見出し画像

初めての金継ぎ(7)_地塗り〜金を蒔く

今回はいよいよ金を蒔く。
まずは前回はみ出てしまった中塗りを整えた。
耐水ペーパーやカッターを使って、はみ出た部分を削っていく。
割れ目がシャープに見えてきたのはいいけれど、調子に乗って欠けを埋めた部分まで削りすぎてしまった。

はみ出た漆を整えたところ(表)。


はみ出た漆を整えたところ(裏)。欠けを埋めたところはうっかり削りすぎてしまった。

削りすぎたところはあるけれど、地塗りをするからまあいいか。
というわけで次の工程の地塗りへ。

地塗りは、生漆に弁柄を混ぜた赤い漆。
黒漆と同じように生漆を水分が抜けるまで練り、さらに弁柄を混ぜて練り合わせる。

生漆を絞り出したところ。


練り始めて5分。透明感が出てくる。


15分、漆が糸を引くくらいもったりしてきた。


練った生漆と同量の弁柄を混ぜる。


5分ほど練ると粉っぽさがなくなって、艶が出てきた。


面相筆で地塗りをする。

割れ目に面相筆で赤漆を地塗する。面相筆ですーっと細い先を引いていると、気持ちがいい。ちょっとした職人気分だ。
「ラップの10分の1の薄さ」をイメージして塗る、というのだから、当然欠けた部分の凸凹は隠せなかった。本当はここでやめて、もう一度黒漆で中塗りをした方がきれいに仕上がるんだろうけど、やっと終わりが見えてきたのに後戻りするのは嫌だったので、このまま続けることにした。
赤漆を塗ったことろで30分おいたら、いよいよ金を蒔く。


地塗りをしたところ(表)。


地塗りをしたところ(裏)。

さて、30分経ったので、いよいよ金を取り出す。
金粉は、「純金消鈖」と書かれた紙にうやうやしく包まれていた。
ここで絶対にくしゃみができないと思うと、急に鼻がムズムズしてくる。

金を真綿に含ませて、地塗りしたところに円を描くように乗せていく。
うっかり削りすぎて凸凹になったところも、なんどか真綿を滑らせると隙間に金が埋まっていって、軽く艶がでてきた。
おおー✨✨

でもまだこれで終わりじゃない。
これで一晩以上置いたら次は磨きの作業。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?