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【ニンジャオン4】イラストメイキング

ドーモ! いつもお世話になっております。
はじめましての方ははじめまして!米沢です。
実は絵とか描くタイプのニンジャヘッズで、一番好きなニンジャはヘルカイトです。

今回、なんとニンジャオン4の物理グッズであるペーパーファイルに使用されるイラストを制作させていただきました!非常に光栄です。ありがとうございます!!
この記事では、制作したイラストのメイキングとちょっとした解説を行います。
気軽にお楽しみいただけましたら幸いです!


①ラフ

まずは、どんなイラストにするかアイデアを考えます。
AоМのキャラクター重点で制作することは決まっていましたので、ストレートにピザタキをテーマに描くことにしました。
ラフはPCを使ってデジタルで描くこともあれば、そのとき居る場所で突発的に描くこともあるので、とりあえず手近にあるものを使ってアナログで小さく描いたものも多くあります。

没になったラフ案を少し紹介します。

爆走するピザタキワゴン。マスラダはピザワゴンを挟んでイクサの最中で、手前側にダイナミックに描かれる…想定……でした。
背景には歌舞伎町一番街アーチをモデルにしたゲートが映り込んでいます。全然わからないですが背景にフィルギアとかガーランドとかリンホとモニコとかも描こうと思ってました。
個人的にはかなり好きなタイプのイラストですが、縦型の画面にうまく合わせられなくて没になりました。キャラもどうしても小さくなってしまうし。

こちらはピザタキ店内をクォータービュー風味で表現する案です。
今日のニンジャスレイヤーは連載だけに留まらず、TRPGやTCGといったゲーム体験の盛り上がりもスゴイので、できるだけ多くのキャラを登場させつつ、ゲームマップを思わせる構図にできないかなと模索していたものです。描いた自分自身にしか分からない乱雑さなんですが、ピザをレンチンするフジオや酔ったブライカンに絡まれるムギコ、レイジ/ユンコのペアにちょっかいかけるフィルギアなどを描くつもりだったみたいです。
細部を詰めきれず没になりましたが、いつかリベンジしたい構図です。

こちらはコトブキ単体のラフです。最終的に採用した案の原型にあたるものです。デジタルで作っているのもあって、上二つとはうってかわってすごくシンプルに見えますね。
最初はコトブキ以外のピザタキの面々はミニキャラでピザの上に置いて可愛い感じにしようかなーと思っていたんですが、最終的にはこうなりました。

ケモチャンはどうにかして入れたかったので混ぜました。

②線画

今回はアナログで描きます! 理由は速く描けるからです。
厚手のコピー用紙に、ごく薄い水色に変えたラフをプリントアウトします。
ギリギリ視認できるかできないかくらいの水色で丁度いいです。

物理会場(忍-3)に原画を持参するのでよかったら見てみてください。

印刷したラフの上から、0.5のシャープペンシルで線画を描き込んでいきます。
あまりきっちり描く必要はないです。この段階だと手とかまるでちゃんと描けてないのですが、気にしません。
迷い線も特に精査せず残したままどんどん描いていきます。

描けたものをスキャナーで取り込みます。明るさとコントラストを調整して、線画を抽出する機能を使って白い部分を透過したら線画の完成です。

デジタルで描くより5倍くらい速いです。この後が大変だけど!

ラフはごく薄い水色で印刷していたので、取り込みの段階で綺麗に消えます。
背景はカメラワークと何が置いてあるかが一応分かる程度に描いています。
今回は背景はあまり目立たない仕上がりになる予定なので、線の数をなるべく少なくしています。歪んでいても気にしません。

③塗り分け

一番"作業的な"工程です。正直な話、超絶面白くないので、いつも無心でやっています。
最初にキャラクターを全部まとめて灰色で塗りつぶします。背景は別のレイヤーで、これもまた灰色に塗りつぶします。

レイヤーとは、線を書いたり色を塗ったりするための「層」のことです。よくアニメのセル画に例えられます。デジタルイラストの多くは、たくさんのレイヤーを駆使して制作されています(使わない人もいます)。

レイヤーのイメージ図

キャラクターに塗った灰色のレイヤーの上に新たにレイヤーを作り、それぞれのキャラの肌の色だったり、コトブキのオレンジ色の髪だったり、タキの金髪だったりと、物体がそれぞれに持っている色を塗っていきます。
あとで下地の灰色と合成するので、ちょっと鮮やかめというか、あえて強めでキツい色を選んで塗り分けています。

