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「カレーの車」に行ったら、美味しすぎてうっかり悟りを開きそうになった。

ほぼ日と水野仁輔さんがコラボしている「カレーの車」に行ってきました。水野さんと言えばスパイスの魔術師でございまして、彼のスパイス本は非常に理屈に成り立った解説があって美味しいレシピでいっぱいなんです。スパイスカレー初級のヨノセコは、実は水野さんの大ファンなんです。

そういうわけで、この企画を見つけてから絶対に行かねばと思い続けながら3週間、ようやくそのチャンスを掴みました。

今日はハッキリ言って、朝から気がそぞろでした。はやる気持ちがわたしの背中を強烈に後押し、会社をマリオカート並みのロケットスタートで出発したわたしは、いつもは20分かかる道を13分で踏破し、そして辿り着いたのです!カレーの車に!

オレンジのカレーが売り切れでしたので、レモン&セロリシードのカレーを頂きました。

はやる気持ちを抑えつつ、いただきますをして、ぱくり。

レモンの爽やかな酸味(全然ツンツンしないので、これは最早酸味というより「レモン味」)と素晴らしい香りのハーモニー。ゴロゴロと入った鶏肉。確かに辛さはあるけれど、全く舌を刺激しなくて、まさに爽やかな食べ心地で、水なんか要らない。

それはそれは、本当に幸せな気分にさせてくれる素晴らしいカレーでございました。

カレーという食べ物はセロトニンという幸福感を与える物質の分泌を促進するのですが、これはそれ以上の何かが作用していると確信しました。また、スパイスとレモンの組み合わさった香り。ただ良い香りというだけでなく、きちんと味とマッチしている。不思議なことにご飯との相性も最高。

こんなカレー、食べたことない!

食べた後にデザートも食べたくない。水も飲みたくない。口の中に残る幸福感を、少しでも長く維持していたい。

ああ、思えば食べ物の幸福感って何をしたって残しようが無い。文字にも書けない。絵にも描けない。

見た目の綺麗なものなら写メれば残る。
インスタにでも上げれば拡散できる。
言葉は書けばそのまま残る。

でも、食べ物の味は残らない。

味だけじゃなくて、本当は、言葉だって綺麗な風景だって、その時の気持ちとか空気感とか、その瞬間というのはその時にしか無いんだ。そういう刹那さが尊い。何て素晴らしいんだ。諸行無常。そんなことまで考えさせられてしまう。さすがカレー。さすがインドの食べ物。わたしは生まれ変わったらインドになりたい。

食後のわたしは本当にふわふわと幸福感に包まれていました。
食べ物ひとつで、こんなに気分が変わるものだっただろうか。素晴らしく心が晴れやかで、自然と笑顔で溢れてしまう。こんな威力があっただろうか。帰り道、わたしは世界の全ての人の罪を許せるだろう程に朗らかで優しい気持ちになっていました。ちなみにそのせいで隣の席の若者に怪訝な顔をされましたが、彼はまだ親切な方で、きっと「ヨノセコさん気持ち悪いぐらいゴキゲンだから近づかないようにしよう」と静観の構えを取った人が大勢いたんだろうなと思います。すみませんでした、同僚の皆さん。

このカレーはすごい。すごいんだよ。本当に幸せを運んでますよ、この車は。まだの方は是非お試しを。

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