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意地でもハマりたくなかった物語シリーズ半年かけて全話見た

「お前、キスショットと戦場ヶ原ひたぎ好きそうだよなw」

「ハ、ハァァァァ~~~~~!? そんなわかりやすくねェし!! もう化物語ぜってー見ねえし! なんか悔しいわ!! オレが西尾維新ハマったらなんかもう自分で自分が嫌いになりそうだわ! オレどっちかっつーと型月派だし!? もう絶対見ない! 絶対見ないねッ!!」

10年くらい前、中学の同級生との会話

 僕は、21年間生きてきて、物語シリーズに一度も触れてこなかった。

 アナタにも、1作ぐらいあるんじゃないだろうか。さしたる理由もなく、深い意味もなく、明確なきっかけもなく、「なんとなく見たくない」と思っていた作品が。それが━━僕にとっては物語シリーズだった。それだけの、たったそれだけのお話。

 そしてこれは、そんな些細なことから始まる、約半年の物語<視聴記録>。

 今から半年くらい、時が巻き戻る。日付は2023年の4月13日。僕は、社会人になっていた。なんとなく、深夜にテレビをつけていた。僕はオタクなので、Tokyo MXとかいう四六時中アニメを垂れ流し続けるオタクの不夜城のようなチャンネルをつけていた。

 時刻は0時半。ちょうど『アイドルマスター シンデレラガールズ U149』が終わった。なんとなくチャンネルを9番に回した。そこで━━流れていた。世にも奇妙で、不可思議で、それでいて倒錯的な魅力に満ちていたアニメが。

 それは、僕が中学以来避け続けていた『化物語』というアニメだった。
 それは再放送だった。それは中学以来の再会だった。勝手に僕のことキスショットと戦場ヶ原好きだと決めつけてきたあのヤローは元気だろうか。

 これは、あんなに遠ざけていた作品への……中学以来の再挑戦である。

YouTubeより

化物語

ひたぎクラブ

公式アカウントより

 いや、まぁ「なんとなく見てなかった物語シリーズ一気見したらハマっちゃったよ」ってだけの記事なんすけどね。なんかカッコつけて仰々しい導入にしてみたけどアニメ版物語シリーズの感想を適当に書いていくだけの記事です。適当に読んでください。

 4月13日の化物語再放送第1話、未だ鮮明に焼き付いている。ありえない演出。ありえないカット。ありえない絵コンテ。だけどそれが、なぜか心地いい。マシンガンのように連射されるセリフ。容赦なく投入されるよくわからないキャラ。度を越した量のモノローグ。だけどそれが、なぜか心地いい。

 おそろしい物量でありながら、30分を一瞬に感じさせた。ありえない密度でありながら、とんでもない軽さで飛んで行った。頭部を蟹のハサミで殴られたかのような衝撃を受けた一方、それはたった30分でしかなかった。これがまさに、「蟹に挟まれる」ということだろうか。

 特に、戦場ヶ原ひたぎの腕からガシャガシャガシャっと大量の文房具が飛び出してくるあの演出。あまりにも最高。あまりにもイカす。カッコよすぎる。最初は「なるほど!戦場ヶ原は文房具を操る異能力者なのか!!」と思っていたけど、結局化物語でしかあの文房具使われなかった気がする。

公式アカウントより

 私は、21歳だ。2002年2月1日生まれの21歳だ。

 『Fate/Zero』のアイリスフィール・フォン・アインツベルン、『ペルソナ4』の足立徹と同じ誕生日の、ぴちぴちの21歳だ。この若さでこの文才、あぁ恐ろしい。時々、自分の才能が自分で怖くなる。「もうわかった。しつこい」と大半の人が音を上げているかもしれないけど、それでも私は21歳なのだ。つまりどういうコトか。

 本来、私は物語シリーズを見ていてもおかしくない世代なのである。


まよいマイマイ

公式アカウントより

 なんで……なんで見ていなかったんだっけ……。

 いや、確かに友達に「お前はキスショットと戦場ヶ原ひたぎ好きそうだよなw」と煽られたことはその理由の一つである。それが10年近く禍根を残しているのだから、私の器の小ささが窺い知れよう。ちなみに化物語3話くらいまで見た限りでは戦場ヶ原ひたぎが一番好きです。

 私は結構、ラノベが好きだった。アニメも好きだった。同級生と「お互いに好きな作品のことだけを一方的に語る」という名のミニマムな作品情報交換会もちょこちょこ開かれていた気がする。『デュラララ!!』も見ていた。『レンタルマギカ』も見ていた。『SAO』も『このすば』も見ていた。なんなら図書室に『狼と香辛料』と『キノの旅』が置いてあった。

 そして教室で『空の境界』を読みながら「フッ、このクラスで空の境界読んでるヤツなんて俺くらいだろう━━━」と勝手に優越感に浸っていた気がする。おっと、これは友人から「ジスロマックさんの中学型月エピソード生々しすぎるから絶対ネットに放流しない方がいいですよ」と釘を刺されていたやつだったか。

 なのに、いま『化物語』を初めて見ている。
 そんなに西尾維新にハマるのが嫌だったのか、中学の私よ。

YouTubeより

 特にこれ、「まよいマイマイ」。
 悔しいけど、ちょっと好きになってきた。
 悔しいけど、段々ハマってきている自分がいる。
 そして「かみまみた」の意味がわからなくて、「八九寺真宵 かみまみた 意味」で検索したのは自分の墓まで持っていこうと思う。

 特に第3話「まよいマイマイ 其ノ壹」にて、前半ひたすらいつもの公園で阿良々木くんと戦場ヶ原が裸エプロンになるだかなんだかで言い合い、そのまま後半は八九寺真宵と阿良々木くんが取っ組み合って30分が終了し、結果として「1話丸々いつもの公園から出ていない」という信じられない回がぶっこまれた時、私は雷に打たれたような気持ちになった。

 これ、伝説のアニメじゃないか。

 3話で「1歩も公園から出ずに話すだけ」とかいう回が来てもいいのか。もはや故事成語もいいところかもしれないけど、一応アニメには「3話切り」とかいう言葉があるんじゃなかったのか。まどマギで巴マミが死ぬ時、化物語は公園から一歩も出ていない。

 そして、徐々にわかってきた。「まよいマイマイ」が完結するあたりで、ようやく理解してきた。これまで見えていなかった方針が、実像が、やりたいことが、やっと見えてきた。この『化物語』という作品……もしかしたら「変な女性が大量に出てくるジョジョ4部」なんじゃないのかと。


なでこスネイク

YouTubeより

 恋愛サーキュレーションきたあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 えっ、もしかして化物語ってヒット曲しか流してない?
 キミの知らない物語とstaple stableと恋愛サーキュレーションと帰り道が1シーズンに詰め込まれてんの流石におかしくない? 全部の打席でヒット撃ってない? アニソン界の大谷翔平? いや事実アニソン界の大谷翔平。

 あぁ、確かに最近よくあるよな。昔のヒット曲をそのまま流すアニメって。これもそういう戦法のアニメってコトね。いや全部化物語の曲だったわ。名曲しか流してないから錯覚するけどこれ全部化物語の曲だったわ。

 え、何? 「するがモンキー飛んでますけど」って?
 いやぁ、なんか率直に「神原駿河のこと好きなやつって人生ロクな目に遭わなそうだよな……」と、私は思ったのでした。以上、さらば神原駿河!!