線を精査してないので、輪郭線が二重三重になっていてわけわからんところもあります。その場合は線画をあまり重視せず、シルエットで見ていい感じに輪郭を取ります。

塗り分け完了です。

④ベース塗り

固有色の上から、灰色を使って影を入れていきます(乗算レイヤー)。
境目はあまりぼかさないように、硬い印象のブラシを使ってぱきっと入れます。精緻にいれる必要はありません。ぱっと見の印象を重視していきます。

きつめになっていた色合いを柔らかくするために、固有色のレイヤーと影のレイヤーの透明度をいい感じにいじります。

とりあえずはこんな感じになりました。
これが、このあとの塗りのベースになります。

⑤調整

上からさらに影を濃くしたり、逆に光を入れます。
光については明るいところに入れるというより、「手前に飛び出しているところ」を明るくするイメージでやっています。もっと先の工程で追加するので、現段階ではかなり控えめです。

あんまり違いがわからないですが、光と影を調整しました。
下地が灰色のため、全体的に色がくすんだ印象になってしまっていますね。
絵によってはこのまま進めますが、今回は肌を血色良く見せたいので、ここで一度全体を大まかに調整します。

全体に赤っぽい色を被せます(オーバーレイレイヤー)。
そのままだと強すぎるので、レイヤーの透明度を良い感じに調整します。

ただ赤色を一色だけ被せるだけでも結構印象が変わりますが、エアブラシなどで部分的に被せる色を変えると、更に思った通りの効果が出せます。

被せた色をわかりやすく表示するとこんな感じです。

なんとなくまとまりが出た気がしますね。

ちなみに、なんかいつの間にか背景が消えていますが、これは背景だけ別のレイヤーに分けて、一時的に非表示にしているためです。

⑥根性

線画を含むすべてのレイヤーの上から、ブラシでひたすら塗り重ね、整えていきます。そうとしか言いようがないので根性と呼んでいます。力技ですが、全部の上から強引に塗りつぶすので、レイヤーの管理を真面目にやらなくていいというメリットがあります(ズボラなだけでは?)

迷い線が目立つところも潰して整えます。
必要な線が消えてしまったらあとから書き足します。
コツとか何一つないです。スポイトで周辺の色を拾いながら、ひたすら整えます。 

いくつか比較
コトブキ

左:before 右:after 髪の形を少し整えたのと、瞳を大改造しています

ピザとザック

上:before 下:after 

どこを加筆したのかわかりやすくなるように抜き出してみると、こんな感じになっています。キャラの目とかピザとかに至ってはほとんど丸ごと塗り直していることがわかります。怖いですね。

オバケめいている

全体を比較するとこんな感じです。

⑦納得行くまで調整

ここからは画面全体に対して⑤調整と⑥根性を繰り返します。
ひたすらベースの色を調整し、細部を根性します。

人物がまだ暗いので、明るさを調整しました。
(手順→人物にだけ灰色のベタ塗りのレイヤーを重ねて、レイヤーモードを覆い焼きに変更します。透明度をいじってちょうどいい明るさに調整します。)
また、もう一回赤やオレンジ、瞳の色のオーバーレイなどを部分ごとに重ねて、肌や髪の色も調整しています。
この上から根性します。

★細部の描き込み

EXTRA VIRGIN…

ピザのオイルやラベルといった細かい部分を描き足します。
オイルはちょっとだいぶかなり嘘っぽい表現ですが、今回はあくまで可読性を重視して字の形をなるべく崩さないように描いています。

髪にハイライトを足しました。グッと魅力的になる瞬間だと思います。

髪にハイライトを描き足したり、とにかく全体的に細かく手を入れていきます。マジで目についたところからやっているので全然記録に残せてなくてすみません。

★背景

画面上部と画面下部で視点(カメラ)からの距離が違うので、それぞれ別の処理を施しています。

スクショミスってTシャツの文字消えちゃいました(許して)

画面上部は遠いので、ガッツリぼかしてしまっています。この絵は背景よりも人物のほうが重要なので、情報量をあまり増やしすぎないように、描き込みもほとんど行っていません。
画面下部は位置関係が近いので、ぼかしはかけずに根性で塗っています。主役ではないので、人物よりはだいぶ大まかな感じです。

★完成!

あとはなんかキャラを縁取ったり小さな調整をしたら完成です!
やったー!

いかがでしたでしょうか。
筆者は普段、色々な描き方で絵を描きますが、どの場合も基本的には根性で仕上げていく感じです。絵は根性!
今回は久しぶりにアナログで線画を描きました。途中まで少々不安でしたが、最終的にはハイブリッドな作画ならではの風合いに着地させられたのではないかと思います。

このイラストはニンジャオン4の物理グッズに向けた描き下ろしでもありますので、物理で入手された方はぜひグッズとしてもお楽しみいただけましたら幸いです!

米沢でした! それではまた!

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