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20221106GUNS N'ROSESさいたまスーパーアリーナ

 2022・11・06GUNS N'ROSES、さいたまスーパーアリーナのライブに行ってきました!!
 「GUNS N'ROSES」ロックの殿堂入を果たしているアメリカ出身のハードロックバンドで、とにかくその「ロックの体現者」的な行動は有名。日本公演でも40分ほどでマイクを叩きつけて帰ってしまい、ショウを終わらせてしまう。予定開始時間から2時間以上押す。ドラッグ、暴力・・・・・・などなど。伝説は枚挙にいとまがない。

 しかし、フロントマンのアクセルローズも2022年で60才。そしてオリジナルメンバーのスラッシュ、ダフも2015年からもどってきた。
 そこでこの2022・11・06さいたまスーパーアリーナでのジャパンツアーである。
 行くか、行かないかめちゃくちゃに悩んだけれどチケットを取った。
 行くのを悩んだ理由としては、すっかりふくよかになってしまったアクセルとスラッシュをあまり見たくない気持ちがあったのと、全盛期に比べれば当然アクセルも声が出ていない(あの特徴的なミックスボイスは見る影もない。インスタでは「ミッキーマウスみたい」と揶揄する声もあった)ので、ショウを見てもがっかりして終わるのが嫌だという気持ちがあった。
 ベースを手にしてバンドを始めたのも、いろいろな音楽を聴くきっかけになったのも、GUNS N'ROSESだったから、その幻想を壊したくなかった。

若かりし日のアクセルローズ(左)とスラッシュ
最近のアクセルローズとスラッシュ

 それでも14才で「Use~」を聞いてからずっと自分の中でベストバンドの位置を占めるGUNS N'ROSES、本物を見られるのであればやっぱり見ておくべきだということで見に行くことにした。例え期待外れに終わるとしても、足を運ぶべきだと、14才からの夢を叶えてあげようという気になったわけだ。期待外れやがっかりすることなんて、この年になればもう慣れっこだ。今更ひとつふたつ増えたところで死ぬわけじゃない。人生は続く。

 Velvet Revolver(以後VRと書く・GUNSのスラッシュ・ダフ・マットソーラムを中心に組んだバンド)も1stの来日公演行って、また行こうと思っていたらスコット・ウェイランドは帰らぬ人となってしまった(来日公演の時も「輪廻転生がどうこう」と言っていたがあのときも○○やっていたのだろうか???)Linkin Parkのチェスターさんも今はいない。

 今いる人たちが明日、明後日になってもいてくれる保証はどこにも無いのだから。

 SAの「Band Maid」「Gran Rodeo」がそれぞれ16:00~17:00~と順調に演奏を終え、18:00~いよいよGUNS待ち。


モニター画像

 朝物販で話した昨日も見た人から聞くと昨日は18:20くらいから2時間半くらいのショウだったそうで、19時くらいには初まってくれるとよいなと思っていたら18:05分くらいからダフがステージ中央に。

 アペタイトからの「It's so easy」でショウがスタート。コロナ禍と言うこともあり、声出しは禁止だったがショウのステージと共に会場からは「どうしても出てしまった」という歓声が聞こえる。定番の「Fxxk Off」はみんな中指立ててかなりの声を出していた。自分はもうこの瞬間崩れ落ちそうなくらいだった。今自分はGUNSのライブで何度も映像でだけ見ていた、一体になってやりたかったことをしているんだ、という奇妙な既視感と満足感。

ネットで拾ったセットリストは以下の通り。

  1. It's So Easy

  2. Mr. Brownstone

  3. Chinese Democracy

  4. Slither (Velvet Revolver)

  5. Welcome to the Jungle

  6. Better

  7. Double Talkin' Jive

  8. Live and Let Die (Wings cover)

  9. Reckless Life

  10. Estranged

  11. Shadow of Your Love

  12. Rocket Queen

  13. You Could Be Mine

  14. Attitude (Misfits cover / Lead Vocal:Duff)

  15. Absurd

  16. Hard Skool

  17. Civil War

  18. Guitar Solo (Slash)

  19. Sweet Child o' Mine

  20. November Rain

  21. Knockin' on Heaven's Door (Bob Dylan cover)

  22. Nightrain
    アンコール

  23. Coma

  24. Don't Cry (The Beatles / The Blackbird intro)

  25. Paradise City

初期の「Reckless Life」から「Absurd」「Hard Skool」まで、おまけにVRの曲まで含むという豪華さ。もちろん「Welcome to the Jungle」「Sweet Child o' Mine」「November Rain」「Paradise City」といったアンセムも押さえられたラインナップ。

息をつく間もないほど、MCらしいMCもほとんどなく(メンバー紹介の時のお茶目アクセルはよかった)駆け抜けるような3時間のショウだった。

November Rain
Don't cry前のblackbird

 ライブは非常に有機的な3時間だった。3~4曲くらいやってMCして、また次の曲やってMCして、というものでなく、曲と曲の間がスラッシュのギターやダフのベースによって繋がっていて、3時間の有機的な1曲のよう(とも言える)なライブだった。