公式アカウントより

 「なでこスネイク」を見て思ったこと、それは「別格」。

 何か、歪んでいるような気がした。
 何かが、間違っているような気がした。
 何かを、見落としているような気がした。

 化物語は、違和感のある日常を描いている。その違和感は、「怪異」が起こしていたりする。そして怪異が祓われた時、その違和感は消え去る。
 だけどなでこスネイクは、何も違和感が消えなかった。何か、救われたのか? 何か、日常から違和感が消え去ったか? 何か、理解できたことはあったか?

 この「千石撫子」という少女のことを、何も理解できてない気がする。

 「ひたぎクラブ」を見終えた時、多少なりとも戦場ヶ原ひたぎのことを理解できた。「まよいマイマイ」を見終えた時、少なからず八九寺真宵のことを理解できた。「するがモンキー」を見終えた時、わずかながらに神原駿河のことを理解できた。「つばさキャット」も、「かれんビー」も、「つきひフェニックス」も、それは同上。

 しかしてこの「なでこスネイク」というお話は、何も千石撫子のことを理解できていない気がした。人となりが、人間性が、本心が……何もわからなかった。だから、「別格」。理解できないものの方が、印象に残る。

 まさに、「尾を引く」物語。
 蛇に巻かれた少女の物語に、煙に巻かれたような気がした。

 あ、ちなみにここで全ての女子キャラをぶち抜いて千石撫子が一番好きになりました。


つばさキャット

公式アカウントより

 化物語を見ている中で、何度か思うことがあった。

 「君の知らない物語」って、なんの曲なんだ。

 確かに、めちゃくちゃ良い曲だと思う。
 確かに、アニメ史に名を刻む曲だと思う。
 確かに、今もなおsupercellの最高傑作と言われる名曲だと思う。

 だけどこれ、なんの曲なんだ。

 誰と誰が天体観測をしにいっている。
 何の誰の話の歌なんだ。
 「あれがデネブアルタイルベガ」って、化物語となんの関係がある。

 ……天体観測だぁ~~~? そんな真っ当なカップルみたいなコト、このアニメがやる余地なんかあるのか!? いや、ないね! なんか段々腹が立ってきた。なんでこんな八九寺真宵と阿良々木くんが取っ組み合うようなアニメで、やたらめったらキラキラした楽曲を仕上げてきたのか。

 なにが「やっと見つけた織姫様 だけどどこだろう彦星様」だ!
 これのどこかが化物語のEDだってんだ!!

公式アカウントより

あれがデネブ。アルタイル。ベガ。有名な、夏の大三角ね。

これで全部よ。私が持っているもの、全部。勉強を教えてあげられること。可愛い後輩と、ぶっきらぼうなお父さん。それに…この星空。私が持っているのは、これくらいのもの。私が阿良々木くんにあげられるのは、これくらいのもの。これくらいで、全部。

化物語「つばさキャット」

 これ……………「化物語の曲」じゃないか!!!!!!!!!

 「あれがデネブアルタイルベガ、君が指さす夏の大三角」じゃないか! 「真っ暗な世界から見上げた夜空は星が降るようで、いつからだろう君の事を追いかける私がいた」じゃないか…………。「バカみたいにはしゃいで歩いた、抱え込んだ孤独や不安に押しつぶされないように」じゃないか……。

 私、ずっと引っかかっていたことがあったのです。 
 「あ、君の知らない物語って、OPじゃなくてEDなんだ」ということに。

 だけど、その「EDの意味」すら回収されてしまった。化物語を読み終える時、この歌は流れる。これくらいのものをあげる時、この曲は流れる。この想いを伝えた時、この気持ちは溢れ出す。まさに、「エンディング」で流すために作られた曲。

 友達が終わりを迎えて、恋が始まる時の歌。
 恋が終わりを迎えて、友達が始まる時の歌。

 ずっと思っていたこの気持ちを、伝えるための曲。
 ずっとわかっていたこの気持ちを、そっと隠すための曲。

 あの夏の大三角を君に見せる……「今」のための言葉。
 あの夏のきらめく星を君と見ていた……「思い出」のための言葉。

公式アカウントより

 この12話を見た時、明確に「好き」が「面白い」に切り替わった感覚を覚えました。「まぁ、なんとなく好きかな」が、明確に「確かにこれは面白い作品だ」に切り替わった。「自分は好き」だった化物語が、「面白い作品」になった。それくらい、12話はすごかったです。

 個人的な感覚ではあるのですが、「君の知らない物語」が第一形態「なんかようわからんけどいい感じのED」、第二形態「戦場ヶ原ひたぎとの天体観測ソング」、第三形態「羽川翼の失恋ソング」でたかだか5分の曲に計3フォーム用意されているのが本当に天才の仕事だと思いました。ryoは日本の宝。

 あと、化物語全話見た限りではやっぱり戦場ヶ原ひたぎが一番好きです。

 そして一応アニメ化されている分の物語シリーズ全部の話をしようと思っているんですが、この時点で5000字らしいです。これはマズい。また「くどい!」と言われる激長記事になってしまう。暇な時、読んでください。

 後日談というか、今回のオチ。

 化物語のメインヒロインは……………………忍野メメ!!!!!!!


偽物語

YouTubeより

 百鬼夜行をぶった斬る、地獄の番犬!デカマスターだ!!

偽物語「かれんビー」

 なんでデカレンジャーなの??????????????????

 化物語に出てくるパロディは全部「これに突っ込んだら負ける」と思ってスルーしていました。きんぎょ注意報も、「ぶっちゃけありえな~い!」も、銅四十グラム、亜鉛二十五グラム、ニッケル十五グラム、照れ隠し五グラムに悪意九十七キロも……。

 これに反応したら西尾維新の掌の上ではないか。

 いや、それだけは絶対に嫌だ。…と思ってたけど流石にデカマスターだけは反応せざるを得ない。悔しい。夕食中、リアルに「なんでデカマスターなの!?」と跳び上がってしまった。西尾維新にスーパー戦隊書いてほしい。

 まずい、私の型月バリアーがどんどん破られてきている。ダメッ!アタシは型月派なのッ!!こんなことで屈したくない!型月バリアーって何?

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 さっき「物語シリーズが“好き”から“面白い”に変わった」などとプロのライターぶった偉そうなことを書いたけど……正直、偽物語でまた「私は好き」に戻った。

 なんというか……率直に「すごい」と思った。

 確かに、偽物語は面白かった。私が一番好きなシーンは貝木泥舟が阿良々木火燐から財布を巻き上げる時に「帰りの電車賃は残してやるか。いや、定期があったか……(笑)。小銭も貰っていくぞ(笑)。」と言いながら結局財布の中身全部持ってくシーンです。あそこだけは本当に天才だと思った。

 あと、暦にいちゃんと火燐ちゃんが歯磨きするところもすごいと思った。歯磨きプレイって、なに。もうここまで来たら王者の貫禄を感じる。これ、伝説のアニメじゃないか。確かにこれは、「時代」のアニメかもしれない。 

 阿良々木くんがデフォで妹ふたりを「火燐ちゃん」「月火ちゃん」と呼ぶところ、偽物語のうまみが全部詰まっている。

YouTubeより

 だけどこれ……こんなにお金をかけて作っていいアニメなのだろうか。すごく端的に言えば、「阿良々木君の妹が2人出てきて、なんだかすったもんだを起こしていい感じに終わる日常の話」にここまでのコストをかけていることに驚愕した。そう、あまりに話が小規模。あまりに、「日常の話」だ。

 偽物語に、本物のスペクタクルはあるのか?
 偽物語に、本物のスーパーアクションはあるのか?
 偽物語に、本物のヒューマンドラマはあるのか?

 ……いや、ない気がする。だって妹と歯磨きプレイしてるアニメだぜこれ!? だけどこんなに、こんなにもお金をかけていいのか!?

