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〇 クロスカントリー:気象条件2

皆様、お疲れ様です。
パラグライダーが趣味のよねけんです。
クロスカントリーフライトについて自分の考えを書いています。
今回は「気象条件2:データの入手と分析」です。今回は無料記事です。

前回から読む 瀬女高原の攻略:攻略の条件とは (有料記事)


題名がクロスカントリーから始まっている記事は自分と同じレベルのパラフライヤーを対象としており、マニアックでガチな内容です。
ご承知おきください。


 獅子吼高原から瀬女高原へのクロスカントリーフライトを題材にした記事です。(獅子吼以外の方、済みません。) 


他のフライヤーは気象条件をどうやってみているのか?

 ・・・って、気になりますよね。今回の投稿は、個人的なリクエストをもらっている内容でもあります。(リクエストされてから約1年経過しているのはヒミツ) 以前の投稿:気象条件1では、気象条件とフライトの関係について書いたのですが、その気象情報をどうやって取って、どのように判断しているのかについて書きます。

情報の入手方法は?

 個人的にはいくつかの気象予報ツールを使っています。使っているツールは下記の3つです。色々と試したのですが、現在はこの形になっています。

 一時期「SkySight (有料)」も使っていましたが、Windyの有料版に変更しています。

日々使っている気象情報のツール

これら3つのツールは場面によって使い分けています。

 最初に見るのはYahoo天気です。例えば会社の昼休みに「今週末、天気は晴れて飛べないかな~」とか考えた時に使います。週間天気予報なので予報確率は低いですが、晴れや曇りで飛べる可能性があるのか、雨や台風でほぼダメなのかどうかを見ます。
 2つ目はWindyです。週末は晴れそうとなると風向きの確認のために使います。アゲンスト気味で飛べそうか、晴れだけど全くのフォローでダメなのかの見当をつけます。
 3つ目はGPVです。この予報は精度が高いのですが、48時間分の情報しかありません。なので前日、当日の朝に最終確認に使います。風は地表の情報が向きがメインなので、高度別(ランディング、テイクオフ、700~1,500m)はWindyで確認を行います。雲や雨についてはGPVを使います。

どんなデータをどんな風に見るか?

 単純に週末飛べるかなぐらいの話であれば以下の感じになります。

  1. 週の半ばからYahoo天気を見る。

  2. 週末が晴れだったらWindyで風向きを確認をして飛べそうか確認する。

  3. 前日になったらWindyで10時から16時のテイクオフや700m以上の風向と晴れか曇りを確認する。また、GPVで風向きや雲の張り出し具合がWindyと見比べる。

  4. 当日朝の8時半のGPVの最新情報をみて、Windyも変化がないか確認する。

 まぁ、楽しく週末フライトをエンジョイするのであれば、こんな感じでOKなんですけど、クロスカントリーフライトとなると、そうも行かない。少し情報の見方が細かくなります。

 クロスカントリーフライトの場合、獲得できる高度とグライド(※1)時の風向きが重要になってきます。普通はフォロー(追い風)でグライドをするので、南に行くのであれば北風の成分(※2)、北に行くのであれば南風の成分(※2)が重要になります。また、獅子吼高原から瀬女高原までは1時間から2時間のフライトになります。この場合、1時間単位で情報が欲しくなります。Windyの無料版では時間間隔が3時間単ですが、僕は有料版に入り1時間ごとの予報を見ています。

 クロスカントリーフライトをやろうとした場合は、上記の1~4の手順で、3と4の間に追加の項目が増えます。これは主にWindyを使ってやっています。(以前はSkySightを使っていました)

  • エマグラム(※3)で雲低高度や減率(※4)を確認する

  • テイクオフ付近の高度600mの風速と風向を確認する

  • 高度700~1,500mの風向を確認する

  • その時の雲量を確認する

 その時の予報によりますが、11:00以降にテイクオフをして、15:00ぐらいまでに瀬女高原に行くことを想定して情報を見ます。

Windyで提供されているエマグラム (いくつか種類があります)

 実測のエマグラムを見る場合は、気象庁が行っているラジオゾンデによる観測結果を参照することができます。しかし、獅子吼に近いのは輪島での観測結果なのですが、獅子吼から見て距離があるのと、観測データなので古いデータになります。
 Windyでは各ポイントの予想エマグラムを出しています。これを見て雲低高度や減率を確認できます。減率:気温減率は各高度でどれだけ気温が下がっていくかを示すもので、高度による気温低下が大きいほどサーマルが強くなります。より短い時間で高い高度を取ることが可能ですし、通常よりも高い高度まで上がれることが多いです。

1時間単位の各高度の風向きと強さや雲量の情報

 また、Airgramという表示では、1時間毎の各高度の風向風速、雲の状態が分かります。これにより気象の経時変化を考えることができます。GPVも見ますが予報範囲と地形データの関係が分かりづらいのが難点です。

アニメーションによる風の確認

 また、右サイドにある高度指定で、見たい高度の風のアニメーションが見られるので、フライトするルートの風向風速を細かく知ることができます。

実際はどうなんだろう?

 とまぁ、事前に気象情報を収集して皮算用をしているわけですが、実際にはどうなのかって気になるところです。
 あくまでも予報なので、実際の観測値、例えばアメダスの実測値と比較することである程度「ずれ」は分かります。確かに風の強弱、強弱のタイミング、風向のずれは分かるのですが、観測ポイントが限られるのでデータとしてはいまいちです。日照時間など分からない項目もあります。結局、実際に飛んでみて感触を見るしかないというのが本当のところです。(結局それ?とか言わない)

久しぶりの駄文はここまです。

まだまだパラグライダーな日々は続きます。

【注記】
※1:グライド
 ブレイクコード(操作に使うラインで引くことで旋回が出来る)を引かない状態で飛んでいる状態。更に加速のためアクセルという機能を使っていることもある。

※2:風の成分
 例えば北東や北西など、北の方角が入っている場合、北の成分とか言ったりします。

※3:エマグラム (emagram)
 気象に用いられる断熱図(熱力学ダイアグラム)の1つで、ある地点の上空における大気の安定度を評価するために用いられます。エマグラムは、横軸に気温を常数目盛で、縦軸に気圧を対数目盛でとったグラフ上に、ある地点の上空の気圧と気温および露点の関係をプロットしたものです。(Bardより)

※4:減率
 本文にも示しましたが、気温減率は各高度でどれだけ気温が下がっていくかを示すもので、高度による気温低下が大きいほどサーマルが強くなります。


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