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京急新1000形の歴史(1) アルミ車

⑴ 新1000形(アルミ車)の概要

京急新1000形 京成曳舟にて

新1000形は、2002年に登場した京急線の通勤電車ですアルミ車ステンレス車があります。今回は、アルミ車について説明していきます。
アルミ車は、4両編成8両編成が製造されました。京急線の700形や旧1000形などを順次置き変えていきました。アルミ車は、新1000形でも初期に製造されたグループで、床下機器は海外製(シーメンス製)のものを採用するなど気合が入った造りになっています
車両番号は、4両編成は1400番台、8両編成は1000番台を名乗っています。

⑵ 新1000形(アルミ車)のバリエーション

➀ 1次車

京急新1000形 1009編成 四ツ木にて


2002年2月~6月に8両編成3本(1001F1009F1017F)、4両編成2本(1401F1405F)の32両が製造されました。シーメンス製のVVVFインバーターを搭載しました。これは、4社局直通運転に対応する車両では、初めての試みだったため、乗り入れ先各社に貸し出しをして乗務員訓練が行われました。同年4月15日に、営業運転が開始しました。
8両編成1本(4M4T)と4両編成1本(2M2T)を3M3Tの6両編成に組み換えできる様になっています。

② 2次車

京急新1000形 1033編成 八広にて

2003年5月~7月に8両編成2本(1025F1033F)、4両編成2本(1409F1413F)の24両が製造されました。車体の機器構造の見直しを行いました。1次車では、8両編成1本と4両編成1本を3M3Tの6両編成に組み換えできる様になっていましたが、2次車では組み換えが出来ない構造になりました
1次車ではワイパーカバーの「1」の数字の飛び出ている部分は黒く塗られていましたが、2次車からは色が塗られた部分もスリットになっています

③ 3次車

京急新1000形 1041編成 京急東神奈川にて

2005年1月~3月に8両編成2本(1041F1049F)、4両編成2本(1417F1421F)の24両が製造されました。
3次車からは、雨天時の車両の空転を考慮して8両編成は4M4Tから6M2Tへ、4両編成は2M2Tから3M1Tに変更し電動車の数を増やしました
一番、特徴的なのは制御装置が2次車まではシーメンス製GTO素子VVVFインバーター制御でしたが、3次車からはシーメンス製IGBT素子VVVFインバーターを採用することになりました。

④ 4次車

京急新1000形 1057編成 青砥~京成立石にて

2005年7月~8月に8両編成1本(1057F)、4両編成4本(1425F1429F1433F1437F)の24両が製造されました。3次車までは、行先案内表示器が幕式でしたが、4次車からはフルカラーLED式を採用しています。

⑤ 5次車

京急新1000形 1065編成 青砥~京成立石にて

2006年10~11月に8両編成1本(1065F)、4両編成2本(1441F1445F)の16両が製造されました。4次車からの変更点は、ありません

(3) 新1000形(アルミ車)の特別塗装

① 羽田空港第2ターミナル開業記念特別塗装列車

http://www.kqtrain.net/a-blog/index.php?ID=556より引用

2次車の8両編成2本(1025F1033F)は、2004年の羽田空港第2ターミナル開業を記念して、スカイブルーをベースに飛行機が描かれたラッピングが施されました。2005年3月まで、運転されました。

② KEIKYU YELLOW HAPPY TRAIN

https://hakutakasureimani.hatenablog.com/entry/2015/08/15/114124より引用

2014年から1057編成に対して、京急の電動貨車をイメージして黄色い塗装を施しました。黄色く塗装された姿が、西武の電車に似ているという指摘があり、京急が西武とコラボすることになりました西武9000系9103編成を赤い車体に白い帯を施したRED LUCKY TRAINとして運転することになりました。
当初は、3年間の運転でした。しかし、これがかなり好評だったので2017年以降も引き続き運転されることになりました。この際、ドアの色も銀色から黄色に変更しました。

(4) 新1000形の更新工事

http://railf.jp/news/2017/09/17/170000.htmlより引用

2017年度より、製造後15年が経過した京急新1000形アルミ車に関して、機器更新および車体更新が行われることになりました。最初に機器更新及び車体更新が行われたのは、1001編成でした。更新工事の内容は、以下に記します。
・制御装置を三菱電機製のSiC素子VVVFインバーター制御に換装
・ドア上の行先案内表示器が、LCD(液晶モニター)のものに変更
・前面、側面の行先表示器をLED式のものに変更
・室内化粧板、天井、客用ドア、床材などを新品のものに取り換え
・固定式になっていた窓の一部を、開閉可能なものに取り換え
・車両の前面非常口部分に「けいきゅん」のステッカーを貼り付け

しかし、三菱製SiC素子VVVFインバーター制御装置に関しては、更新工事を行われた当時、地下鉄に直通する各社局の車両にこれを搭載した車両が存在しませんでした。この為、乗り入れ先の都営地下鉄側が乗り入れに対して難色を示してしまいました
従って、1009編成以降ではSiC素子VVVFインバーター制御ではなく東洋電機製のIGBT素子VVVFインバーター制御に換装することになりました。



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