 なんか単純に、「このお話にここまでパワーを注ぎ込んだ」ことに対して称賛の言葉を送りたい。

 偽物語で味わった「この作品にこれだけのパワーを注ぎ込んでくれる“漢”がいたのか」という感動、『パルプ・フィクション』という映画を初めて見た時に近いかもしれない。そして、『お兄ちゃんはおしまい!』のEDを初めて見た時にも近いかもしれない。例えが両極すぎる。

YouTubeより

 うわああああああああああああああああああ白金ディスコだああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 忘れてた。そうだ、このアニメ……「白金ディスコ」という二の矢を隠し持っていたことを忘れていた。拝啓、あんなに「物語シリーズにだけはハマらない」と息巻いていたくせにニコニコ動画の吉幾三が白金ディスコを歌う音MADには結構ハマっていた中学時代の僕、お元気でしょうか。

 後日談というか、今回のオチ。

 阿良々木火燐は………………………流石にエッチだと思う!!!!!!!


猫物語(黒)(白)

公式サイトより

 羽川翼のことを理解できる人間は、いるのだろうか。

 猫物語(黒)を見ていて、率直に思った。「化物語→偽物語」で私の物語シリーズへの熱量はクライマックスに達していて、「俺は……俺はいま青春を取り戻している!!」と訳の分からない思春期症候群<ピーターパンシンドローム>を発症しそうになっていた。

 最近、自分でも気がついてきた。私は多分、2010年代に囚われているオタクなのだと。1年ほど前、化物語と同じくTokyo MXで再放送されていた『ブレンド・S』というアニメを何気なく見ていたら、なぜか涙が出てきた。懐かしさと、寂しさと、思い出がないまぜになった涙が、こぼれ落ちてきた。

 多分『中二病でも恋がしたい!』を今もう一度見たら、私はそれだけで涙が出てくる気がする。世の20代諸君、私に共感してくれ。してくれなきゃ私が救われないから。してくれなきゃただの悲しいモンスターが爆誕するから。

 ……そして物語シリーズを見ていると、そんな気持ちになってくる。別に当時は見ていなかったのに、なんだかあの2010年代を思い出してちょっと寂しくなってくる。懐かしくなってくる。時計の針が、巻き戻ったような気持になってくる。物語シリーズを見ている時、俺は中学生だ!!!!!!

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 ……なんの話だっけ。こうやって脱線するからどんどん文字数が膨らんでいくのではないか? あぁそうだ、羽川翼の話だ。

 「化物語→偽物語」で一度ピークに達した物語シリーズへの熱量が、この猫物語(黒)で一旦落ち着いた。なぜか。羽川翼がよくわからないから。

 事実、この記事でもここまであまり羽川翼には言及してない。
 なぜか? ……………よくわからないから。

 まず、人を好きになるためには、「その人のことを知らなきゃ」いけないと思う。もちろん、パッと見の外見も大切ではある。それで言えば、彼女の魅力的な肉体と、知的さを感じさせるビジュアルは魅力的だ。けれど、自宅に突如「羽川翼」が出現したとて、出会って3秒で「好き!」と思えるだろうか? いや、性欲が限界に達していたら思うかもしれない。

 ……とにかく、「よくわからない」人のことを、私はあまり好きになれない。理解の範疇に収まらないのが人間の美徳だと思う一方、「友人」として考えた際、「よくわからないヤツ」ほど不気味なものはない気がする。そしてキッパリ言ってしまえば、私は羽川翼のことを、「不気味」だと思った。

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 なんでもは許してくれないけど、大体なんでも許してくれる。
 なんでもはやってくれないけど、大体なんでもやってくれる。
 なんでもは知らないけど、大体なんでも知ってる。

 ……そんなヤツ、友達にいたら怖くないだろうか?

 お願いしたことを、大体なんでも聞いてくれる?
 困った時、いつでも手を差し伸べてくれる?
 そんなの都合が良すぎる。人間、わずかでも「悪意」は抱えて生きているものだろう。いや、悪意のない人間なんて、そんなの人じゃない。性善説で生きている人から見ても、羽川翼はちょっと怖く見えるんじゃないか。

 だから、羽川翼のことは「よくわからない」としか思えなかった。
 この「よくわからない」という分類にしか入れられないこと自体、なんだか居心地が悪い。羽川翼に失礼な気もするけれど、事実そう思ってしまうのだから仕方ないじゃないか。

 なので、猫物語(黒)も、「よくわからない人の、よくわからない話を見せられた」という印象に終始した。正直、「なぜ羽川翼にここまで尺を割くのか」とすら、思っていた。もう羽川翼の話は「つばさキャット」で決着がついているのに、なぜ過去編まで挟んでくるのか。よくわからない。

 羽川翼に、ここまでリソースを注ぐ理由がよくわからない。

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 だけど、それが全て「猫物語(白)」で氷解した。謎が、溶けた。
 火事だけに。

 もし、「結局、物語シリーズだとどれが一番好きなの?」と聞かれたら、私は「猫物語(白)」と即答するかもしれない。正直、羽川翼はタイプじゃない。でも、猫物語(白)が一番好き。

 どうして、羽川翼はこんなやつなのか。羽川翼とは、何者なのか。羽川翼は、猫なのか。虎なのか。人間<ひと>なのか。化け物なのか。優等生なのか。劣等生なのか。友達なのか。恋人なのか。

 「羽川翼」を定義するものが、この猫物語(白)で正確に定められたような感覚があった。つまり、「羽川翼は、変なヤツである」ということを、自分の中でやっと理解できたような気がした。

 羽川翼は、お寿司に醤油をつけない。羽川翼は、てんぷらをつゆにつけない。ヨーグルトにグラニュー糖を入れない。ハンバーグやオムレツにケチャップで文字を描かない。お好み焼きにソースは塗らない。おにぎりに塩は混ぜない。食後のコーヒー、ブラック確定。

 ……なんでも受け入れる、変なヤツだった。そうか、「変なヤツ」でいいのか。この時、私は羽川翼の「人間らしさ」を垣間見た気がした。不気味だった。それは、「完璧超人」に見えていたから。人間らしさの欠片も感じさせない、化け物だと思っていた。

 でも、「なんでも受け入れる変なヤツ」だと理解できた。
 そこでちょっと、「人としての羽川翼」を好きになれた気がした。

公式サイトより

 嫌いなものがあるっていうのは、好きなものがあるのと同じくらい大切なことじゃない?

猫物語(白)「つばさタイガー」

 人は、信じられないくらい些細な言葉に、うっかり救われることがある。

 偉人の言葉より、親の言葉より、神の言葉より、ちょっとした物語の、些細なセリフに救われることがある。夏コミで買ったアニメーターの同人誌のあとがきに勇気づけられることがある。上のセリフ、私が物語シリーズで一番好きなセリフです。

 多分……シリーズ全体で見たら、これはあまりに些細なセリフである。これに比べたら、阿良々木君がもっとカッコいいことを言っている。でも、私はこのセリフが一番好きなのです。好きすぎて、全く関係のない記事が完全に猫物語(白)のパクリになったくらいです。吉田、すまん!

 そして、些細な言葉で人は変わることがある。ちょっとした関係で、人生が動くことがある。ふとしたきっかけで、運命が変わったりする。

 極論、物語シリーズは、ここの「人が変わる」という部分が一番すごいと思う。この作品に出てくるキャラは、「キャラの強度」が異常に高い。もうどうやってもキャラ崩壊しようのないくらい、ガチガチに「強い」キャラがたくさん出てくる。その割に、あっさりキャラがおかしくなったりする。

公式サイトより

 猫物語(白)に出てくる戦場ヶ原ひたぎとか、まさにそう。あの戦場ヶ原が、ずっとボケ続けている。なんかずっと羽川翼にセクハラしている。「彼氏に影響を受けた」の限度を超えている。西尾維新、どういうこと?

