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難しく考えないで歌おうと きみが言うなら歌ってみたい

心拍が画面の数字に反比例 待ちに待った新しいラブレター

午後6時 小さな画面をタップする 新しい本をひらくみたいに

暗号が解けないと泣くのはやめた だってきみとはアジュチナチング

ダーリンと私たちとのキューピット またの名を音楽の神さま

言葉など関係ないさと言うきみが 緑の部屋で覚えた日本語

音楽の神がいるならあの人にどうか伝えて 愛しています

何が幸せかなんてよくわからない でもうれしいの きみがいること

音楽は息だからねと歌うきみ それを見てまた恋を息をする

思考などそんなものはもう投げ捨てろ きみと一緒にクンチパッチ イェー!

音楽は息だいのちだ人生だ しゃぼん玉を吹くように歌うの

ヘッドフォン そこにつけるのねかたつむり 好きなパートはどこ わたしはね

殻を出てごきげんに進む轍には Got Of Musicのたくましさ

速くては見えない景色もあるのかと かたつむりに学ぶ二十一の秋


しぼんでる風船ごとき朝の気分 きみの声でパンパンに膨らむ

風に乗り四方八方に弾け飛ぶポップコーンは私の気持ち

十月の夜に咲く火花  一秒も同じ瞬間はない アイドルだ

土砂降りの雨ニモマケないアイテムを 黄色のカッパに緑色の傘


丸二日見ないうちに出た新芽たち それに比べてあたしときたら

朝起きて最初にやることごあいさつ 今日もすてきね お水と共に

あっこの芽 はじめましてだ こんにちは いい世界だと思ってほしい

朝七時 置かれた場所で咲くきみは 鉢植えからはみ出すほど生きる

関係ない そう思ったでしょカモミール きみがくれた誕生日の花です

舞い落ちる花びらだった少年は 時を経て枯れない花となる

枯れない花だからと忘れてはいないか 多すぎる水は花を枯らすと

本当は枯れないなんて言わないで わがまま言ってあのバラみたいに

五千ものバラがどうしたわたしはいま 一輪のバラの話をしている



冬なのに半袖マフラーしてたとき 彼だけたぶん南国にいた

ああでもな 心配なのは空港のファッションじゃなくてパスポートの有無

「行ってきます」私の国に飛んでくるきみの暗号に「おかえり」と言う

きみが地続きにいるこの感動で コンビニ行くにも髪を気にする

高い場所 苦手なはずのきみが飛ぶ 高度一万mの空

きみがいた一週間よりきみのいない五十一週が大きくて嫌

きみを乗せ憎い轟音掻き立てて 灰色の晴天に消えゆく

この気持ち 空と連動していたら 千年に一度の降水量

また来てねなんてお利口にはなれない なんで帰るの置いてかないで

「ただいま」と私を置いて飛び立ったきみの暗号に「いってらっしゃい」

さらさらの天の川を渡るその先に広がるのはきみの住む惑星

わたあめの白とどこまでも続く青 きみの世界もこうあるといい


雨だねと言われ見上げた上空は 宇宙が透けて見えるほど晴れ

雨だから気をつけて来てと優しいね わたしにも言って いま降らすから

きみからの傘を持ってとのご忠告 注目を浴びる私の雨傘

晴れた日はワクワクしない?ときみが書く漢字の「晴」が太陽のよう

「寒いね」に「寒いね」と言うのは嘘だ たぶん私の北風はぬるい


ガブガブといい飲みっぷりに魅せられて 私はビールを練習したの

この苦味 いつかおいしいに変えてやる 親の顔より見たあのブイラ


ビールの味 5月5日に知ったから サラダ記念日ならぬビールデー

マシケッチ?きみが嬉しそうにつぐから 泡立つビールと私の心

ビールをつぐのはうまいのにうっかりとコップを倒したりする きみがすき

ふと思う ビールが似合う彼を見て あれは隔離がまだあったとき

好物とは「好きな人の好む物」の略 だからビールを好物と言う


本当はサラダ記念日じゃないらしい きみのn歳三ヶ月の日

それならばなんでもありだね 世界中 四月六日は祝日にしよう

きみの笑顔に釣られて買う化粧品 効いているのは成分かきみか

そらの色 パフェのさくらんぼ 朝のかぜ きらきら太陽  一輪のバラ

きみは本当に絵が上手 何もない私の白紙に色塗りまでして

好きな歌詞 8ミリフィルムのサビのとこ だれともけっこんなんてしないで

きみのことどれほど好きか知りたいか 最寄り駅の発車音が聞こえない

月が綺麗ですねなんかじゃ物足りない 月を丸ごとプレゼントしたい

きみはスヤスヤ寝ているはず でもなぜか今日も懲りずに待つ4時6分

けっこんがすきの最上なのやめたい でもなんて言えばいい けっこんしよう

映画みたいにさときみは言うけれど 映画でこんなに泣いたことない

そのままで君は僕のすべてだと また起きながらに夢を見ていた

牙を剥くきみはかわいいモンスター 笑ったときに犬歯がふたつ

きみを前にすれば言葉など無力 その眼差しが脳みそを溶かす

この世にある森羅万象はきみのもの わたしの世界の創造主さん

新訳のアイラブユーを携えて 太陽に向かうわたしはイカロス


神さまは何を考えているのか いたみなど全部私によこせ

いたみをも分け合うなんて冗談は 半分こなのは肉まんだけだ

きみがいたいなら私もいたいなんて嘘 なんで私にしてくれなかった

甘えるな 私が心をいためれば彼のいたみが引けばいいなど

痛いなど文字にしたくも見たくもない 目に入るたび心臓がいたい

私などどうにでもなれきみだけは 愛などと呼べぬ浅はかな気持ち

いい夢をみてねだなんて綺麗事 きみの健康に胡座をかいて

どうしても夜が明ける気がしないんだ どうやら地球が止まったみたい

歌っても意味がないのに歌うこと 許してほしい 嘘 許さないで

今度こそわたしの出番 つかまって なんで 力がなにも入らない

なんだその涙はなにかに役立つか 己の無力さを誤魔化すな

きみの声 いまは聞けない でもそれじゃ今日はどうやって眠るんだろう

彼の分まで健康に過ごすよとでも言えば治してくれるのか

わからない 全部間違いかもしれない 積み重ねてきた気持ちがグシャリ

きみがよくくれた魔法の合言葉 アップジマルジャ いいたくなかった

ごめんなど謝らないで きみらしくせめて心はいためずにいて

きみが夜にいるならば私にも夜にいさせて それだけのこと

だいじょうぶ だいすきだよと綺麗事 よみやすいようひらがなにした

あれこれと頭をよぎること全部 私の杞憂でありますように



AIがそんなにえらいか おまえには燃えるようなこのaiがわかるか

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