今までのストーリーは、X.1~X.5のパッチで次の拡張へ向けた話を展開して、拡張で全部回収するという構成でしたが、今回はそれを拡張のみで行ってます。ちゃんとボリューム感もあったし、起承転結もしっかり見せつつ、2部構成で飽きさせない内容になっていたと思います。
ユーザーが抱える期待に応えるハードルは高かったとは思いますが、それにしっかりと応えるくらいの満足度はあったし、流石と言わざるを得ません。

黄金のレガシーをプレイしてるときのテンションをグラフで表してみました。

最後の方は普通に躁鬱病なので、明日にでも心療内科に行こうと思います。


前半:ちょいちょいイライラする王位継承レース

黄金のレガシー前半では、新大陸と呼ばれるトラル大陸を舞台に、ウクラマト王女と共に王位継承レースに巻き込まれていくことになります。

不器用で友達少なそうだけど妹思いで実は熱い男だったコーナ王子、パパと同じ双頭だけどオツム弱めでめちゃくちゃ邪魔してくるウザイ奴バクージャジャ、めっちゃ強いけど思想強めで超絶イケボ長男ゾラージャといった個性豊かなライバルたちと王位継承権をめぐっていろんな試練をさせられます。

最初は頭悪すぎてイライラする場面が多かったラマチが、試練を超えていく度に成長していく姿を上手に表現できていると思いました。

FCの仲間は「ラマチが頭悪すぎておもんない」って言ってましたが分からなくもないです。こういうタイプのキャラって人を選ぶし、ぐいぐい来られるのが苦手な人や強引な人が苦手な人からしたらきついと思います。
特に話が面白いわけでもないくせに飲み会で呼んでもないのに勝手に来て2次回までついて来るタイプだと思います。

ぶっちゃけラマチを好きになれるかなれないかで黄金のレガシーを楽しめるか楽しめないか分かれると思います。
自分はというと、折角の拡張だし「ウザイけど頑張っていいとこ見つけて好きになる努力をしてみよう」の精神でやってました。
ラマチの「分かり合えない相手でもまず相手を知ってみる」というスタンスはとても大事だと思うし、共感できる部分でもあったので、ラマチに関してはすんなり受け入れることができました。

ラマチを見習えば、会社のムカつく上司とか、身の回りにいる不快な人間を好きになれるかもしれませんね!いや、無理か。


中盤:ヤクテル樹海後半と天深きセノーテでテンション爆上がり

いきなりですけど、僕スキューバダイビングのライセンス持ってるんですよ。
で、ダイバーの人達はみんなメキシコのセノーテで潜りたいって言うんですよね。100mくらい見渡せてめちゃくちゃ綺麗らしいです。マジで一回行ってみたい。

トラル大陸自体、ケテンラムが発見した新大陸というのもあり、コロンブスが発見したアメリカ大陸をモチーフにしているんだろうなとは思ってましたが、所々マップにセノーテという文字を発見したときは心躍りました。

ヤクテル樹海の後半で、一面に広がる青い樹海の景色を初めて見たときは感動しました。めっちゃ綺麗でSS撮りまくってました。

95IDの天深きセノーテではもうテンションMAX。BGMも神すぎるし、特に2ボス倒してからのこれまでとはまったく異なる知らない文明っぽい雰囲気にはワクワクが止まらず、ここでも一生SS撮ってました。

事前情報でプレイヤータウンであるソリューション・ナインのアートが発表されていたので、どこかでサイバーパンクな世界に行くんだろうなと予想はついていましたが、ここでついに来るか!?とはしゃいでました。夜中に一人で。隣に住んでる人ゴメン。


後半:未知なる鏡像世界に心躍らせていたら原作レイプされた

シャーローニ荒野なんてものはなかった、いいね?

さて、問題はここからです。
「ソリューション・ナイン」という名前は、FF9の主人公であるジタンの技の一つなので、この名前を冠したプレイヤータウンが実装されると発表された段階でFF9に関するものが出てくるんだろうなとは予想がついていました。
高度な文明を持っていたテラが鏡像世界になっていて、その一部になんらかのきっかけで訪れることになるんかなあとか想像してました。それくらいだったら全然よかったんです。

ヘリテージファウンドに入り、故郷がとんでもないことになってしまって可哀そうなエレンヴィル君に同情しながらしばらく進んでいると、トライヨラ襲撃のときにチラッと見えたスフェーンとかいう謎の女が現れ、とんでもないことを口にします。

「ようこそ、新生アレクサンドリア連王国へ」

は????
思わず言葉を失いました。

マップを見ると、西の方には旧アレクサンドリア城下町って書いてあるし、今のグラフィックでアレクサンドリア歩いたりできるの?なんかBGMもFF9そのまんまの曲だし。期待と不安が入り混じってここらへんから情緒がおかしくなってきます。

話を進めていくと、雷属性がどうたらとか、戦争があったとか、雲行きが怪しくなってきます。あれほど楽しみにしていたソリューション・ナインを歩いてる時には、もう不安しか残ってませんでした。

そして西側へ進むと、そこには無残な姿のアレクサンドリアの街並みが・・・
これ以上ストーリーを進めたくないなとすら思いました。

滅んだのがアレクサンドリアである必要あった?とか、記憶を雲の上に預けるとかビビの最期の言葉を軽々しく扱ってたり、ところどころに使われるFF9のBGMもとりあえずいれとけば喜ぶだろw的な雑な感じで使われてるんじゃないのとか、なんかもう一気に原作に対するリスペクトが感じられなくなって、テンションがた落ちです。

オーティスもスタイナーがモチーフなんだろうなと思っていいキャラしてんじゃんと思った矢先に死んだり、リビング・メモリーでアレクサンドリア城が再現されているのは素直にうれしかったけど進めていったら真っ黒にされてそのままとか、どこまでファンの気持ちを弄べば気が済むんだろうという気持ちにならざるを得ませんでした。

極めつけはラストダンジョンで、最初はアレクサンドリアの街並みが綺麗に再現されて喜んでいたのも束の間、あれよあれよと滅んでいくアレクサンドリアをまじまじと見せつけられてボロ泣き。なんでこの内容でGOサインが出たのか甚だ疑問でしかありませんでした。これからしばらくエキルレでここあたるの、普通に無理です。
1ボス手前までは本当によかった。アレクサンドリアめっちゃ綺麗だった。

終盤にこれでもかと詰め込まれたFF9要素に感情がジェットコースターのように揺さぶられ続けて純粋にストーリーを楽しめなかったなあという残念さと、アレクサンドリアが滅んだという変えようもない事実だけが残って、エンディングを迎えた今も虚無感が半端ないです。


最後に

シナリオ展開も、BGMも、バトルも全体的に良い出来だったと思います。漆黒暁月に比べたら劣るかもしれないけど、それでもユーザーの期待に応えてくれたことは評価したいです。

ただ、過去作を扱うなら、ファンが悲しむような使い方はしないで欲しかった。
FF14とFF9は別のゲームだし、黄金のレガシーで出てくるアレクサンドリアはただのファンサービスの一環であって、IFだと割り切るのがいいのかなと思います。
FF9は素敵な作品だし、今回で興味を持ったなら是非プレイしてもらいたいけど、まったくの別物だと思った方がいいです。

どうかいつかFF9を余計な改変とかしないでちゃんとそのままリメイクを出してください。待ってます。

あと、今後FF10をオマージュするなら、丁寧に扱ってください。お願いします。いまでも一番好きなゲームです。

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