 でも、もしかしたら人ってこういうことかもしれない。「物語」って、こういうことかもしれない。不可解で、不可分で、不可思議な話。だけどその根幹は、「人に出会って、変わる」ことがある気がする。

 誰かに出会う。
 そして織りなされる物語。
 そこから生み出される日常。
 変わっていく人、うつろう季節と、過ぎ去る時間。
 その軌跡を、「物語」と定義した作品だったと思う。

 この記事は、多分まだ続く。
 だけどここで、結論<オチ>を書いてしまおう。

 物語シリーズは、「人に出会って、変わる」お話だと思った。
 そして私は、ここが一番好きになった。

 人はひとりで、勝手に変わるだけ。だけど、変わるきっかけを作るのは、「誰か」だと思う。そんな……当たり前の物語。だけど、そこが好き。

公式サイトより

 後日談というか、今回のオチ。

 迷子だった羽川翼は、たくさんの人に出会った。友達に出会った。好きな人に出会った。怪物に出会った。その出会いの中で、変わった。恋をした。帰ることのできる家を見つけた。美しくあることをやめた。綺麗であることをやめた。そして、家に帰ってきた。羽川翼は、迷子をやめた。

 人生初の……帰宅の挨拶をした。

 これが、猫物語(白)が一番好きな理由です。


傾物語

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 おいこのペースでやってたらこの記事一生終わんねぇぞ!!!!!!

 まだ全体の折り返し地点も到達してなくないか!? マズい、私は大人気ライターすぎて時間がないのに……また「こんなことしてる時間があるなら働け」と怒られてしまう……。Chu♥ 人気すぎてごめん。ギア上げていくぞ!

 傾物語で最も言いたいこと、それは「アイヲウタエ」について。

 これまでの20代トークでなんとなく察せるかもしれないけれど……私は、中学生の時に「カゲロウプロジェクト」という作品群にドハマりしていた。

 毎日ニコニコ動画で関連楽曲を聞きまくっていた。如月アテンションが一番好き。さらにLINEで「メカクシ団」という同行の志が集まったグループに入っていたくらいである。もう俺を殺してくれ。絶対インターネットに放流したくなかった私の中学恥ずかしエピソード、今回大放出だぜ!!!

 そしてこの「アイヲウタエ」という楽曲……なんとカゲプロの「じん」が作詞作曲をしているのである。カゲプロの曲を聞きすぎて「イントロの5秒くらいで大体じんか否かを判別できる」という特殊能力を獲得している私は、EDに突入した瞬間に気絶しそうになった。

 アカン、西尾維新とじんの組み合わせだけはホンマにアカン。

 もうこれ、私世代にとってのクロノトリガーみたいなもんなんじゃないのか。ウチらにとっての堀井雄二と坂口博信、西尾維新とじんだからヨ……。全国の21歳諸君、勝手にウチらのクロノトリガー制定してごめん。

 でも、ひとつ引っかかっていた。
 「アイヲウタエ」って……なんの曲なんだ。
 いや、確かに良いラブソングだと思う。

 いい感じに「じん」の味が出ている。じん味すぎて物語シリーズ成分がどこにあるのかわからない。褒めてるからね。もうじんは何をどうやってもじん味になってしまうからすごい。褒めてるからね。ぶっちゃけ全部同じ曲に聞こえてくる。褒めてるからね。

 でもこれ……そんなに猫物語(白)と関係ないんじゃないか。
 
さっきも同じような展開してなかった?

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 だけど、「傾物語」に突入した瞬間理解した。

 これ、「傾物語」の曲じゃないか!!!!!!!!!!

 「夏」でしょ? 「タイムトラベル」でしょ? 「少年少女」でしょ? 「世界が滅ぶ」でしょ? おい!!!!!!!!!(発作)

 後日談というか、今回のオチ。
 カゲプロ…………………今でも大好きです!!!!!!!!!!


囮物語

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 正直、こんなに千石撫子が出てこないとは思わなかった。

 私の中で、勝手に「物語シリーズ=千石撫子」みたいなイメージが作られていた。だって千石撫子は人気のキャラだから。だって恋愛サーキュレーションは人気の曲だから。なんなら「もうそう☆えくすぷれす」だって視聴する以前から好きな曲だった。

 だけど、全然出てこない。モブどころの話じゃない。西尾維新に忘れさられたんじゃないかと思うくらい、出てこない。こんなに「恋愛サーキュレーション1本で食わしてもらってます」みたいなキャラだと思わなかった。

 もはや千石撫子がシャフトの楽屋で美樹さやか辺りに「ほら、アレやってよアレw 『せ~のっ』って言うやつw」とイジめられていないか心配になってくるレベルで、全然出てこない。「花澤香菜をま●マギに出せ」とかで撫子が新房昭之とモメたんじゃないかと思うくらい、全然出てこない。

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 だからもう、囮物語を見る前から若干ネタにしていた。「恋愛サーキュレーション1本で食ってる女」だの「月牙天衝(恋愛サーキュレーション)しか撃てない黒崎一護」だの……。だけどそれも、見透かされていた。

 千石撫子は、阿良々木暦のお話に関係ない人だった。

 まるで自分は無関係な素振りをしている。
 まるで自分は何の物語性もない日常を過ごしているような顔をしている。
 まるで自分は絵本の中の住人であるかのような夢心地で生きている。

 悔しい! また西尾維新の掌の上で転がされている!!
 「恋愛サーキュレーション1本で食ってる女」すら、ある意味想定内だったというコトか!? むしろ、ここまで千石撫子を持たせ続けた恋愛サーキュレーションがすごいのか!? ある意味、通常撫子とキレ撫子が「花澤香菜第一形態・第二形態」を象徴している気がしてならない。

公式サイトより

撫子だって……
撫子だって、撫子だって……!!
撫子だって、暦お兄ちゃんのことが大好きなのにっ!!

囮物語「なでこメドゥーサ」

 いま思い返してみれば、多分この辺りで型月バリアーが完全に破壊されている。なぜ、私は物語シリーズを忌避していたのか? なぜ、私は「型月派だから」という意味不明な理由で遠ざけていたのか? もう、そんなのどうでもよくなった。そんなことより千石撫子がヤバい。

 なんかもう、「ハァ……ハァ……中学の時に空の境界読んでイキってなかったら即死だった……」「(懐に潜り込んでボディブローを入れてくる西尾維新)」「グオオオオオオオオ!!!!!」の応酬を延々と続けているようだ。

 面白い。面白すぎるぞ囮物語。

 突然こんなものをぶっこまれて、どうしたらいいんだ。もう懐に潜り込んでボディーブローを入れるとかではない。「なでこスネイク」を見た時、私は煙に巻かれるような感覚があった。あの時私に巻き付いたのは、煙じゃない。蛇だった。あの煙が晴れた時、千石撫子の毒牙は、とっくに私の喉元に届いていた。毒蛇だった。あの違和感は、「毒」として昇華されたのだ。

公式サイトより

 後日談というか、今回のオチ。

 突然だが、私は「コウモリ野郎」が嫌いだ。

 嘘は仕方ないと思う。嘘は世を渡るために必要なことだ。だけど、ひとつ許せないことがある。それは、その場その場で好意を捻じ曲げることだ! たとえば、ついさっきまで好意的に接していたくせに、他所では平然と罵ったり、裏で陰口を叩いたりする! アレはなんだ!? アレはなんなんだよ!? お前らには本当の心なんてひとつもないのか!?