 確かにアクセルの声は全盛期に比べれば、あの攻撃的で、孤高の獣のような声、は出ていない。ミッキーマウスみたい、といわれればそうとも言える。(上機嫌で客席に「ハハハ」と手を振ってたので余計にミッキーみがある)始終笑顔で、楽しそうに歌い、曲が終わるごとに客席に頭を下げる!! あのアクセルが。
 なによりメンバーとプレイすることを楽しんでいるようで、リラックスしながらGUNSというモンスターバンドのフロントマンをしっかり務めていた。
 懐メロ大会、知らない人から見ればそう見えたかも知れないけれど、確実にGUNSの曲たちは名曲で、多くの人の心を動かした。ライブではその名曲たちがオリジナルに忠実でありながら、より新しいアプローチで曲を表現しようとするスラッシュによって進化してるように聞こえたし、ダフの変わらない姿、GUNSのPUNKな部分とバランサー的な立ち位置。
 リズムギターの「リチャード・フォータス」は殴るようにギターを弾きつつも、「Rocket Queen」などでのソロパートではその腕前とセンスを見せつけてくれていたし、ドラムの「フランク・フェーラー」はこの有機的なショウの心臓部として素晴らしいドラムだった。ディジー・リード(なんでかんでアクセルを抜けば在席期間一番長い)とメリッサ・リーズ(2日目はあんまりフューチャーされなかった)というメンバーそれぞれが融合して、素晴らしいショウだった。
 
 懐かしい言葉を使えば「ケミストリー」が今のGUNSにあることをしっかり示してくれたショウだった。
 コロナ禍でなければ「Knockin' on Heaven's Door」のコールアンドレスポンスももっと地鳴りのような客席からの音になっていたんだろうな、それくらい客席は熱狂していたと思う。

そしてスラッシュがステージ中央に立ってParadise Cityイントロを奏でる。

Paradise City

「ああ、この時間が終わるんだな」そう思った。
定番のラストソングなのだ。

ライブのラスト

 音楽好きといっていると、音域の広い高音の出るヴォーカル、テクニックに優れたギタリスト、そういうものに目がいきがちだけど、大事なのはやっぱり曲で、その曲にどこまで深みを持たせられるか、どこまでライブを有機的な、生物としてのLIVEにできるか。そういうことの格好良さ、素晴らしさを味わえたショウだった。

「アクセル、ショウが始まるよ」イジーはそういってホテルの部屋に閉じこもるアクセルに声をかけたという話は有名だけど、すっかり心を開いてくれた(様に見える)アクセルは素敵だった。お腹が出ていても。

BANDMAID

 SA一組目の「BAND MAID」は16時からスタートと、まだまばらさが目立つ客席にも臆せずその野太い音で会場内を一気に引きつけた。しかしメンバー全員がメイドさんの服装をした女性ということとその轟音とのギャップに驚く。
 ゴリゴリッとした6弦ベースと力強いドラム、被せてくる分厚いギター。何より印象的だったのが堂々としたヴォーカルの歌う姿。
 自分たちの楽曲への強い自信と、場数を踏んでいることがうかがえた。アウェーでのライブってバンドを成長させますよね。(全米ツアーやっていらっしゃるそうです)
 気がつけばGUNS目当てとスマホをいじっていたお客さんもステージを注目していた。
 個人的は「Daydreaming」が圧巻で、シンプルにすごいバンドがいるもんだと感心。途中の「DICE」という曲もかっこいいです。
 演奏終わって最後の一言があまりにかわいくて、さっきまでの世界観とのギャップにちょっとずっこけた笑

Granrodeo

 SA2組目はGranrodeo。こちらはハイトーンで声量のあるヴォーカルとどこか懐かしい感じのクラッシックロック感のあるギターとのユニット。とにかくテンションの高いタイトな演奏で、勢いのある演奏。
 「すげーうまい!!」という賞賛の声が周りでも漏れ聞こえる、説得力のあるステージだった。
 ちょこちょこっと「SWEET~」のリフをいれてきたりと、激しくタイトなステージングの中に遊びを混ぜる余裕のあるステージで、本当に高いレベルだった。
 ロックの裾野は思っているより広く厚いんだね。
 そして、なにより会場でライトを振るファンの姿が印象的だった。SAの発表あれだけ急だったのに、こうやって応援しにくるファンがいることの強さは計り知れない。


ケミカルライトを振るグランロデオのファンの姿

前日のSAが「LOUDNESS」ということもあって「どうせ1日行くなら土曜日にすればよかった・・・・・・」というおじさんガンナーたちも多かったと思うけれど、よいバンドとの出会いがあったように思う。


旅のお供

「だから踊るんだよ、音楽の続く限り」
(村上春樹「ダンスダンスダンス」より)

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