 アレだけは、なにひとつ理解ができない。誰かを、何かを好きになることは、救いなったりする。支えになったりする。それは、もう誰だっていいことがある。それだけで生きていく気になったり、元気になったりする。だから、「好き」という気持ちだけは、裏切っちゃいけないんじゃないのか!? 

 でも、この世界には平然とそれを裏切る人間がいる!! 自分の身可愛らしさに、「好き」を捨ててしまえる人間がいる! その場に合わせて自分の「好き」すら履き替える人間がいる!! 貶める人間がいる!! 

 あの「好き」を易々と捨てる行為だけは━━あの醜さだけは、絶対に許さない。お前たちは最低だ。本音と建前を使い分ける偽善者だ。信じた先から裏切るこの世のクズだ。地球で最も下等な生き物だ。だけど、「好き」だけは本当であれよ! 愛だけは、「好き」だけには嘘をつくなよ!!

 

 ……と、私の日頃の不満を囮物語で一番好きなシーンにこじつけて勝手にキレてみました。「キレる」って、やっぱ最高です。「噛みつく」って、やっぱ気持ちいい。あ、「神」だけに。


鬼物語

公式サイトより

 鬼物語を、新潟のキャンプ場で見ていたことを未だに覚えている。

 アレはたしか7月の中頃。現在大人気の『ポケモンスリープ』というゲームをいち早くプレイできると聞いて、私は新潟のキャンプ場にいた。相変わらず株式会社ポケモンの考えていることはよくわからない。

 だけどキャンプ場に来たところで、私が根暗な人間なのは何も変わらなかった。新潟に来たところで、大して何も変わらなかった。誰かと話すわけでもなく、誰かと仲良くなるわけでもなく、ただテントにこもり、dアニメストアにダウンロードしてきた鬼物語を見ていた。ひと夏の、思い出。

 べっ、別に自分のことを惨めなんて思っちゃいない! 
 そもそも、ポケモンスリープ自体はひとりでも遊べるタイトルなんだ。私は物語シリーズから「友達を作ると人間強度が下がる」ということを学んだんだ。だから……新潟まで来て人間強度を下げる必要はない。

 ……もういよいよ「感想」ですらなくないか?

公式サイトより

 後日談というか、今回のオチ。

 そういえばポケモンで思い出したんですけど……竹先生がキャラデザをやってる『刀語』って作品があるらしいです。いやぁ、「物語シリーズ見終わっちゃって寂しい!」とか言ってたら、いろんな人から刀語をオススメされました。

 それでチラッと調べてみたら、「竹先生じゃん!!」みたいな。
 「しかも西尾維新じゃん!!」みたいな。
 もう……仕方ないなぁ! 最高じゃん!!

 次回、とりあえず『刀語』見ます。

公式サイトより


恋物語

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 なにこのOP??????????

 もうしっちゃかめっちゃかすぎる。なんで貝木泥舟が主人公みたいになってんだよ。あんなに「撫子がラスボスとしてみんなのこと殺しちゃうよ~☆」みたいな雰囲気だったくせに貝木vs千石の構図になってんのマジ貝木泥舟。「生きているのなら神様だって騙してみせる」ってこと?

 改めて恋物語の状況を整理してみよう。

間接的に貝木泥舟のせいで人生がハチャメチャになる千石撫子

なんやかんやで千石撫子がラスボス化

追い詰められた戦場ヶ原が貝木にヘルプ

貝木が千石撫子の信者第1号になる

 なにこれ?
 「人生って不思議だね」とかそんなレベルじゃない。

 私、明確にこの恋物語で気がついたことがひとつあります。
 物語シリーズ……全く気がつかないうちに「日常系」にシフトしている。

 正直、もうとっくに本筋のストーリーとかどうでもよくなってきている。なんとなく「これ無限に続ける気やな?」と気付いてくる。「変な女性が大量に出てくるジョジョ4部」から、「変な女性が大量に出てくるこち亀」に進化した感じがする。

公式サイトより

 そして、大した事件が起きていなくても延々とキャラがしゃべり続けているだけで面白い。もう、「キャラが独立して勝手に動いている」ように見えてくる。もはや西尾維新にすらキャラがコントロールできてないように見えてくる。すごい。これはなんだ。どういうジャンルで括ればいいんだ。

 たしかに、セカンドシーズンに入ってからアニメ的な純粋火力はちょっと落ちている。化物語や偽物語の頃と比べると、ちょっと覇気は落ちてきた。でも物語シリーズ自体が「続ければ続けるほど面白い」タイプなので、なんかもうずっと面白い状態になっている。

 この辺から面白さの方向性が、だいぶ『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』みたいになってきている。もうとっくに本筋とかバトルとかどうでもよくて、このキャラたちの日常を見続けていたい。西尾維新にスーパー戦隊書いてほしい。

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 恋物語を見る前、友人とファミレスでこんな会話をした。

 「もしかして千石撫子って聖園ミカみたいな感じ?」
 「逆だよ逆!聖園ミカが千石撫子なんだって!!」

 これ、もしかしたら令和で最も熱いトークかもしれない。

 恋物語を見た今、確信できる。間違いなく、聖園ミカの配合表の親の親くらいのところに千石撫子がいる。ドラクエモンスターズのダークドレアムでたとえたら、ガルマッゾの親のムドーのポジションに千石撫子がいる。

 大人しさの裏には、子供っぽさが。
 内向的の裏には、外向的が。
 可愛さの裏には、ふてぶてしさが。

 さっき書いた、「物語シリーズはキャラ強度が高いようであっさりキャラが変わるのがすごい」ということ。千石撫子に関しては、全くの逆だと思う。千石撫子は、最初から千石撫子だった。ずっと、千石撫子だった。

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 もう、全部が全部すごいと思う。ラスボスを撃破するのが「当たり前の事」なのも。神さまを突き崩すのが「漫画」なのも。千石撫子を救うのが主人公ではなく、「詐欺師」なのも。

 恋愛だけがすべてじゃないとか。
 他にも楽しみはあるとか。
 将来を棒に振るなとか。
 みんな恥ずかしい青春を送ってきたとか。 
 しばらくすればいい思い出になるとか。
 幸せになることが人間の生きる目的じゃないとか。
 生きてりゃそのうち良い事あるんじゃないのかとか。

 大人が子供に言うような「当たり前の事」。
 それが、千石撫子には必要だった。

 子供に「当たり前」を教えられるのが、大人の良いところだ。
 詐欺師の言う「当たり前」は、嘘かもしれない。本当はこんな「当たり前」なんて、嘘っぱちかもしれない。でも、信じるべき「嘘」だと思う。「当たり前」という名の嘘を信じさせてあげることが、大切かもしれない。

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 後日談というか、今回のオチ。

 そもそも、この話のタイトルが「恋物語」なのがすごい。「恋物語」なんてタイトル自体、「化物語」と「偽物語」の次にきてもおかしくない。というか物語シリーズ自体、やろうと思えば全部の話に「恋物語」というタイトルをつけられるんじゃないのか。だけど、ここまで「恋物語」を温存した。

 そして、これ以上に「恋物語」というタイトルがふさわしいお話はない。まさに、最も「恋物語」と名乗るに値する物語だった。恋から始まった物語。この恋に決着をつける物語。恋を終わらせる物語。恋のその先を描く物語。恋の代わりを見つける物語。そして、恋を続ける物語。

 恋物語……………一番好きです!!!!!!



花物語

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 後日談というか、今回のオチ。

 大学生の阿良々木くん何なの!?!?!?!?!?!?!?!??!?


暦物語・憑物語

公式サイトより

 この辺りから、気がついてきた。
 阿良々木くんが……阿良々木くんがどんどんイケメンになってきている。

 冷静に考えてみれば、この「阿良々木暦」とかいう男が物語シリーズで最も変なヤツじゃないのか。さも「僕は読者の代弁者でござい」みたいな顔してるけど、お前が一番変なヤツじゃないのか。正直、「変なヤツ」度では羽川翼を圧倒的に超えていると思う。

 だけど、わかる。阿良々木暦に惚れてしまうのもわかる。

 「花物語」にて私立直江津高校の後輩女子の間で「伝説の先輩」みたいな存在になっていたのもよくわかる。確かに阿良々木暦はどこの学校に通っていても伝説の先輩になっているだろうよ。私が後輩だったとしても阿良々木先輩に惚れてるだろうよ。阿良々木先輩に助けられたい。

 なんか作画陣が阿良々木くんをどんどん美男子化していくのもわかる。作中の阿良々木ガールズから見た「カッコいい阿良々木くん」フィルターがシャフトのスタッフに適用されていっているのもなんかわかる。週刊連載で徐々にキャラが美形化していく現象がアニメで起きることあるんだ。

公式サイトより
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 突然ですが、私は物語シリーズだと斧乃木余接が一番好きです。

 うん? さっきからコロコロ一番好きなキャラが変わってる?
 そんなことないんじゃない?

 いや……なんとなくかわいいじゃないですか、斧乃木ちゃん。この「別に深い理由はないけど、なんとなくかわいい」に勝るものはない気がする。あんなに擦っていた「僕はキメ顔でそう言った。」がアッサリ「あれは僕の黒歴史だから」で流されるハチャメチャ加減も好き。

 斧乃木ちゃん、シリーズ後半から明らかに「便利キャラ」としてのポジションを確立してきてますよね。こればっかりは流石に西尾維新も段々「思ったより斧乃木余接って便利キャラじゃね?」と気づいたんじゃないかと思うくらい、「気がついたら戦友ポジションになっていた」みたいな存在。

 確かに、冷静に考えてみると超便利なキャラなんですよね。

 「怪異に詳しい上に、それなりにやり合える」
 「そこまでクセがありすぎるキャラでもない」
 「学校に通ってないからいつでも出てこれる」
 「阿良々木君の家に住んでるからいつでも出てこれる」
 「アンリミテッドルールブックで戦える&逃走手段を確保できる万能さ」

 ……もう強さ列記しただけで超便利ユニットだと思います。もう斧乃木ちゃんだけサガフロンティアのゲンくらい酷使されてた気がする。風花雪月で言えばシルヴァンくらい強ユニット。物語シリーズがRPGになったらなんだかんだ斧乃木ちゃんが一番酷使されそうな予感がある。

公式サイトより

 後日談というか、今回のオチ。

 斧乃木ちゃん…………かわいい!!!!!!!!!!



終物語

おうぎフォーミュラ

公式サイトより

 ホントはダメだけど……ひでえ事だけど……こんなこと言ったらBANされるかもしれないけど…………もしかしたらもう一生誰かと交際できないかもしれないけど……親と絶縁されるかもしれないけど………物語シリーズだと忍野扇が好きいいいいいいい!!!!!!!!

 うん? さっきから一番好きなキャラがコロコロ変わってる?
 さぁ……なんのことだか……。

 10年くらい前に「お前戦場ヶ原とキスショット好きそうだよなw」と言ってきた友人に、今こそ伝えたい。俺ほとんどのキャラ好きだったわ。

 特に忍野扇。これは盲点だった。流石の私も、物語シリーズのキャラは事前にほとんど知ったつもりでいた。はい、戦場ヶ原ひたぎ。はい、千石撫子。はい、忍野忍。矢継ぎ早に投入される有名人たち。でも、忍野扇は全然知らなかった。こんな隠し玉があったとは。

 全てを吸い込むような暗闇の瞳。
 男とも女ともつかない美形。
 人を食ったようで、それでいて実態を掴ませない言動。

 う~ん、良い。実に良い。

公式サイトより

 さっき、「阿良々木暦が物語シリーズで一番変なヤツ」だと書いた。阿良々木暦は、困っている人間に無償の善意<おせっかい>を振りかざせるタイプの人間である。ここが、変なヤツだと思う。超、変なヤツだと思う。超超超、変なヤツだと思う。

 たまに、私も無償の善意を振り撒くタイプの人に出会うことがある。

 たとえば、他人の忘れ物をシレっと拾い上げて持ち主に颯爽と返すことを当然のように実行する人が周囲にいたりしないだろうか。たとえば、駅のホームで倒れている誰かに、平然と手を刺し伸ばす人が周囲にいたりしないだろうか。私はそれを見た時点で、「変な人だ」と思う。

 なぜ、何のリターンもないことを普通にできるのか? 
 なぜ、タダで優しさを振り撒けるのか? 
 なぜ、そんな非効率的なことを当たり前に実行できるのか?

 社会を支える世のお人好し共に言いたい。
 今日も誰かを助けている世のお人好し共に言ってやりたい。
 本日もどこかで世界を平和にしている世のお人好し共に突き付けたい。

 貴様ら、超変人だ!!!!!!!!!!!!!!!!

 でも……私だって、そんな人くらいは良い人生を送ったっていいんじゃないか、とも思わなくない。優しくした分だけ、勝手に素敵な人生送ればいいんじゃない? のんきに、無神経に、ズケズケと、お幸せになればいいんじゃない? そして誰かをずっと救ってきた阿良々木暦が、最後に「自分を救う」ことで救われたんだったら……それは、良いコトなんじゃないかな。


そだちロスト

公式サイトより

 端的に言って、「このタイミングでの新キャラ投下とか……正気かよ」と思った。

 老倉育。物語シリーズ、終わりのヒロイン。終わりにして、始まりのヒロイン。ここにきて……ここにきてまだヒロインが増えるのか!? CV井上麻里奈!? コラッ! 西尾ちゃんいい加減にしなさいッ!! ただでさえ持て余してるヤツ何人かいるでしょうに!!

公式サイトより

「私はお前が嫌いだ」
「私が嫌いなのは、幸せの理由を知らない奴。
 自分がどうして幸せなのか、考えようともしない奴」
「自力で沸騰したと思っている水が嫌い」
「自然に巡ってくると思っている季節が嫌い」
「自ら昇ってきたと思ってる太陽が嫌い」
「人は誰かに助けてもらわなきゃ幸せになれない━━そんなこともわからない馬鹿が、嫌いで嫌いで死にそうだ」

終物語「そだちロスト」

 あっ、ヤバい老倉育も結構好きになってきた。

 私は、「嫌い」という感情は何より尊いものだと思う。
 憎悪は、嫌悪は、厭悪は、あらゆる感情より価値があると思う。

 「嫌い」と思えなければ、自分を守ることはできない。
 憎しみを抱けなければ、自分を大切にはできない。
 怒りと悲しみを糧にしなければ、生きられない人間はいる。

 嫌いと嫌いが嫌いで嫌いの嫌いへ嫌いな嫌いは嫌いを嫌い━━━嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い!

 物語シリーズのこういうトコ、大好き。
 老倉ァ! 私も自力で沸騰したと思っている水と自然に巡ってくると思っている季節は嫌いだぞーーーッ!! 

 遅れてやってきた真<トゥルー>ヒロイン、老倉育。まさに「終わり」の物語にふさわしい、ラスボスヒロイン。「真<トゥルー>ヒロイン」の概念だけで構築されたような化け物。ある意味化け物。物語シリーズだと……老倉育ちが一番好きかもしれない。

 でもさぁ……手紙の内容教えてくれよーーーーーッ!!!!!!!


しのぶメイル

公式サイトより

 花物語のパートが事実上のスキップだった段階で薄々気づかれているかもしれないが、私は神原駿河にイマイチピンと来ていなかった。嫌いってほどでもないけど、惹かれるものもない。なんか……ひとりだけ「女友達」くらいのポジションに収まっている。

 真の「白金ディスコ1本で食わしてもらってます」こと阿良々木月火の存在感に比べればまだマシかもしれないが、にしたって周囲の濃さに「食われて」いるような印象があった。

 「しのぶメイル」までは。

公式サイトより

 それも全部含めて会うべきだと言ってる。だから理屈とかいいんだよ。なんで、みんな、そうやって人と会うことを拒むんだ。話にならない。誰かと誰かが出会わなきゃ、話にならないだろうが。物語にならないだろうが。

終物語「しのぶメイル」

 神原駿河が忍野忍に、人と会うべき理由を説く一幕。
 実は私、毎日昼食時に1話ずつ物語シリーズを見ていった。だから半年もかかっているのだ。だけどこのシーンだけは、昼食を食べる手が止まった。

 私は、「失恋」を上手く描ける人が好きだ。
 というか、ネガティブな気持ちの方が圧倒的に好きだ。え、そんなのここまで書いてあること見ればとっくにわかってる? だから、ここのシーンを見た時、流石に「あぁ、これは神原駿河にしか言えない言葉だ」と思った。

 出会えなければ、物語は始まらない。
 出会えなければ、人は変わらない。
 出会えなければ、恋は生まれない。

 より具体的に言えば、「ネガティブの中にポジティブを見出す」行為が好きだ。私はこれを、「後ろ向きのまま前進しているような人」と呼んでいる。私は、「後ろ向きのまま前進している」ことが好きなのだ。基本的に敗れていて、根本的に惨めで、全体的に絶望している。

 でも、なんとか前には進もうとしている。だけど、なんとか希望は見出そうとしている。それなりに、失敗の先を見ようとしている。これが好き。人間、そうでなくちゃいけない。ずっと泥沼なんて、見ていてイライラする。

 だから、破れてしまった恋も、叶わなかった思いも、届かなかった気持ちも、抱えたまま進んでくれなくっちゃ困る。お前の人生は、これからなんだから。やって後悔する方がいいなんてことをいうのは『やってしまった後悔』の味を知らない、無責任な第三者のセリフ。

 だけど一番いいのは、やって後悔しないこと……でしょ?

 神原駿河……終物語まで見て、ちょっと好きになれたかも。


ひたぎランデブー

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 やっぱり戦場ヶ原ひたぎが一番好きかもしれない。
 おい、いくら何でもお前浮気性が過ぎないだろうか。「ひたぎランデブー」のOPが良すぎるんだ。仕方ないじゃないか。

 つい最近、「5股をしていたら5人同時にバレて家のインターホンを連打される」という地獄のような夢を見た。これのせいだろうか。目覚めたらベッドが寝汗だけでちょっとした溜池が作れるくらいの湿度になっていた。あと、別にリアルで5股とかしてないからね!? 1股もできてないからね!?

 改めて、一番好きになったキャラ遍歴を整理しよう。

化物語「戦場ヶ原ひたぎが一番好き」

偽物語「阿暦々木火憐が一番好き」 

囮物語「千石撫子が一番好き」

恋物語「貝木泥舟が一番好き」

慿物語「斧乃木余接が一番好き」

終物語「忍野扇が一番好き」

ひたぎランデブー「やっぱ戦場ヶ原ひたぎかな」

 人間って、本当に度し難い生き物である。

 よかったら、みなさんもここのコメント欄で物語シリーズへの性癖を開示していってください。私が喜びます。なんか恥ずかしかったら……引用RTとか記事リンクツイートとかに書いといてください。

 ただ……最後の最後まで「阿良々木暦の恋人は、戦場ヶ原ひたぎ」という構図が一切崩れなかったのは本当にすごかった。まぁ、確かに終物語まで付き合えば「ハァ?阿良々木暦ほどの男が浮気なんかするワケないンだが?」と逆ギレしたくなることは確かなのだけど、それでもすごいと思う。

 なんなら、化物語の最初は「あ~あ、阿良々木くんさぁ……そうやって一番最初に彼女とか作っちゃって……これはもう“殺し愛”しかないよネ」とか思ってたのに、阿良々木くんも戦場ヶ原さんもおそろしいほど一途だった。失礼だな、純愛だよ。お前ら……ラブラブか!? 

YouTubeより

 もうひとつ、「戦場ヶ原ひたぎ」について言いたいことがある。

 戦場ヶ原ひたぎって……どんなキャラだと思う?

 私はこの問いに対して、パッと答えを出せないことが最近わかった。「ツンデレ」? 「ツンドラ」? 「ツンドロ」? 何もかも違う気がする。端的に、かつ正確に「戦場ヶ原ひたぎ」を表わす言葉が、どこにもない。戦場ヶ原ひたぎを、うまく表現できない。

 一見、キツい性格に見える。実のところ、キツい性格である。
 だけど、ずっと見ているとそうでもない気がしてくる。

 一見、ブレようのないキャラに見える。実際、全然ブレていない。
 だけど、ずっと見ているとどんどんキャラが変わっている気がする。

 ある意味、物語シリーズを最も象徴しているキャラな気がしてならない。人と出会って、人が変わる。誰かと出会った物語に、運命を動かされる。そうでいて、「戦場ヶ原ひたぎ」という存在は強固。変わったようで、変わっていない。違わないようで、実のところ成長している。

 後日談というか、今回のオチ。

 戦場ヶ原ひたぎ………………最高のヒロインです。


傷物語

Ⅰ 鉄血篇

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 ついに、ここまで来たぞ。

 2~3年くらい前、私は「チェンソーマンの巻頭コメントで藤本タツキがオススメしているホラー映画を全部見る」という意味不明なことを実行していた。個人的には『デスプルーフinグラインドハウス』がオススメです。

 え、急に現代っ子みたいなこと言い始めるなって? 
 いやだって……チェンソーマン好きだし……。

 そこから「単に藤本タツキがオススメしていた作品を見る」にまで拡大し始めて、『ぼくのエリ』とか『パーマネント野ばら』とかも見た。なんかもう「元ネタ知ってる俺、カッコいいだろ?」というより、ただの習慣みたいになっている。全然知らない映画見るの、楽しいじゃん……?

 だけどその中、唯一見れていない作品があった。
 それがこの『傷物語』。これ……チェンソーマン1部の最後らへんの元ネタらしい。なので、見れてよかったです。

 まるで全部計画通りみたいな顔してますが、アマプラで見てる最中に「そういや藤本タツキ言ってたわ……」って思い出しました。
 
あ、特にチェンソーマンに絡めた感想とかは何もないです。
 そういうのは考察ブログに行け!(阿部寛)

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 うん、やっぱ俺……物語シリーズだとキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードが一番好きかもな。

 実はここまで物語シリーズを追いかけ続けたのは、チェンソーマン云々より色々な人に「傷物語まで見てください」と勧められた部分の方が大きい。そんなにみんな言うなら、確かめてみたくなる。だけどそこに至るまで、気が狂うような話数が用意されていた。ウッカリ、ここまで来てしまった。

 もしかしてアニメ版の物語シリーズにおいて「傷物語まで見てください」と言い放つのは「鹿目まどかが魔法少女になるまで見てください」と大体同義なのではないだろうか。いや、それ以上じゃね?

 だから期待もパンパンに膨らんでいた。「そんなに言うなら傷物語よっぽどすごいんだろうな?」と。実際、別格だった。もちろん、物語シリーズはすごいアニメではあると思う。だけど……アニメとしての純粋火力は、偽物語から落ち続けているような印象があった。でも、傷物語は別格。

 久しぶりに本気を見た気がする。
 これがシャフトか。シャフトってすげえな。
 傷物語まで……ちゃんと追ってきて良かったわ。


Ⅱ 熱血篇

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 コイツ誰だよ。

 もう阿良々木君のイケメン化が止まらなさすぎて誰だかわかんねえよ。
 これ誰……? 傷物語の阿良々木くんってなんかもう僕は実写化したら菅田将暉ですみたいな顔してるよな。もう作画から「物語シリーズで一番えっちなのは……阿良々木暦だろ?」の圧が滲み出ちゃってるよ。

 たしかに、「ラブコメにおいて、最終的に読者が恋をするべきなのは主人公だ」という言葉には私も大いに同意である。その点、傷物語の「困ってる人を見たら助けちゃう阿良々木くん」がキスショット相手に炸裂するシーンは本当に惚れるかと思った。阿良々木くんになら抱かれたっていい。

 目の前で死にかけている吸血鬼を見て、割かしあっさり人生捧げる覚悟決められちゃう男は……もう惚れるしかないんじゃないか。でもイケメン化が止まらなさすぎるだろ。

 この「誰も気づかないように少しずつ変えていけばバレない」ことを、世の中では「毎日1ミリずつバス停を動かしていけば、いつかは自宅の前にバス停が来る戦法」と呼んだりするらしい。その点、物語シリーズはまさに阿良々木暦美男子計画をこの戦法で実行していたと言っても過言ではない。

 だけど、傷物語の急激なイケメン化に限っては「朝目が覚めたら、自宅の前に空港が建っていた」くらいの勢いを感じてしまう。これが吸血鬼の魅力能力ってコト? 作画で表現してるってコトなの?


Ⅲ 冷血篇

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 チェンソーマン……これかァ~~~~~ッ。

 やっぱ結局、「困ってるヤツを見かけたら絶対に助けちゃう男・阿良々木暦」から全部の物語が始まってるのが一番好き。全部コイツのせいで物語が始まって。全部コイツのせいで救われた人がいて。全部コイツのせいで1年間の変な物語を見せられて。「阿良々木暦に付き合わされる」作品だよ。

 そしてキャラクターの配置としては「日常の象徴・羽川翼」「非日常の象徴・キスショット」という配置がなされているようで、実のところ羽川翼の行動の方がヤバくて「テメーよりキスショットの方が……よっぽど人間臭いぜ!!」と突き付けてやりたくなる。

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 しかも……しかもさぁ……。今、傷物語を見た人間の大半が思うであろうことを、ここでも書きたい。多分インターネットに5億回くらい書かれていることを、ここで書きたい。

 「羽川翼、ここまでやって戦場ヶ原に負けんのかよ」と。

 こんな……ここまで事前に稼いでおいて負けるのかと。
 このあとスタートする戦場ヶ原とお前とでは、オールスター感謝祭の赤坂マラソンにおけるエリック・ワイナイナと森脇健司ぐらいの大差がついているんじゃないのかと。やっぱりワイナイナに追い抜かれてるじゃないかと。

 でもこれ、ひとつわかったことがある。戦場ヶ原と羽川の関係は、多分月姫リメイクにおける「アルクェイドとシエルの関係」に近いのだと。要は、「主人公から性欲が向かない方」と「主人公が性欲を向ける方」の関係やね。あぁ、これは万物の摂理として仕方ないわ。羽川、気張りや!!

 まさかこんなところで「俺は型月派だから」が伏線回収されるとは思わなかったでしょう。私も思わなかったよ。いま女性読者が減る音がした。

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 後日談というか、今回のオチ。

 「阿良々木くんと忍野忍って、どういう関係?」

 意外とこれ……気になっていました。
 恋人でもない。親友でもない。同級生でもない。兄弟でもない。幼なじみでもない。じゃあ…………何? これが、傷物語でわかった。

 これ……………「ペット」だ!!!!!!!!!!!


続・終物語

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 まだやるのォ!?

 もうこれ読んでる人も「長すぎる」と思っている人が大半。だけど物語シリーズ……まだ終わらない。現行アニメ作品のラスト、「続・終物語」。

 正直、「もういいだろ!あんなに綺麗に締めたんだから!!」とすら思ってしまった。終物語で、「ストーリーの終わり」は見せてもらった。傷物語で「(シャフト的な)アニメのクライマックス」も見せてもらった。

 これ以上、何をやる!?
 こんなゆるい企画で、大丈夫なんですか━━━━!?

 だけど……少し見ていたら、気がついた。これ……「ファンディスク」だ。鏡の世界で、反対になったキャラが描かれる。有り得ない、大人の八九寺真宵。有り得ない、クチナワさんの千石撫子。有り得ない、老倉育。

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 これは明確な、ファンサービス。
 この「ファンディスクっぷり」、否が応でも「終わり」を意識してしまう。なんだか、少し寂しい。まさかこんな形で「終わり」を感じさせられるとは思わなかった。シャフト、ありがとう!

 それと同時に、「西尾ちゃんまだまだ物語シリーズやめへんでー!」を宣言するような作品でもある。というか、1本丸々使ってその宣言をしたかったかのような作品だと思う。なんか、それでこそ物語シリーズだよね。もう「ジョジョ4部が……一生終わらなかったら?」の域に突入してる。

 後日談というか、今回のオチ……は、言いません!

 最後くらい、オチはなしで。サヨナラも、なしで。締めくくるエンドマークも、なしで! だってオチをつけたら……忘れちゃうでしょう? もう、「お別れ」することになっちゃうでしょう? まだ原作続いてるらしいし。それはちょっと、物語シリーズにふさわしくないかな、と思ったのでした。

 だって、私自身……半年間物語シリーズを見る中で、ちょっと「変わった」のですから。どこが変わったのかって、それは単純。「触れたくないと思っていたものでも、いざ触れてみると楽しい」ってことです。この出会いがなかったら、気づくのが遅れていたかも。

 だからこの出会い、忘れない。決して忘れない。どんな出会いも、さよならも。どうか君<物語シリーズ>は……変わらずに! 

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 ハロー!こんにちは! 久しぶり!
 21歳の私、何をしていますか? 
 物語シリーズ、全話見ていますか?

 ところで、あの時の気持ちは忘れることができたでしょうか? 今はまだ無理です。いつの日かもっと年をとったら、わかる日がくるのでしょうか? 本当にこれでよかったのかな? 2010年(子供)に囚われたままで、いいのかな? たまに思うことがある。でも……好きだからいっか!

 ……と、ここでひとつ、私には「なんとなく触れていなかった作品」があったことを思い出しました。

 その名も……『魔法少女まどか☆マギカ』。

公式サイトより

 大半の人が「えええええっ、まどマギ見てないの!?」と思ったことでしょう。そう、なぜか見ていませんでした。特に、深い理由はありません。なので、まどマギも見ようと思います。というか、もう友達の家で全話見てきました。記事内にやたらとまどマギの話が多かったのはそのためです。

 まさかの西尾ルート『刀語』と、新房ルート『魔法少女まどか☆マギカ』に枝分かれしました。もしかしたら、これを機に「なんとなく見たことなかったアニメを見る会」としてシリーズ化してもいいかもしれない。良いね、そうしよう。

 まどマギも、刀語も、感想を書くか……わかりません! 
 気が向いたら書きます!
 ふふっ、カミングスーン! あ、「神」だけに!!